まずは何をすべき?転職を考えたらやるべきことと転職先の決め方

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歯科衛生士コラム
 「今の歯科医院を辞めて転職しようかな・・・」そう考えたらすぐ退職手続きをするのではなく、まずやっておくべきことがあります。後悔することのないよう、あらかじめするべきことを把握しておきましょう。
まずは何をすべき?転職を考えたらやるべきことと転職先の決め方

1.転職を考えたらするべきこと
2.転職先の決め方
3.立地
4.休日・診療時間

転職を考えたらするべきこと
転職を考えたらやるべきなのは以下の通りです。
1.転職先探し
2.応募・面接
3.退職手続き


①転職先探し

 転職先探しは、今の歯科医院へ退職の意思を伝える前に始めると良いでしょう。「今の職場より良い条件の歯科医院」というように、漠然としたイメージしか無くても問題ありません。転職先探しをするうちに給与や待遇、立地など、自分が職場に求めているものや優先順位が見えてきます。

 ただ職場の人間関係は、実際に雰囲気を見たり勤務したりしてみないとわからないことも多いです。応募の前に見学させてくれる歯科医院も多いため、気になる場合は申し込んでみることをおすすめします。

②応募・面接

 歯科医院の応募方法はいくつかあります。求人広告などを見て電話応募する方法や、求人サイトからwebで応募する方法、転職エージェントを利用する方法などがあります。それぞれのメリットとデメリットがあるため、自分が利用しやすいものを選ぶと良いでしょう。

 電話応募は直接歯科医院と繋がるため、素早く確実に応募することができます。歯科医院側の雰囲気を感じ取ることもできるでしょう。ただ応募する時間帯や電話対応のマナーによっては、面接前から相手に悪い印象を与えてしまうことも。電話をするために時間を確保しなければいけないのも、電話応募のデメリットと言えます。

 それに対してweb応募は、必要事項を入力し送信するだけ。診療時間や相手の都合を深く考えず、こちらの好きな時間に応募することができます。ただサイトによっては随分前に掲載された求人情報がそのままになっていることもあり、返事がすぐに得られないこともあります。また求人サイトから得られる情報には限りがあり、働く条件や歯科医院の雰囲気など自分の知りたい情報が得られない可能性もあります。

 転職エージェントは登録することで専任のアドバイザーが付き、転職活動のサポートをしてくれるサービスです。転職先探しから面接の日程決め、内定後の対応までサポートしてくれることが多く、自分に合った転職先がわからない、何から始めたら良いのかわからないといった方におすすめです。転職活動の進み具合はアドバイザーに左右されるというデメリットがあるものの、登録を手間と感じなかったり利用料が無料であったりする場合は登録しておいて損は無いでしょう。

③退職手続き

退職の手続きには、以下のようなものがあります。
白衣・備品の返却
健康保険証の返却
通勤定期券の解約
失業手当の手続き など

 歯科医院から支給されて使用していた白衣や備品は、退職に当たって返却する必要があります。また歯科医院側の費用で購入した教本や雑誌なども、退職後は歯科医院の物になるため返却します。その他健康保険証の返却や通勤定期券の解約なども退職する上で必要です。歯科医院で用意された健康保険ではなく、個人で国民健康保険に入っている場合は健康保険証を返却する必要はありません。

 また退職後少し休んでから転職活動を始める場合や、転職までに一定の期間が空く場合は失業手当の手続きをしましょう。失業手当は、職を失った人が安定した生活を送りながら転職活動を進められるよう支給されるもの。例えば「地方で働いているけど東京で転職活動したい」という場合、働きながら毎日東京へ通うのは難しいですよね。おそらく地方の歯科医院を退職し、東京へ引っ越してから転職活動をすることになるでしょう。働く意思があるのに退職しているため収入が無く、転職活動どころか日常生活も送れない・・・となっては本末転倒。このような状況を防ぐために支給されるのが失業手当です。失業手当の受給にはいくつか条件があり、また自動的に受け取れるようになるものでもありません。自ら手続きを行う必要があるため注意しましょう。

 基本的に、退職手続きを行うのは転職先が決まってからでOK。転職先が決まる前に退職手続きを完了してしまうと、転職先が決まらなかったときに無職になる可能性があるからです。無職になる期間が不安なのであれば、早く辞めたい気持ちを抑えて計画的に転職活動を進めましょう。ただ退職の意思を伝えても、強く引き止められて辞められない可能性がある場合は別です。日々の業務に追われて院長と話す時間が無く、転職前に辞められない可能性があります。今の職場への出勤日と、転職先への出勤日が重なるような事態は避けましょう。また今の職場への不満により体調不良になっていたり、精神的につらかったりする場合も退職手続きを先に行うべきでしょう。無職になる期間があっても突然一文無しになるわけではないので、いち早く退職してから転職先をゆっくり探すという方法もあります。数日間無理をして働いたところで、稼げる金額は限られています。


転職先の決め方
 コンビニの数より多くあると言われる歯科医院。転職先の決め方は人それぞれですが、似たような条件の歯科医院が多くあるのも事実です。歯科医院を比べるときに基準にしやすい項目を解説します。

立地
 歯科医院の立地によって、毎日の起床時間や帰宅時間は大きく変わってきます。条件が良くても自宅から遠い場所にある歯科医院だと、毎朝の早起きが必要な上交通費もかかってきます。毎朝早起きということは、友人との予定や飲み会など前日の夜も遅くまで楽しめないということ。数日であれば問題無くても、数ヶ月、数年と長い目で見ると大きな負担になることがあります。また交通費が毎月全額支給される職場であれば良いですが、支給されなかったり支給額の上限が決まっていたりすることもあるためよく確認しておきましょう。
休日・診療時間
 給料や待遇にばかり目がいきがちですが、それらはどの職場も大差無いことが多いです。それに対して休日や診療時間は、歯科医院によって差の開きやすい部分でしょう。例えば「完全週休2日」は毎週2日間の休日を取ることができますが、「週休2日」はそうではありません。週休2日の場合、2日間の休日が保証される週は月に1回のみ。そのため1ヶ月のうち3週は休日が1日のみで6日間出勤なんてこともあり得ます。

 また歯科衛生士は院内の清掃や準備を任されることも多く、診療時間よりも早く出勤するよう言われることが多いです。診療は9時開始でも出勤時間は8時なんてことも少なくありません。そのため診療時間や勤務時間は必ず確認しておきましょう。

 転職先の決め方としては、他にも歯科医院の規模やユニット数、スタッフ数、手当の充実さなどがあります。転職先探しをしているうちに、職場に求める条件や優先順位が定まってくるでしょう。それでも決めきれない場合は転職エージェントに登録し、相談してみるのも良いかもしれませんね。

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浜崎 実穂

東京医科歯科大学卒業後、大学病院に歯科衛生士として勤務。大学の卒業研究では、日本歯科衛生学会の学生研究賞(ライオン歯科研究所賞)を受賞。2019年4月からフリーライターに転向し、自身で立ち上げた歯科メディアは売約を達成。現在は「歯科衛生士ライター」として活動し、歯科企業や歯科医院でライティング業務を行う。

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© Dentwave.com

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