歯科衛生士コラム【これだけは押さえておきたい】マウスピース矯正のきほんのき

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マウスピース矯正

【これだけは押さえておきたい】マウスピース矯正のきほんのき
マウスピース矯正は数多くの歯科医院で取り扱っていますが、そうでない歯科医院があるのも現状。勤務先の歯科医院で取り扱っていないと、マウスピース矯正について患者さんに質問されても自信を持って答えられないのではないでしょうか?歯科衛生士よりも患者さんの方が知識豊富・・・なんてことがあっては良くないので、マウスピース矯正についての基本だけでも押さえておきましょう。

【基本①】最大の特長は装置が目立たず自由に着脱できること


マウスピース矯正の装置は透明なマウスピースです。歯に装着したときの見た目は、ナイトガードよりも歯全体を覆った形をしています。歯を動かしていくため、マウスピースにはある程度硬さがあります。

歯科医師や歯科衛生士であれば、装置が透明であっても装着中であることに気付くかもしれません。しかし患者さん同士や、歯を意識して見ていなければ気付かれないことがほとんどでしょう。そのため見た目を気にする方や、仕事で人前に立つことの多い方、矯正していることを他人に気付かれたくない方にもおすすめできる矯正方法です。

【基本②】マウスピース矯正にはさまざまな種類・メーカーがある


最も有名なメーカーはインビザラインですが、マウスピース矯正にはさまざまな種類・メーカーがあり、それによって得意とする歯列や装置の装着時間などが変わってきます。歯科医院がどのメーカーを取り入れるかによって指導内容も変わってくるでしょう。

ただインターネットで「マウスピース矯正」と調べて出てくる情報は、ほとんどがインビザラインに関するものです。患者さんがマウスピース矯正=インビザラインと思っていてもおかしくありません。インビザラインがここまで有名な理由は、圧倒的な世界シェアと画期的なシミュレーションシステムにあり、2019年時点で世界で600万症例を超える実績を持っています。また幅広い不正歯列に対応できるのもインビザラインの特徴です。

【基本③】1~2週間おきにマウスピースを交換し歯を動かしていく


マウスピース矯正では、1~2週間おきに新しいマウスピースに交換します。交換のタイミングや装着期間はマウスピース矯正の種類やメーカーによります。例えば以下のような装着スケジュールになります。
1/1(月)~1/7(日)1枚目のマウスピースを装着(1週間)
1/8(月)~1/14(日)2枚目のマウスピースを装着(1週間)
1/15(月)~1/28(日)3枚目のマウスピースを装着(2週間)
→次のステップへ
1/29(月)~2/4(日)4枚目のマウスピースを装着(1週間)
2/5(月)~2/11(日)5枚目のマウスピースを装着(1週間)
2/12(月)~2/25(日)6枚目のマウスピースを装着(2週間)
→次のステップへ
一定期間ごとに印象採得を行い、歯の移動具合によって新たなマウスピースを作ります。なおインビザラインであれば、印象採得は基本的に初回のみで済みます。

【基本④】装着時間はメーカーによるが概ね1日20時間前後


マウスピース矯正では装置を自由に着脱できるため、装着時間を自己管理してもらう必要があります。マウスピース矯正の種類・メーカーによっても異なりますが、平均的な装置の装着時間は1日20時間前後です。1日20時間とは、食事と歯磨き時以外は1日中装着しているイメージ。仕事中も入浴中も就寝中も装着するのが基本です。慣れるまでは難しいかもしれませんが、装着時間を守れないと矯正効果を感じられません。

【基本⑤】食事・歯磨き時は装置を外すため日常生活への影響は少ない


ワイヤー矯正では装置を歯に固定するため、食事がしづらかったり歯磨きが難しかったりといった点がデメリットでした。しかしマウスピース矯正では、食事・歯磨き時は装置を外すことができます。そのため普段通りの食事・歯磨きをすることができ、装置も毎日丸洗いできます。これによりむし歯・歯周病リスクや、口臭の心配もほとんど無くなりました。

【基本⑥】ワイヤー矯正よりも痛みが出にくい


ワイヤー矯正ではおよそ1ヶ月に1回の頻度で装置を調整し、歯を動かしていきます。つまり通院時に1ヶ月分の調整を行うため痛みが出やすいです。それに対してマウスピース矯正は、1〜2週間に1回の頻度で装置を交換します。細かく区切って少しずつ歯を動かしていくため、痛みが出にくいのもマウスピース矯正の特徴です。

例えるなら1ヶ月後に締め切りの仕事・課題を一度に済ませるのがワイヤー矯正、締め切りは1ヶ月後ですが毎週課題に取り組み、少しずつ済ませていくのがマウスピース矯正です。1ヶ月分を一度に済ませるとなると負担が大きいですが、毎週少しずつ済ませていけば負担も少ないですよね。ゴールは同じところに設定されているため、ワイヤー矯正とマウスピース矯正で治療期間に大きな差はありません。

【基本⑦】重度の不正歯列など対応できない歯並びもある


インビザラインは幅広い不正歯列に対応できますが、重度の開咬や上顎・下顎前突などは、マウスピース矯正だけでは治せないことが多いです。仮に治せたとしても、かかる費用や治療期間を考えるとワイヤー矯正の方がメリットが多かったり、ワイヤー矯正で全体を治してからマウスピース矯正に移行したりといった流れになります。

【基本⑧】費用相場はおよそ80〜120万円


マウスピース矯正の費用相場は、ワイヤー矯正と同じくらいか少し安価であることが多いです。メタルのワイヤー矯正と比較するとマウスピース矯正の方が高価かもしれませんが、白いブラケット・ワイヤーを使ったワイヤー矯正、裏側・舌側矯正と比較するとマウスピース矯正の方が安価になることもあります。

またマウスピース矯正では全体の歯並びを治すものと、前歯だけなど部分的に歯並びを治すものがあります。後者は治療期間が短く費用も抑えられますが、歯を動かす際には噛み合わせなど全体も考慮する必要があります。そのため「前歯だけの矯正」などと安さを売りにしているものは、噛み合わせなど機能面が考慮されていない可能性があります。

マウスピース矯正は装置が目立たず自由に着脱できることから、矯正開始に対するハードルが低く幅広い年齢層に人気です。基本を押さえておけば、患者さんに質問されても安心ですね。

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浜崎 実穂

東京医科歯科大学卒業後、大学病院に歯科衛生士として勤務。大学の卒業研究では、日本歯科衛生学会の学生研究賞(ライオン歯科研究所賞)を受賞。2019年4月からフリーライターに転向し、自身で立ち上げた歯科メディアは売約を達成。現在は「歯科衛生士ライター」として活動し、歯科企業や歯科医院でライティング業務を行う。

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© Dentwave.com

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