【webセミナー受講後のレポート】診断の精度を高めるためのX線写真の読影の極意

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診断の精度を高めるためのX線写真の読影の極意

DentWave.com配信ウェビナー(有料)イベントレポート第2弾、今回は歯周治療におけるデンタルX線写真の読影に関するウェビナー内容を2点ピックアップし紹介したい。

本ウェビナーのタイトルは「歯周治療におけるデンタルX線写真の読み方」で、セミナー講師は「斎田 寛之」先生である。斎田先生は斎田歯科医院の院長で、日本歯周病学会の専門医・指導医でもある。

本ウェビナーは1枚のデンタルX線写真から歯周病をより俯瞰的に診る方法を歯周病専門医から学べる機会となっている。
ウェビナーの概要🧑‍⚕️

・デンタルX線写真の正常像の理解
・デンタルX線写真の3次元的読影
・デンタルX線写真から判明すること
・デンタルX線写真で分かる歯周病の病態
ウェビナーの視聴をおすすめしたい方👇

・歯周病患者を見る機会の多い歯科医師の方
・歯周病の診断に不安のある歯科医師の方
・歯周病の診断を深く学びたい歯科医師の方
歯周治療におけるデンタルX線写真の読み方
(視聴時間:53分、録画配信、5,500円、カード決済)
△アナログの画質の方がデジタルより優れている現状

質の高いデンタルX線写真

現状はアナログのデンタルX線写真の画質がデジタルより優れている(上画像参照)。しかしながら、デジタルのX線写真で読影できないわけではない。

斎田先生はウェビナーの中で質の高いデンタルX線写真がどのようなものかを解説された。抜粋して紹介すると下記の通りである。

・エナメル象牙境、骨梁像、歯根膜腔などが明瞭
・傷や汚れがない(特にIPのキズが付いた際は交換推奨)
・コンタクトが重なっていない
△歯槽骨欠損部の透過像の違いで3次元的に骨欠損を予測可能

デンタルX線写真を3次元的にみる

デンタルX線写真の透過像の違いにより、歯周病による1壁性〜4壁性の骨欠損をある程度予想できることを斎田先生は解説された。例えば、上画像の右下3番と4番の間は骨欠損の透過像の違いから上部は1壁性の骨欠損、下部は2壁性や3壁性の骨欠損が考えられ、混在していることが考えられる。

デンタルX線写真(2次元)による推測であるため、骨欠損の様式を確実に把握することはできない。正確に診断する場合はCTを撮影して3次元的に確認することとなる。被曝量などの問題があるが患者の同意が得られるのであればCTも撮影することを考慮したい。

また、斎田先生の独自の検証によると、皮質骨が欠損している根尖病巣や歯周病の部位をデンタルX線で撮影すると、明瞭な(真っ黒な)透過像が認められる傾向があるとのことだ。この事実を知れば2次元のデンタルX線写真でも3次元的に病態を捉えることが可能である。

「歯周治療におけるデンタルX線写真の読み方」を受講して

本ウェビナーを受講し、2次元のデンタルX線写真1枚を撮影して3次元的に読影することの重要性を理解することができたように思う。骨梁像、歯根膜腔、歯槽頂部歯槽硬線部の変化により歯周病の病態をデンタルX線写真1枚でも把握できることが腑に落ちる機会となるであろう。

デンタルX線写真を撮影し診断する機会の多い読者の方にぜひ参考していただきたいウェビナー内容となっている。
歯周治療におけるデンタルX線写真の読み方
(視聴時間:53分、録画配信、5,500円、カード決済)

本記事が日常臨床でのデンタルX線写真読影の一助になれば幸いである。

編集後記 千葉の南部・東部エリアを訪れて

千葉(房総半島・鴨川・銚子・犬吠)を訪れたのですが、東京から鴨川にまず移動し、鴨川→館山→勝浦→香取→銚子をレンタカーで2日でまわる非常にきつい日程で周っていました。千葉は非常に暑く、大きな大仏のある日本寺では汗だくかつ疲労困憊でした。

写真は千葉の観光名所の一部です。左上から順に紹介すると、鋸山(日本寺の地獄のぞき)、大山千枚田、佐原の小江戸さわら舟めぐり、犬吠岬、香取神宮です。最後の右下の写真ですが、富津市名物の黄金アジフライで、千葉に来たら食べる価値ありです。

千葉県自体面積がとても大きく、レンタカーが無いとなかなか回れない場所に有名な観光スポットが多数存在します。また、車の渋滞がところどころで発生し、レンタカーを返却する時間に危うく遅れそうになりました。

千葉県への旅行の際は過密スケジュールを組むのは控えることを強くおすすめします!最高気温が35度を超える暑い日が続いておりますが、お出かけの際は熱中症にも気をつけましょう!

古川 雄亮(ふるかわ ゆうすけ)

日本矯正歯科学会 所属

東北大学歯学部卒業後、九州大学大学院歯学府博士課程歯科矯正学分野および博士課程リーディングプログラム九州大学決断科学大学院プログラム修了。歯科医師(歯学博士)。バングラデシュやカンボジアにおいて国際歯科研究に従事。イエテボリー大学歯学部 "Oscillation course" 修了。2018年より、ボリビアのコチャバンバで外来・訪問歯科診療に携わり、7月から株式会社メディカルネットに所属。
主に、DentwaveやDentalTribuneなどのポータルサイトにおける記事製作に携わり、2019年7月よりメディカルネットの顧問。離島歯科医療に従事後、本島で歯科臨床に従事する傍ら、記事の監修・執筆、歯科医師国家試験模擬試験の編集業務、企業コンサルタント、マウスピースの製品管理、オンライン診療などを個人事業主として行っている。

【筆者プロフィール】
https://saipon.jp/h/web_writing98765/2

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