歯科医師向け 開業支援・経営支援コラム Vol.25【人材・教育】内定から入職までの流れ

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前回までのコラムでは、3回に分けてスタッフ採用における選考のポイントについてお話させていただきました。今回からは、厳正な選考を経て内定を出した後の流れについて解説させていただきます。

医院の理念や方向性に共感し、一緒に医院を作ってくれる仲間を採用できたら、以下のような流れで準備を進めていく必要があります。

①内定通知書を準備する

選考を経て採用することが決まったら、速やかに内定通知書を準備しましょう。内定通知書は、医院より採用内定を受けたことを通知する書面となります。内定通知書には、採用された旨、入職する日や賃金等の待遇、勤務地、福利厚生などの情報を記載します。

②内定承諾書を準備する

内定を出したからといって、必ずしもその人材が入職してくれるとは限りません。なぜなら同時に他院の選考を受けている場合もありますし、後から気が変わって辞退してしまうこともありえるからです。そこで内定通知を出すのと同時に内定承諾書を作成し、本人から書面で入職の意思をもらうようにしましょう。ちなみに内定承諾書とは、内定通知を受けた人が採用内定を受け入れる旨を企業に伝える書面で、入職日や待遇、勤務地、福利厚生などの労働条件の詳細を記載します。

③雇用契約書を準備する

内定を出した人材から内定承諾書を受け取ることができたら、雇用契約書を作成します。雇用契約書とは、医院と従業員との間で締結される労働条件をまとめた書面です。雇用契約書には、従業員の業務内容、雇用期間、賃金や各種手当等の待遇、休日や勤務時間、退職条項などを明記するようにします。雇用契約書の記載事項への同意が取れたら署名・押印いただき契約を締結します。契約書は2部同じものを用意し、医院側と従業員双方で保管するようにします。

④入職手続き、就業前準備

雇用契約の締結が済んだら、入職の手続きや就業前の準備を進めます。具体的には、給与の振込口座の確認、源泉徴収票・年金番号・マイナンバーなど、社会保険加入や納税に必要な情報収集、ユニフォームのサイズ確認、名札作成など、従業員が勤務を開始できるための準備をおこないます。

⑤入社前研修・実務トレーニング

開業日に患者さんを迎え入れて、診療をしっかり回すためには、事前の準備やトレーニングが必要です。医院で導入している医療機器や予約管理システムなどITツールの操作方法、患者さんに提供する治療や物販アイテムについてのレクチャー、受付からお帰りいただくまでのオペレーション確認や接遇などの準備が必要となります。

以上が内定を出してから入職(勤務開始)までのおおまかな流れとなります。開業時は採用してから勤務を開始するまで時間も限られており、やらなければならないことが盛りだくさんです。事前にしっかりと計画を立て、専門家の力を借りるなどして準備を進めていくようにしましょう。次回以降はテーマごとにもう少し掘り下げて解説させていただきます。

1on1スタッフマネジメント型 経営コンサルタント(事務長代行)
ライトアーム代表 
五十嵐 伸好

歯科器材メーカーにて開業担当として200件以上の開業に携わり、大手ディベロッパーや商業施設との交渉により物件獲得、事業計画書の作成、開業資金の融資確保、医院内装のアドバイスなど、機械メーカーの枠を超えて開業までのすべてをとりまとめ、先生の評価をいただく。
その後、医療法人事務長となり多岐にわたる事務長業務(採用、人事、広報、渉外、経営、税務、労務など)を行い法人運営し、就任時から売上400%以上アップを達成する。現在は多忙な院長に代わってスタッフマネジメントを行い、院長が歯科医師として治療に専念できる環境、仕組み、働きやすい職場を構築することで離職率の低下と売上UPを実現。経営コンサルタントとして複数の院長の相談役、経営的右腕として活動している。

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