歯科医師向け 開業支援・経営支援コラム Vol.21【人材・教育】求人ツール・媒体の選定とコストについて

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前回のコラムでは「魅力的な募集要項と求人原稿の作り方」というテーマで、求人原稿を作る上で心がけたい点や、注意しておきたいポイントなどを具体的に解説させていただきました。今回は具体的に採用活動を進めるための「求人ツールや媒体の選定と、そのコスト」についてお話させていただければと思います。

早速ですが、新規で歯科医院を開業するにあたって、よほど小規模でのスタートを想定している場合以外、オープニングスタッフを採用する必要があります。スタッフを採用する手段や媒体は多数ありますが、それぞれに特徴とメリット・デメリットがあります。また、コストに関しても、無料で利用できるものから高額な手数料がかかるものまでかなり幅があります。

先生方がスタッフを揃えて新規開業を迎えたい場合、開業前から計画的に準備を進めていかなければなりません。なぜなら、募集をかけたからといってすぐに良い人材が集まるとは限りませんし、採用後も開業時にきちんと診療が回せるよう、研修やトレーニングを受けさせる必要があるからです。

また、開業前にスタッフを雇用するということは、収入が無い状況で人件費(給与)がすべて持ち出しになるということです。開業時においては、保険診療がベースの収益源となる場合がほとんどかと思いますので、患者さんの自己負担分と自費診療以外の入金(保険診療の振込分)は2か月後となります。

人員を採用するタイミングと採用人数、そして手持ちの資金とのバランスを良く考えた上で採用活動をおこなう必要があります。

それでは具体的なスタッフ採用の方法や媒体を、コストの低いものから順にご紹介させていただきます。

①院長本人の人脈やネットワークを活用

院長自身が勤務医だった頃の同僚や、これまで縁のあった知人・友人に直接声をかけ、スカウティングする方法です。過去に一緒に勤務をしていたり、付き合いがある人材なので、一定の信頼関係と仕事のスキルも把握できているため、ミスマッチは少なくなります。また直接の声がけなのでコストもかからずスピーディーかつ効率的に採用をおこなうことができます。ただし、自分が院長として雇用するということは、これまでと関係性が変わるということを意味します。その辺りを十分考慮に入れて慎重に進めることをお勧めします。

②建設中の医院の外壁や地域の掲示板などへの掲示

建設中の医院の外壁や、医院の近隣にある地域の掲示板などを探し、求人ポスターを貼って募集する方法があります。アナログな方法なので、基本的に医院の周りを通行する人にしかアプローチできませんが、ポスターを作って貼るだけなのでコストはほとんどかかりません。また歯科医院に勤務するスタッフの特徴の一つに、「自宅からの距離の近さ」が挙げられます。医院の近隣で職を探している人材がいるかもしれないので、やってみる価値はあると思います。

③ハローワーク

こちらは国が運営する公的な機関となっており、無料で求人情報を掲載することができます。以前はハローワーク内での掲示とハローワーク内に設置されているパソコンの閲覧のみでしたが、現在はインターネット上に写真付きで求人情報を出すこともできます。また、管理画面からスカウトや求職者とのやり取りなどもできるようになっています。これだけのサービスが無料で使えるので、ぜひこちらを使ってみることをお勧めします。

④SNS

特に若い世代を採用対象にしている場合に活用できるツールです。若い世代の情報収集ツールはSNSが主流となっており、これは求職活動においても同じことが言えます。SNSを通して院長のメッセージや医院の特徴などを発信することができ、求職者との距離を縮めることが可能です。また医院側としても求職者がどのような人物なのか、事前に把握することができます。

⑤公式サイト

現在歯科医院を開業するにあたり、医院の公式サイトを作らないケースはほとんど無いのではないでしょうか。それくらい、医院の情報発信をするツールとして公式サイトは重要性を増しています。最初は医院の情報を周知して集患につなげるというのが主な目的かと思いますが、実は採用においても重要な役割を担っています。まだ医院が開業しておらず公式サイト単体では採用力は弱いのですが、求職者が他の媒体で医院を認知した際、公式サイトをかなりの確率で閲覧すると言われています。ぜひ求職者に医院の魅力が伝えられる採用ページを用意しておきましょう。

⑥求人誌・フリーペーパー

インターネットが普及したことにより、ひと昔前と比べて採用の効果は薄まってしまいましたが、それでもフリーペーパーや求人誌を見て応募してくる人材は一定数存在します。配布エリアや発行部数に制限があるので、費用対効果を良く考えた上で出稿を検討しましょう。

⑦求人サイト・求人広告

今の時代において中心的な求人ツールと言えるのではないでしょうか。スマホを利用してのインターネット検索で就職先を探すのが当たり前の時代になってきているので、採用活動において無視できない媒体のひとつとなっています。ちなみに、医療業界に関しては、業界に特化した求人サービスが豊富なので、医院にとって募集をかけやすい状態になっています。掲載料を先払いする形態や、採用に至った場合のみ費用が発生する「成功報酬型」など、サービスによって料金体系が異なりますが、採用にかけられるコストをよく考えた上で、利用を検討されるとよいと思います。

⑧人材紹介会社

医院側と求職者の間に専門の担当者(コンサルタント)が入り、医院に合った人材のマッチングや条件のすり合わせ、面接の設定などきめ細やかに対応してくれます。また、人材紹介会社側で、条件に合った人材を探して紹介してくれるため、スピーディーかつ手間も少なく採用活動ができます。ただし、フォローやサポートが行き届いている反面、成約時の紹介手数料がかなり高額(年収の2〜3割)になります。手持ちの資金をよく考慮した上で利用するかどうか判断が必要です。

以上となりますがいかがだったでしょうか?上記の採用方法や媒体の特徴をよく理解した上で、スタッフの採用活動を進めていただければと思います。ちなみに、開業の採用でよく使う「オープニングスタッフ」という言葉に反応する求職者は結構いるようです。求人原稿を作る際にはぜひ使用するようにしてください。

事務長代行および事務長養成型 経営コンサルタント
ライトアーム代表 
五十嵐 伸好

歯科器材メーカーにて開業担当として200件以上の開業に携わり、大手ディベロッパーや商業施設との交渉により物件獲得、事業計画書の作成、開業資金の融資確保、医院内装のアドバイスなど、機械メーカーの枠を超えて開業までのすべてをとりまとめ、先生の評価をいただく。
その後、医療法人事務長となり多岐にわたる事務長業務(採用、人事、広報、渉外、経営、税務、労務など)を行い法人運営し、就任時から売上400%以上アップを達成する。現在は事務長代行もしくは事務長養成型の経営コンサルタントとして運営に困っている院長の右腕として活動している。

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