歯科医師向け 開業支援・経営支援コラム Vol.18【人材・教育】スタッフ採用の具体的な進め方①

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【人材・教育】開業後の人件費とその内訳について

前回のコラムでは「開業後の人件費」について詳しく解説させていただきました。今回は「スタッフ採用の具体的な進め方」についてお話させていただきます。

医院を開業し、経営を続けていくために必要な要素として「ヒト」「モノ」「カネ」「情報」の4つがあると前回お話しましたが、よほど小さな規模で開業する場合を除き、スタッフ(ヒト)を採用する必要があります。

とはいえ、いざ人材を採用することになった場合、何から進めていけば良いのかわからない先生方も多いのではないでしょうか。スタッフ採用において「これが正解!」というものはありませんが、以下のポイントを抑えた上で採用を進めてみてはいかがでしょうか。

①医院の収支とのバランスを考える

言うまでもありませんが、スタッフ(ヒト)を採用するためにはコスト(お金)がかかります。資金が潤沢で、いくらでも採用費用と人件費をつぎ込めるなら気にする必要はありませんが、ほとんどの場合使える資金には上限があるはずです。手持ちの資金と今後の収入見込みに対して、必要以上にスタッフを採用してしまうと、そのコストが重くのしかかり医院経営を圧迫します。採用する前には、そのあたりを綿密にシミュレーションして採用を計画する必要があります。院長1人でシミュレーションするのが心もとないようでしたら、契約した顧問税理士や開業コンサルタントなど、専門知識を持っている人に事前に相談することをおすすめします。

②必要な職種・雇用形態・求めるスキルなど、採用したい人材像を明確にする

かけられる採用費用や人件費など予算が決まったら、次に「採用したい人材像」を明確にします。検討する項目としては、「どの職種の人材が何人くらい必要か?」「採用する人材の雇用形態は常勤か非常勤か?」「経験者で即戦力として期待できる人材か、他の医院に染まっていない未経験者や新卒を採用するか?」などがあげられます。
当然のことですが、一度人を採用すると、後から簡単に辞めてもらうわけにはいきません。例えば、医院の方向性と合わない、実際に診療が始まったら未経験者を教育している余裕がない、売上が当初の想定を下回り資金が足りないなど、医院にとって不都合な状況だったとしても例外ではありません。人を採用するということは、スタッフの人生の一部を背負うことでもあり、医院の経営を左右する重要な意思決定事項です。ある程度最悪のシチュエーションも想定しつつ、慎重に進めていくことをおすすめします。

本当に必要な人材かどうか綿密にシミュレーションし、必要最低限の規模からスタートした方が、後々リスクが少なくてすみます。もし実際に診療をスタートして、予想以上に多くの患者さんが来院するようになり人手が足りないと感じたら、その時はじめて追加で人材を採用すれば良いのです。

③適切な求人方法や媒体の選定

採用したい人材像が明確になったら、次に求人をおこなう方法や媒体を考えます。まず求人の方法ですが、大きく次のように分類することができます。



上記で分類分けした方法には、それぞれメリット・デメリットがありますが、基本的には自力でできて極力コストがかからないものから着手していくことをおすすめします。それらを試してみて、思うような結果がでなければ、専門業者のサービスを申し込むなど有料の方法を試すようにしましょう。もちろん、お金をかけてでも時間短縮や労力の軽減を望む先生もいらっしゃるので、何に重きを置くかによって選択肢は変わってきます。

次回のコラムでは、今回の続き「求人原稿、募集要項の作成」「応募事案への対応と選考フロー」「合否判定とその後の対応」について詳しく解説させていただきます。

事務長代行および事務長養成型 経営コンサルタント
ライトアーム代表 
五十嵐 伸好

歯科器材メーカーにて開業担当として200件以上の開業に携わり、大手ディベロッパーや商業施設との交渉により物件獲得、事業計画書の作成、開業資金の融資確保、医院内装のアドバイスなど、機械メーカーの枠を超えて開業までのすべてをとりまとめ、先生の評価をいただく。
その後、医療法人事務長となり多岐にわたる事務長業務(採用、人事、広報、渉外、経営、税務、労務など)を行い法人運営し、就任時から売上400%以上アップを達成する。現在は事務長代行もしくは事務長養成型の経営コンサルタントとして運営に困っている院長の右腕として活動している。

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