この記事は
無料会員限定です。
小児に該当する子どもの数は減少傾向にあるものの、市場規模は拡大しています。今後もこの傾向は続くと想定されることから、小児歯科のニーズはあり続けるといえます。そのため、歯科医院としても小児歯科に関しての治療に注力したいという方もいるのではないでしょうか。
しかし、医師として働くなかで学生時代に勉強をしたはずの小児歯科の専門用語などを忘れてしまったというケースもあると想定されます。
そこで、今回は今さら聞けない小児歯科に関する略語・専門用語を、2つの記事に分けて解説します。
小児歯科に関する略語・専門用語を、以下3つに分けられます。
● 歯の形態異常に関する用語
● 歯質に関する用語
● 口腔粘膜疾患に関する用語
歯の形態異常は、胎生期に何らかの発生異常が起きた結果現れたものです。特に以下の用語について理解しておきましょう。
● 中心結節(中央結節)
● 矮小歯
● 癒合歯
● 癒着歯
● カラベリー結節
● ハッチンソン歯
小臼歯や大臼歯の咬合面に現れる、円錐状または棒状の突起物です。好発部位の第二小臼歯では出現率が1~4%と言われています。歯髄が先端近くまで達していることから、破折によって安易に歯髄感染を起こすため注意が必要です。
大きさが正常範囲を超えて著しく小さい歯のことで、側切歯や第二小臼歯、第三大臼歯で多く見られます。また過剰歯はほとんどが矮小歯とされています。
エナメル質および象牙質が結合した状態で完成してしまった歯のことです。多くの場合は歯根部歯髄腔が1つ、歯冠部歯髄腔は2つに分かれています。また象牙質は結合し、歯髄腔がそれぞれ独立して形成されている場合も少なくありません。これらの差は、歯胚の接触する部位と時期によって生じると考えられています。
隣接する歯が互いにセメント質で接着した状態の歯のことです。下顎の乳中切歯と乳側切歯、乳犬歯で多く見られます。
上顎第一大臼歯・第二大臼歯、上顎第二乳臼歯などで見られる、舌側近心咬頭の過剰結節です。下顎にはみられません。
先天性梅毒による歯の形成不全で起きた、半月状のくぼみがある歯のことです。主に永久歯の上顎中切歯に現れ、見た目には以下のような特徴があります。
● 切縁に浅い半月状のくぼみがある
● 隅角は丸みを帯びている
● 歯冠全体は切縁にいくにしたがって狭窄している
● 歯冠の幅は正常な歯に比べて小さい
通常上顎中切歯の両側に現れますが、片側性のこともあり半月状のくぼみを伴わないものもあります。
島根県出身・岡山県の専門学校卒業。日本歯科衛生士会長賞受賞。
6年間岡山県の一般歯科、6年間島根県の一般歯科いずれの歯科医院でもチーフとして勤務。
歯科衛生士としてもっと幅広く活動したいという思いから退職し、2021年7月からフリーの歯科衛生士に転身。
現在は「子どもから指名を受ける歯科衛生士」として子どもの口育講座などを行う。
記事提供
© Dentwave.com