“歯科は義務教育終了前まで無料化を”

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<参考>       ☆保団連の住江憲勇会長(大阪協会特別顧問)は2月16日午後、衆議院予算委員会の公聴会に参考人として招かれ、来年度の予算編成に関連して、かつてない経済危機下での社会保障に対する国のあるべき姿勢について、先に発表した保団連など医療関係6団体の「提言」と自らの見解を説明し、また議員の質問に答えました。 ☆これは、民主党など野党4党の共同推薦で招請されたもので、与党が2兆円の定額給付金配布を景気浮揚策として強行しようとしていることなどに対し、「医療崩壊」「介護崩壊」などが深刻化している中での医療現場の実態や声を踏まえ、政府に政策の修正を迫るための一環でした。 ☆住江会長の意見陳述には、大阪の保険医協会からも事務局が駆けつけ、保団連関係者などとともに傍聴しました。 ☆住江会長は、最初の20分間の意見陳述で、「個人消費の低迷、不況の深刻化、雇用情勢の一層の悪化という悪循環の中、国民生活を守るための実効性ある経済対策が緊急に求められている。 社会保障の拡充策は、個人消費を高め新たな雇用を生み出す景気対策である。社会保障費を毎年2,200億円削減する閣議決定を撤回し、国民の命と健康を重視する政策への転換を求める」とし、医療団体連絡会議(略称「医団連」=保団連、民医連、医労連、生協連医療部会、新医協、患者同盟の6団体で構成)が1月14日に公表した「景気悪化から国民の健康を守る緊急提言」に沿い、概略以下のように提言しました。 窓口負担を2割に、診療報酬引き上げを ① 無保険者をなくし、窓口負担を軽減し、誰もが安心して受診し治療できるようにすること。緊急対策として、窓口3割負担は2割に引き下げる、医科は就学前まで、歯科は義務教育終了前まで無料化することを求める。保険料負担への緊急対策として、国保の資格証明書発行をやめるとともに、医療費の国庫負担を36%から45%の水準(1983年レベル)まで戻すべき。 ②後期高齢者医療制度を廃止して高齢者の負担増と差別医療をやめること。75歳以上への資格証明書発行をやめ、高齢者が安心して医療を受けられる制度をつくるべきだ。 ③医療・介護崩壊に歯止めをかけるため、医療費抑制策を抜本的に転換すること。国が責任をもって地域の医療体制を整備するとともに、人材を確保し得る診療報酬に引き上げ、介護療養病床廃止と医療療養病床削減を中止するよう求める。 財源は消費税でなく大企業等の優遇税制見直しで ④ 財源は消費税増税でなく、財政の抜本見直しで。政府の税制改革の「中期プログラム」に消費税増税計画が盛り込まれたが、きっぱり撤回すべきだ。 消費税で社会保障費をすべてまかなうとすれば、税率は12〜13%となる。いま必要なことは、国の歳入・歳出を抜本的に見直すことだ。 歳出では社会保障を重視すべきであり、歳入は優遇税制を廃止して統合・累進課税とし、大企業と大資産家に応分な負担を求めるべき。法人税率を諸費税導入前の水順に戻し、政策減税をただせば約7兆円の財源が出るとの試算もある。この緊急提言の実現を切望する。 オンライン義務化撤回、休保の規制除外求める 質疑の中では、民主党議員から、現在の「医療崩壊」「医師不足」の最大の原因は何かを問われ、住江会長は、「長年続けられてきた低診療報酬などの医療費抑制政策で、必要な医療担当者を確保する原資として著しく不足してきたこと、また政府が2度にわたって医師養成の抑制・削減方針を閣議決定し実行してきたことだ」と明快に答えました。 また共産党議員から、レセプトオンライン請求の義務化問題について問われ、住江会長は、「地域に根ざした高齢の開業医が、閉院、廃院せざるを得なくされ、医療崩壊に輪をかける」と批判。さらに患者個人情報の漏洩や医療機関と保険者との直接契約に繋がる可能性などを指摘し、強く撤回を求めました。さらに自主共済制度である保団連の休業保障制度が、2006年改定の新保険業法により新たな運営が出来なくさせられている理不尽を告発し、開業医が地域医療に貢献できる支えとして休業保障制度が従来どおり運営できるよう、保険業法の適用除外などを訴えました。
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