歯科開業医の年間所得は1101 万円

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<開業医は儲けすぎか>開業医の平均像を考察することによって、「開業医は儲けすぎ」「開業医は楽」とはいえない実態が浮かび上がった。 法定労働時間を超える労働実態から生み出された医科開業医の年間所得2,588 万円には、家族労働分やサラリーマンでいう退職金も含まれ、時間あたりに換算すると8,918 円の所得である。 そして、生活費や教育費、老後の蓄えなどに使える可処分所得は1,588 万円である。 1,588 万円の可処分所得を得るためには、2,588 万円の年間所得が必要となり、年間収入が10,366 万円なければならない。10,366 万円の年間収入を上げるためには、1日あたり63.6 人の来院患者数、49.4 人の診察患者数をこなす必要がある。 そのために、1人あたりの希望診療時間11 分を削って7.3 分で診療しなければならない。希望診療時間で換算すれば、年間所得は155 万円に激減してしまうのである。 医師後継者を育てるための教育費には多大な費用がかかる。 医科開業医にとって1,588 万円の可処分所得は、家計で必要な生活資金ではな いだろうか。 歯科開業医はもっと切実である。歯科開業医の年間所得は1,101 万円。 時間あたりに換算すると3,679円の所得、そして可処分所得は774 万円である。 これには医科開業医と同じように、家族労働分や退職金分が含まれている。 774 万円の可処分所得を得るためには、年間所得1,101 万円、年間収入4,661 万 円が求められる。 4,661 万円の年間収入を上げるためには、1日あたり27.8 人の来院患者数、19.2 人の診察患者数をこなさなければならない。 医科開業医と同じように、1人あたりの希望診療時間39.1 分を25.4 分に削って診療しなければ、774 万円の可処分所得は手に入らない。希望診療時間で換算すれば、年間所得は205 万円の赤字となる過酷な状況である。 開業医は「儲けすぎ」でも「楽」でもなく、問題の根源は長年にわたる診療報酬(とりわけ医療技術料)の抑制政策にあることは明白である。 保団連「開業医の経営・労働実態調査」結果の概要から http://hodanren.doc-net.or.jp/books/kaigyoui-tyousa/honnbun.pdf
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