日本歯科医学会 子どもと保護者を支える「口腔機能発達不全症」の管理

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▲日本歯科医学会主催研修会 講演の様子
子どもと保護者を支える「口腔機能発達不全症」の管理 概要
2019年3月31日、千代田区の歯科医師会館において、日本歯科医学会主催研修会(子どもと保護者を支える「口腔機能発達不全症」の管理~哺乳・離乳や言語発達の支援について知ろう!~)が開催された。
当日の参加者は約270人で、一般開業医の参加が4-5割、歯科衛生士の参加が3-4割であった。
日本歯科医学会主催研修会 講演概要
・企画意図「口腔機能発達不全症の現状」
木本 茂成(日本歯科医学会常任理事、神奈川歯科大学大学院口腔統合医療学講座小児歯科学分野教授)

・講演「食事相談の現状」
田村 文誉(日本歯科医学会重点研究委員会委員長、日本歯科大学口腔リハビリテーション多摩クリニック科長)

・パネリスト講演「哺乳・離乳困難な乳幼児への支援」
田沼 直之 (東京都立府中療育センター小児科部長)

・パネリスト講演「子どもの食と母子関係」
根ケ山 光一 (早稲田大学人間科学学術院人間環境科学科心理・行動学系教授)

・パネリスト講演「哺乳・離乳期の食べる機能の発達支援」
井上 美津子 (昭和大学歯学部小児成育歯科学講座客員教授)

・パネリスト講演「話す機能の発達と支援」
杉山 千尋 (大阪大学歯学部附属病院顎口腔機能治療部言語聴覚士主任)

・パネルディスカッション「哺乳・離乳と言語発達支援」
コーディネーター:弘中 祥司(日本歯科医学会理事、昭和大学歯学部スペシャルニーズ口腔医学講座口腔衛生学部門教授)
 全ての講演内容を記述することは難しいため、本記事では、井上美津子先生が講演で述べていた、「離乳期において歯科ができる支援」をピックアップし、紹介する。
離乳期にできる歯科の支援
▲日本歯科医学会主催研修会 パネルディスカッションの様子
まず、離乳開始時期の目安を伝えるのが、歯科のできる支援の1つとして考えられる。定型発達であれば、月齢5-6カ月が離乳開始時期の目安になる。しかしながら、成長発育には個人差があり、早産児や低出生体重児の場合、成長発育が遅れることが多いため、月齢のみでの判断はしない方が良い。
首が座っている、嚥下・舌挺出反射が消失している、食べ物に興味を持っているなど、乳児の発達状況も考慮しつつ、離乳食を開始することを念頭に置かなくてはならない。
また、乳歯萌出が遅延している小児であれば、食形態の進め方を少しゆっくりする必要性がある(萌出が早い場合は、早める必要性はない)。噛む力が不十分な場合、生野菜や繊維のある肉などは上手く処理できない。煮野菜や肉団子など噛み潰す程度で処理できる食べ物を与えることが適切である。
自食行動や食べる意欲を育むことも非常に重要であり、供食の場や生活リズムの調整が大切であることを両親に認識してもらうのも、離乳期にできる歯科の支援の1つである。
一昔前と比較すると、小児のう蝕経験歯数は大きく減少し、小児歯科の大きな役割は、虫歯の予防・治療ではなく、口腔機能を正常に発達させることに移行しつつある。日本歯科医学会主催研修会 (子どもと保護者を支える「口腔機能発達不全症」の管理~哺乳・離乳や言語発達の支援について知ろう!~) は、哺乳・離乳や言語発達の支援ができる歯科医師・歯科衛生士になるための重要な研修会だった。
本記事が、読者の日常臨床の一助になれば、幸いである。
古川 雄亮(ふるかわ ゆうすけ)
日本矯正歯科学会 所属

東北大学歯学部卒業後、九州大学大学院歯学府博士課程歯科矯正学分野および博士課程リーディングプログラム九州大学決断科学大学院プログラム修了。歯科医師(歯学博士)。バングラデシュやカンボジアにおいて国際歯科研究に従事。イエテボリー大学歯学部 "Oscillation course" 修了。2018年より、ボリビアのコチャバンバで外来・訪問歯科診療に携わり、7月から株式会社メディカルネットに所属。主に、DentwaveやDentalTribuneなどのポータルサイトにおける記事製作に携わり、2019年7月よりメディカルネットの顧問。離島歯科医療に従事後、本島で歯科臨床に従事している。

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