【会員限定公開記事】「小児のインビザライン」1Dセミナー イベントレポート

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【会員限定公開記事】「小児のインビザライン」1Dセミナー イベントレポート

▲オンラインセミナーの様子 (「有田 光太郎」先生 )
小児矯正・Ⅰ期治療の基本とアライナー
2022年12月14日(水)、1D (ワンディー) でオンラインセミナー「小児のインビザライン」が開催された。
セミナー講師は「有田 光太郎」先生で、現在は医療法人有光会ありた小児歯科・矯正歯科院長、日本矯正歯科学会認定医として矯正臨床をされている。
近年、矯正治療といえば、ワイヤーではなくマウスピースの需要が高くなっているが、小児矯正においてもマウスピースを用いた早期治療が普及している。
「インビザライン・ファースト」という小児向けの製品を使って治療されている歯科医師の方も既にいらっしゃるかと思う。製品が誕生してからまだ3年程度しか経過していないため、長期症例がない。成人向けのインビザラインとの違いや適応症例についてご存知でない先生が多いのではないだろうか。
「小児のインビザライン」セミナーでは、日本矯正歯科学会認定医である有田先生が、インビザライン・ファーストによる小児矯正をメインテーマに、小児矯正の基本に加えて、従来の矯正治療や成人向けのインビザラインとの違いなどを詳しく述べていた。



▲叢生の7−8割は前歯部のみに存在する
「小児のインビザライン」目次

  • 小児矯正の基本
  • 早期治療とⅠ期治療の考え方
  • 従来の矯正治療とアライナーの違い
  • 成人アライナーとの違い
  • メリットとデメリット
  • 症例供覧

「インビザライン・ファーストについて日本矯正歯科学会認定医から詳しく話を聞きたい」「小児矯正の基本を身につけたい」「早期治療の考え方を学びたい」歯科医師の皆さんにぜひお勧めしたいセミナー内容となっている。本記事では、文字数の関係で小児インビザラインの目的に絞って紹介する。
読者の小児矯正の参考になれば、幸いである。


▲インビザライン・ファーストの適応条件

インビザライン・ファーストの目的

インビザライン・ファーストでは下記項目に関連することを達成していく。
  • 萌出永久歯や上下顎の関係を正しい位置に戻す
  • 永久歯の萌出スペースの獲得
  • 左右対称の臼歯関係
インビザライン・ファーストの適応は中下顔面の成長が起きてくる時期でもあるため、下顎の成長誘導により上下顎成長のアンバランスも早期に改善することが可能である。加えて、萌出してくる後継永久歯の位置が芳しくなければ位置の調整も可能となる。
また、Eの早期喪失による第一大臼歯の近心移動によって永久歯の萌出に支障をきたすことが考えられる場合、第一大臼歯の遠心移動によって永久歯の萌出スペースを獲得することも可能である。
左右対称の臼歯関係を獲得することができれば、正中のずれやオーバージェットの改善にもつながるため、二期治療を行う必要がなくなるかもしれない。仮にⅡ期治療を行う必要があっても、非抜歯かつ短期間での治療が可能になる可能性が高い。
保護者の経済的な事情や小児の矯正に対するモチベーションの低さなどでⅡ期治療に必ずしも移行できるというわけではない。インビザライン・ファーストによる治療で良好な歯並びと噛み合わせを獲得することができれば、上記のような事情を抱えた保護者や小児を非常にハッピーにすることが可能ではないか。


▲早期治療の有効性

「小児のインビザライン」を受講して

本セミナーを受講して、インビザライン・ファーストによる小児の早期治療の有効性を理解することができた。本記事の筆者自身、インビザライン・ファーストの効果を詳しく学ぶ機会が今まで無かったため、今回のセミナーの受講は小児矯正の視野を拡げるきっかけになったと考えている。
また、セミナー後半の症例供覧では、インビザライン・ファーストにより綺麗に歯列や咬合関係が改善している症例を沢山目にすることができた。従来の床矯正装置のみを使用して小児矯正をされている先生方が見れば、インビザライン・ファーストを使ってⅠ期治療をする気になるかもしれない。
本記事を通じ、1Dセミナー「小児のインビザライン」を視聴してみたい方は、2023年2月までは見逃し配信があるため、気になる方はぜひ「プレミアム会員」に登録して受講されるのが良いだろう。


▲オンラインセミナー以外に切り抜き動画なども充実!
「小児のインビザライン」を今回主催した1D(ワンディー)では歯科医師を中心に、歯科衛生士や歯科技工士といった歯科医療従事者向けの情報発信をしており、様々なテーマのセミナーがオンラインで定期開催されている。

1Dプレミアム会員(月額9,800円)になると、オンラインセミナーが見放題となっている。セミナー以外にも歯科関連の時事ニュースやマンガ「歯科衛生士の正直しんどい」なども配信されている。

プレミアム会員にならずにセミナー受講すると12,800円の受講料がかかるため、他に気になるセミナーも視聴したいのであればプレミアム会員に登録した方が結果的にお得になるので、会員登録を強くお勧めしたい。

本記事をご覧になり、1D主催の「<全編オペ動画あり>口腔外科小手術、コツを超解説!」を視聴してみたい方もいらっしゃるであろうが、ライブ配信限定であるため、残念ながら振替視聴や見逃し配信がない。本セミナーのようなライブ配信限定のセミナーを見逃さないように、1DのLINEに登録することをおすすめする。
本記事で抜粋したインビザラインによる小児矯正に関する内容が少しでも読者の参考になれば、嬉しい限りである。
歯科医療従事者向けSNS 1D(ワンディー)HP


▲開発が進んでいる天神駅前

編集後記

離島医療に従事したことのある歯科医療従事者の会合が福岡で開催されたので、改めてお話を伺うため年末の近い時期に福岡に赴きました。
歯科衛生士さんの参加が非常に多かったのですが、現在は離島で歯科をやっている方がほぼ「ゼロ」だったのが驚愕というか、なんとなく残念な気がしました^^;
福岡に戻ってきて飲食店や農業に従事している方がいれば、離島に住んで老人ホームでの勤務や狩猟をしている方など、歯科臨床から離れて活躍されているようです。
歯科衛生士が今後もますます必要とされることを考えると、また医療現場に復帰して活躍して欲しい、と改めて感じた1日になりました。

▲福岡で人気のShinshinラーメン本店(20人以上の行列絶えず)

福岡では「天神ビッグバン」というプロジェクトが進行中で、天神交差点の半径約500mに様々なビルが建設中です。福岡の不動産関係者にも現地でお話を伺ったところ、福岡市の人口が現在増加しており土地の価格も天神ビッグバンの影響で上昇していくとのことです。新型コロナウイルスの影響でリモート勤務が増えたことから大阪や東京から引っ越して福岡に移り住む方が増えてきているとのことでした。
福岡天神ビッグバン https://www.city.fukuoka.lg.jp/jutaku-toshi/kaihatsu/shisei/20150226.html

それにしても、東京や大阪の不動産価格に比べると、福岡は本当に価格が安いと思いました(汗)。ちなみに、福岡という街は、ラーメンを筆頭に名物が多く、太宰府天満宮など観光もしやすいところです。福岡名物の中で多くの福岡人が推している食べ物が「Shinshinラーメン」ですが、天神の中心部や博多駅の中にお店があります。インスタント麺も販売されているのでお土産にもおすすめですので、ラーメン好きの方はぜひ行かれてみてください!
博多Shinshinラーメン https://www.hakata-shinshin.com/

古川 雄亮(ふるかわ ゆうすけ)
日本矯正歯科学会 所属

東北大学歯学部卒業後、九州大学大学院歯学府博士課程歯科矯正学分野および博士課程リーディングプログラム九州大学決断科学大学院プログラム修了。歯科医師(歯学博士)。バングラデシュやカンボジアにおいて国際歯科研究に従事。イエテボリー大学歯学部 "Oscillation course" 修了。2018年より、ボリビアのコチャバンバで外来・訪問歯科診療に携わり、7月から株式会社メディカルネットに所属。
主に、DentwaveやDentalTribuneなどのポータルサイトにおける記事製作に携わり、2019年7月よりメディカルネットの顧問。離島歯科医療に従事後、本島で歯科臨床に従事する傍ら、記事の監修・執筆、歯科医師国家試験模擬試験の編集業務、企業コンサルタント、マウスピースの製品管理、オンライン診療などを個人事業主として行っている。

【筆者プロフィール】
https://saipon.jp/h/web_writing98765/2

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