米国における根管治療後の歯の生存率を解析する研究

米国における根管治療後の歯の生存率を解析する研究

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インディアナポリス、アメリカ: 歯内療法を受けた歯の生存率に関する研究は数多くありますが、学術的な臨床環境以外でこれらの結果を分析したものは、比較的少数に過ぎません。米国内の大規模な一般歯科診療所のデータを用いて、研究者は、根管治療を受けた歯がどのくらいの期間生存する傾向があるのか、またその生存期間の予測因子について、より深い洞察を得ることができたと述べています。

この研究は、インディアナポリスにあるRegenstrief Instituteの研究科学者であり、インディアナ大学歯学部の歯科情報学コアディレクターであるThankam Thyvalikakath博士率いるチームによって行われました。研究チームは、全米の歯科医院や組織からなるコンソーシアム「National Dental Practice-Based Research Network」のメンバーで、根管治療を受けた患者46,702人の非識別化データを使用しました。研究者らによると、この研究は、地域の歯科診療所の患者さんの記録を分析した米国初の研究であるとのことです。

その結果、根管治療後の歯の生存期間の中央値は11.1年であり、26%が20年以上生存していることがわかりました。また、これらの生存期間は、その後の治療やその他の要因によって異なることが示された。根管治療後に詰め物やクラウンをした歯の生存期間中央値は20.1年であったのに対し、治療後に追加の修復処置をしなかった歯の生存期間は平均6.5年に過ぎなかった。

また、根管治療後の歯の生存時間の有意な予測因子として、歯科治療中のどの時点でも歯科保険に加入していることが挙げられました。プレスリリースでThyvalikakath博士は、これらの知見は「クラウンと永久歯の修復オプションの価値を実証することにより、歯科保険の適用を知らせることができる」と指摘しています。

「口腔衛生は、人々の健康全般に大きな影響を与える公衆衛生の問題です。歯科医療記録を活用することで、治療の改善方法、因果関係の特定、歯と歯ぐきの健康維持の方法をより深く理解することができます」と付け加えています。

National Dental PBRN practicesにおける「Root canal treatment survival analysis」と題されたこの研究は、2022年5月12日にJournal of Dental Researchにオンライン掲載され、号外への収録に先立ち発表されました。

記事提供

© Dental Tribune

ライター

Brendan Day, Dental Tribune International

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