【会員限定公開記事】「矯正中のプラークコントロール」1Dセミナー イベントレポート

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【会員限定公開記事】「矯正中のプラークコントロール」1Dセミナー イベントレポート

▲矯正歯科医は矯正治療だけをやっていれば良いのか?

矯正治療中のう蝕をゼロにしたい!

2023年3月3日 (金) 、1D (ワンディー) 開催のオンラインセミナー「矯正中のプラークコントロール」が開催された。

セミナー講師は「赤松 綾」先生。現在、つちや矯正歯科副院長として他の矯正歯科専門医院や一般歯科での矯正歯科も担当し、著書に「歯科衛生士のための矯正歯科治療」などがある。

ワイヤー矯正中のカリエスリスクは5倍高くなるという報告がある。矯正治療中の口腔衛生管理がうまくいかず、矯正患者がう蝕や歯周病になった経験のお持ちの方は多いのではないだろうか。

本セミナーでは、矯正治療中の口腔衛生管理をメインテーマとし、色々な矯正装置におけるケアの仕方、キシリトール・洗口剤の使用方法、モチベーションにもつながる唾液検査の活用、自費メインテナンスの実際など、様々なテーマで丁寧に解説されている。
▲矯正医は矯正治療だけでなく、口腔衛生管理を行う必要がある
「矯正中のプラークコントロール」講義目次
  • 矯正治療中の口腔内環境の特徴
  • 各種矯正装置におけるケアのポイント
  • キシリトールタブレット、洗口剤の使用について
  • セルフケアの指導法と唾液検査
  • 矯正治療中だからこそできる口腔衛生管理
「矯正治療中のプラークコントロールの悩みを解決したい」「矯正装着の付いている患者の上手なPMTCのコツを学びたい」「自費でのメンテナンスを検討している」などのお考えの歯科医師や歯科衛生士の皆さんにお勧めしたいセミナー内容となっている。

本記事では、文字数の関係でセミナー冒頭で紹介された内容(矯正治療中の口腔衛生指導のメリットや成功のポイント)をピックアップして紹介したい。

読者の矯正治療におけるプラークコントロールの悩みを解決する一助になれば、幸いである。
▲矯正治療中の口腔衛生指導にはメリットが多い

矯正治療は定期的に長期間通院する必要がある

矯正治療中の歯の動きを確認するためには1ヶ月に1回患者に通院してもらうことが一般的ではあるが、来院時に口腔衛生指導も行えるのが利点である。全顎矯正の場合、年単位の治療になることが多いため、長期間継続的に口腔衛生指導を行うことも可能である(モチベーション維持がしやすいのも大きなメリットである)。
▲写真などで歯肉の腫れやプラークの付着状況を明確にする

口腔衛生指導の重要性を理解させる

口腔衛生指導の成功のためには、患者自身がなぜ歯を磨く必要があるのかを十分に理解し納得させることが肝要である。ワイヤーを装着する患者であれば、矯正装置を装着することでカリエスリスクが上昇するなどの理由をしっかりと説明することが必要であろう。

矯正治療でも患者に顎間ゴムを使うことをお願いする機会は多いが、なぜゴムを使用しなければならないのかをきちんと説明し理解してもらわないと使ってはもらえない。

もし、矯正治療中の患者の口腔衛生管理がうまくいかない場合、「ワイヤーやブラケットに付着したプラークや歯石によって歯の動きが悪くなり動的治療期間が延びてしまうため」などの別の切り口で患者に説明し納得してもらうなどの一工夫が必要である。
▲反対咬合改善のために顎間ゴムの重要性を理解してもらうには口腔内写真が最適(口腔衛生指導にも有効)

モチベーションの維持がポイント

矯正治療も口腔衛生管理も長期間モチベーションを下げないことが重要である。そのために、小さなゴールの積み重ね(明確化)をして患者の先行きのない不安を除去することがポイントになる。

モチベーション維持のために、口腔内写真が最も適している。口腔衛生管理をするために3ヶ月に1回など定期的に撮影することが大切である。3ヶ月前に撮影した写真と比較して改善の度合いを示してあげることでモチベーションが維持される。
▲矯正装着を付けるとさまざまな箇所に汚れが付着しやすい

「矯正中のプラークコントロール」を受講して

本セミナーを受講し、矯正中の口腔衛生管理のポイントをしっかりと理解できたと思う。矯正歯科治療中でない口腔衛生管理を行う上でも参考になる内容なので、歯科医師だけでなく歯科衛生士にもぜひご覧いただきたい。

マウスピース矯正が近年普及しているが、取り外しができる点でワイヤー矯正に比べて口腔内環境が悪くなりにくいとされている。ただし、マウスピースにプラークや歯石が付着することもあり、唾液の自浄作用も機能しにくくなる。アタッチメントの周囲にも汚れが付着しやすいので、周囲をよく磨くように気をつけることは患者に指導するべきポイントであろう。「口腔衛生管理は矯正治療の一部である」と再認識し日常臨床に取り組んでいきたい。

本記事を通じ、1Dセミナー「矯正中のプラークコントロール」に興味を抱いた方は、「プレミアム会員」に登録して受講されるのが良いだろう。矯正治療に普段携わってなくてもプラークコントロールに関する知識を深める上で有用なセミナー内容である。

1Dセミナー「矯正中のプラークコントロール」

本記事が読者の日常臨床の一助になれば、幸いである。
▲1Dでは漫画の配信も!
「矯正中のプラークコントロール」を今回主催した1D(ワンディー)では歯科医師を中心に、歯科衛生士や歯科技工士といった歯科医療従事者向けの情報発信をしており、様々なテーマのセミナーがオンラインで定期開催されている。

1Dプレミアム会員(月額9,800円)になると、オンラインセミナーが見放題となっている。セミナー以外には歯科関連の時事ニュースやマンガ「歯科衛生士の正直しんどい」「歯医者のゲーム」なども配信されている。

プレミアム会員にならずにセミナー受講すると12,800円の受講料がかかるため、本セミナー以外にも気になるセミナーがあるのであれば、日々著名な先生が講師のオンラインセミナーが開催されているため、プレミアム会員に登録して視聴した方がお得である。

自身の周囲でも登録してセミナーを沢山視聴している歯科医師の知り合いがいるが、診療で忙しくてセミナーに行く暇がない方にとって勉強しやすいので、ぜひおすすめしたい。

月額9,800円で1Dセミナー見放題「1Dプレミアム」
▲年末年始の伊勢神宮・熱田神宮・諏訪神社の様子
三重の年末年始
少し前の話題になりますが、年末年始、三重の伊勢神宮や名古屋の熱田神宮の様子を写真におさめるために、出張していました。コロナの影響や訪れた時間が良かったのか、伊勢神宮も熱田神宮もそこまで混んでいませんでした。

大晦日は三重のビジネスホテルに宿泊していましたが、意外に単身の宿泊者が多かったです。ちなみに、三重だけパチンコ店が24時間営業が大晦日に認められています。オールナイト営業というらしいですが、伊勢神宮などのお参りの際にトイレを参拝者が利用できるようにするための配慮で三重県だけが24時間営業を認められているようです。お年玉が無くならなければ良いですが汗
▲三重県名物のトンテキ、ベトコン、国士無双
また、正月に外出してもお店が全て閉まっているのでおすすめしません。三重の四日市だとトンテキ、ベトコンラーメン、国士無双ラーメンなどの名物がありますが、お店は閉まっています(写真は撮影用に大晦日と1月2日以降に再度四日市を訪れて撮影しました)。

2023年3月13日からマスクを外して外出できるようになっていますが、来年の年末年始は混んでいると思います。もう新年度が始まり桜が咲く季節が到来し、あっという間に暑くなると思いますが、1日1日を大切に過ごしていきたいですね!

古川 雄亮(ふるかわ ゆうすけ)

日本矯正歯科学会 所属

東北大学歯学部卒業後、九州大学大学院歯学府博士課程歯科矯正学分野および博士課程リーディングプログラム九州大学決断科学大学院プログラム修了。歯科医師(歯学博士)。バングラデシュやカンボジアにおいて国際歯科研究に従事。イエテボリー大学歯学部 "Oscillation course" 修了。2018年より、ボリビアのコチャバンバで外来・訪問歯科診療に携わり、7月から株式会社メディカルネットに所属。
主に、DentwaveやDentalTribuneなどのポータルサイトにおける記事製作に携わり、2019年7月よりメディカルネットの顧問。離島歯科医療に従事後、本島で歯科臨床に従事する傍ら、記事の監修・執筆、歯科医師国家試験模擬試験の編集業務、企業コンサルタント、マウスピースの製品管理、オンライン診療などを個人事業主として行っている。

【筆者プロフィール】
https://saipon.jp/h/web_writing98765/2

記事提供

© Dentwave.com

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