第96回 河邊臨床教室 臨床セミナーが7月29日、東京歯科大学水道橋の2階会議室で開からかれた。
この日は、パーシャルデンチャーについて、症例を話し合う予定であった。
はじめに、酒井勝衞会長が挨拶し、第95回定例講演会の反省として、以下の意見を述べた。
<酒井勝衞会長の挨拶>
定例講演会のテーマ、下顎6・7欠損補綴を再考するであったが、反省点では續肇彦先生が、「幅の広い奥の深いテーマであり、常に考え続けていることあるが、もっと過去と現在、未来につながる臨床的な深い考察がほしいとこころいである」と感想を述べていた。
反省として、私の考えを述べさせていただくと、少し話が外れるが、通風の人がビールを飲むと痛くなる。
ある調査によると、ビールを飲むことそのものには、通風に悪影響がない。
つまみで色々食べたこが原因で通風がひどくなることの方が多い。
ビールイコールで通風に痛みが出ることではない。
エビデンスではないが、そのような結果が出た。
椎貝達郎先生(東京・銀座開業)が、インプラントをやった患者さんの骨の話を色々なさっていた。
その中で、興味深かったのが咬合圧がかかった歯槽骨にはバラツキがあった。
咬合圧がかからなかった骨面はツルツルとしていた、とおっしゃっていた。
これはどのようなことなのか、というこことだ。
我々が片側遊離端義歯を作った場合、維持装置を5番にかける。
その場合に遠心頬側に骨の吸収が起こるのかどうか。
河邊清治先生もおっしゃっていたが、そのようなデータを出していないので、追跡調査する必要がある。
6・7欠損補綴というテーマをせっかく取り上げて、續肇彦先生のおっしゃるとおり、過去、現在、こういうことをやっていたから未来、遠心頬側のクラスプをかけて大丈夫ですよ、という結果を出しておかなければならないのではないか。
それが今回の講演の問題提起なのだ。
そのようなことを注意深くみてほしいと思っている。
腰原好先生(東京歯科大学名誉教授)は、教育者であり臨床医でもあるので、教育者の考えと、我々いわゆる一般開業医とは話し方が全然違うことを痛感した。
我々は臨床医としての6・7欠損補綴の臨床例の報告でよかったのかなと思っている。
みなさん、反省点について一言づつお話していただければありがたいなと思います。
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