Healthtech/SUM 2020にて、「デンタルテック~お口の健康をデジタル化する」トークセッション開催

ヘルスケア・テクノロジー・サミット「Healthtech/SUM 2020」トークセッション
 2020年12月9日(水)~12月10日(木)、日本経済新聞社、メドピア株式会社主催による、ヘルスケア・テクノロジー・サミット「Healthtech/SUM 2020」が2日間に渡って開催された。
 Healthtech/SUM 2020は、医療・ヘルスケア分野における最新テクノロジー(ヘルステック)とそれを活用した先進事例を紹介するグローバルカンファレンスであり、12月9日(水)には、「デンタルテック~お口の健康をデジタル化する」というテーマのもと、歯科における最新のテクノロジー機器の紹介やトークセッションが開催された。

 当日の登壇者は以下の通り。
モデレーター
前田 祐二郎 東京大学バイオデザイン 共同ディレクター / プレモパートナー株式会社 共同創業者&CSO / アイリス株式会社 ディレクター / こずえ歯科・矯正歯科 共同創業者
パネリスト
長縄 拓哉 歯科医師 / 医学博士 デジタルハリウッド大学大学院 日本遠隔医療学会・歯科遠隔医療分科会会長
デモ
仁田坂 淳史 PLIMES株式会社 取締役 Co-Founder
竹山 旭 株式会社NOVENINE CEO, 歯科医師, 歯学博士
石井 貴久 株式会社メディカルネット 取締役


 冒頭、モデレーターの前田先生より、「デンタルテック~お口の健康をデジタル化する」とういうテーマが設定された背景として、高齢化社会の中で医療分野において食事や栄養に関するリテラシーが高まっており、口腔内の健康は全身の健康への関連性が深いことの説明があった。

 また、医科と比べて歯科はイノベーションが遅れているとされることが多いが、実際に臨床の現場ではインプラントやマウスピース矯正等、過去に大きなパラダイムシフトが起きていることや、日本歯科医学会より「2040年への歯科イノベーションロードマップ」が発表されており、歯科医師会や日本歯科医学会を含め、デンタルテックをサポートする機運が高まっていることの説明があり、各登壇者のデンタルテックへの取り組みと現在開発中のサービスの紹介がなされた。

 まず長縄先生から、歯科においては、まだオンライン診療の実現イメージが定着しておらず、浸透が図れていない現状や、先生自身がオンライン診療を始めた経緯として、口腔顔面痛の外来から始まったこと、現在も歯科の訪問診療の現場でオンライン診療を活用されていること等のコメントがあった。

 続いて、株式会社メディカルネットの石井氏より、現在、株式会社アイリッジと共同開発を行っている口腔内カメラの紹介、デモがあった。
 ドクターはタブレット、患者はスマホと口腔内カメラを活用し、患者自身で口腔内カメラを使って口腔内を撮影すると、撮影された映像を歯科医師がリアルタイムで確認できるというもの。オンライン診療におけるキーデバイスとして、患者のモチベーションアップや通院回時間の削減等の課題解決を目指しているとのコメントがあった。
 既に矯正歯科において治療後の経過観察やTBIにおいて実証実験を開始する等、まずは矯正を中心とした自費診療の領域におけるアフターケアを焦点としているが、次のステップとして問診での活用やビデオチャットによる歯科衛生士とのコミュニケーションの実現等も視野に入れているようだ。

 PLIMES株式会社の仁田坂氏からは、日本人の死因でも上位に位置する「誤嚥性肺炎」の予防を目指すために開発した、人工知能を用いて嚥下の音を測定可能なウェアラブル機器 「GOKURI」の紹介、デモがあった。
 首周りに機器を装着することにより、嚥下の音を測定。計測されたデータはクラウドに送られ、ダッシュボード上で確認できる仕組みとなっている。
 歯科ではなく、まずは脳神経外科の領域でスタートするとのことだが、従来ドクターの経験を頼りに診られていた嚥下を、測定できるものとして捉える文化を根付かせ、誤嚥性肺炎で亡くなる方が多いというペインの解決を目指したいとのコメントがあった。


 株式会社NOVENINEの竹山先生からは、口臭の測定が可能なスマート歯ブラシ「SMASH」の紹介とデモがあった。
 「SMASH」は、虫歯や歯周病はプロケアによってほとんど100%予防できることが証明されているのにもかかわらず、口腔内のトラブルが発生しないとクリニックに通院されていない現状と、実際にいざ通院しようと思ってもクリニックが見つけられない、という大きく2つの課題解決を目的に開発され、呼気中の口臭ガスを測定し、LEDライトで状態を表示する他、専用のスマートフォンアプリでデータを確認できる仕組みを実現している。
 専用アプリには口腔写真を撮影する機能や3ヶ月に一度歯科医師や歯科衛生士からレポートが届く機能、口腔内の状態に合ったオーラルケアプロダクトを提案する機能等も実装されている。また、チャットベースでのオンライン相談を受けられるサービスも備えられており、株式会社NOVENINEと提携する歯科医院を検索することも可能となっているようだ。

   各登壇者から開発中のサービスの紹介がなされた後は、主に歯科におけるオンライン診療をテーマとしたディスカッションや各登壇者からのデンタルテックに対するメッセージが発信された。

 あらゆる分野・領域で急速にデジタル化が進む昨今において、歯科においても口腔周りから全身の健康を導くため、「デンタルテック~お口の健康をデジタル化する」ことへの期待が高まっている。

記事提供

© Dentwave.com

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