唾液を用いたカリエスリスク判定など5項目を提案

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東京歯科保険医協会 第9回メディア懇談会

 東京歯科保険医協会の第9回メディア懇談会が7月21日、同協会会議室で開かれた。 藤野健正広報部長が司会を務め、6月30日に開かれた同協会の第37回定期総会の取材のお礼を述べるとともに、7月17日に開いた第1回地域医療研究会「子どもの食育と歯科保健」について、「食育はじめ地域医療への会員の関心があり、奥が深く広い問題であると思った」と感想を述べ、取材協力に感謝の意を表した。 ついで中川勝洋会長が挨拶し、「総会での土田先生(武史早大商学部教授、中医協前会長)講演は少しむずしいかったかもしれない。最後に大連立(ドイツが)となったらとんでもないことが起きるかもしれない。混合診療はダメだよ述べていたが、まさに今日本も、8月30日の結果によっては、大連立もなきにしもあらずという状態も感じている。9月からどうなるのか危惧をしている」と述べた。 今回の懇談会の話題提供資料として、同協会が厚生労働省保険局歯科医療管理官に提出した「医療技術評価提案書」(保険未収載技術用)の概要をもとに、中川会長が以下説明した。 これまで、協会として新規技術を5つ考えていると述べてきたが、新しい技術、あるいは既存の技術の再評価は、医療技術評価提案書を中医協の場に出さないと診療報酬改定の俎上に挙がってこないという仕組になっている。2年前は6月30日までであったが、今回は6月19日に締め切りが繰り上がった状態であり、まとめるのに部会、事務局は苦労があったと思う。

提案したのは、

1)唾液を用いたカリエスリスク判定、2)レーザーを用いた軟組織処置、3)歯周病原菌同定検査を用いた歯周病診断法、4)顎関節症の理学療法、5)歯科用CTを用いた3次元的画像診断法、の5つである。

 これは、民主党の円より子参議院議員事務所の紹介もあってこのような形となった。2年前はエムドゲインと顎関節症の理学療法、観血処置にともなう感染予防対策の加算を出した。感染予防対策の加算は、我々と違った形で導入された。エムドゲインは先進医療で入っているが、我々としては保険でやられるべきだと要望したが、結果はGTRとなった。順番があるようだ。 また、日歯も唾液を用いたカリエスリスク判定は新規項目として挙げている。

"検査の項目をできるだけ歯科に導入を"

 我々としても検査項目は増やすべきだ、という一つのコンセプトを持っている。 また、歯周病原菌同定検査を用いた歯周病診断法は、PCR法(インベーダー法による検査)を用いた一つの診断であり、ハイリスクの患者を対象に、検査は医科と同じようにやっていくべきだということだ。 これも今回、日本歯科医学会の方からも同じような中身で出ているのではないか、と我々は考えている。 歯科用CTを用いた3次元的画像診断法は、先進医療として二つの歯科大学で行われている。丸2年たったので、入れてもらいたい。インプラントがCTの適用だけではなく、ペリオの診断、根尖病巣の診断、膿苞の診断などにCTを望みたい。 何千万もするCTを持たなくもCTセンターに患者を送っても十分な診断ができる。レーザーを用いた軟組織処置は、2年前にレーザーを用いた硬組織処置が入ったので、適用の拡大である。昨年6月で都内では600〜700件の請求が出ていたが、我々としては硬組織より歯周病がらみの軟組織の処置の方が患者にとってもメリットがあると感じている。これは既存の技術の再評価、適用の拡大として、難組織にも適用してほしいという状態で提案している。顎関節症の理学療法は2年前にも出したが、若い女性でも顎関節症が多いが、理学療法を施すと初発で重症化しないというデータもある。スプリント療法や投薬もあるが、今回もこれを提案書に入れさせてもらった。 本年度メインは、検査の項目をできるだけ歯科に導入してほしいう意味合いが強いとご理解いただけたら、と感じている。

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