どこまで根管清掃など基本操作が達成されているの?

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日本歯内療法学会の第20回専門医セミナーが11 月17 日(日)、日本大学桜門会館(校友会館)で開かれた。 今回のテーマ:歯内療法のスタンダードを考えるシリーズ 第4 回最新器材によるスタンダード歯内療法 専門医セミナーは2010 年から歯内療法のスタンダードを再考することをメインテーマとして開催し てきた。 第1 回は「根管形成」、第2 回は「患者さんから信頼される診断を考える」、第3 回は「根管を探索する」をサブテーマとして企画された。 第4回は「最新器材によるスタンダード歯内療法」をテーマにした。 歯内療法は、歯科用マイクロスコープによる直視下のビジュアル歯内療法に変化し、形状記憶合金による迅速で正確な根管形成、効果的な根管洗浄、および三次元的根管封鎖が可能な根管充塡は全世界で共通した医療として完 成しつつある。 今回は「最新器材によるスタンダード歯内療法」という企画に従って、2名の講師から成功率の 高い歯内療法を目的とした講演が行われた。 この講演が良質な歯科医療の提供と治療成功率の向上において役立つとともに、歯内療法への不安や悩みの解消につながることを願い行われた。 参加したのは非会員を含む150名であった。 講演1は奥村秀樹さん「最新器材を使用した歯内療法」 大阪歯科大学卒業、京都大学大学院卒業 奥村歯科医院院長 講演2は阿部修さん「最新器材を有効に使用するために」 東京歯科大学卒業、同大学大学院卒業 平和歯科医院院長 東京歯科大学非常勤講師 終了後に質疑応答が行われた。 講演1 近代歯内療法史以来、さしたる変化のなかった歯内療法を取り巻く器材は、1990年代大きなイノベーションの波に飲まれた。 その変革を支えた大きな要素が、マイクロスコープの導入や微細なパワーコントロールが可能な超音波システムとチップ、NiTiロータリーファイル、そしてMTAなどであったことに異論ないだろう。 それと並行して登場した新しい局麻のシステムやデジタルX線、ヒートプラガー、ウォームガッタパーチャデリバリーシステムなどのガジェットはこのイノベーションをいっそう引き立て、精密で予知性の高い歯内療法をウニ出さ生み出しつつある。 さらには、最新器材という意味では、昨今爆発的に普及しているコーンビームCTnimo言い及ばないわけにはいかないだろう。 今回は、これらを用いて行う臨床の一端を、比較的新しいツールの解説を交えて行いたいと思う。 数々の要素、技術が歯内療法をボトムアップしてきた。 言い換えれば、常に私たちはそれらの評価、つまり、“それは有益か?”“安全か?”また“コスト面ではどうか?”ひいては“ペイシェント・ケアを押し上げるポテンシャルを持ちうるか?”といった問いに迫られる。 講演2 近年、マイクロスコープやCBCTの応用が歯内療法のスタンダードとなりつつある。 さらにNiTiシングルファイルシステムをはじめ、新しい治療器材の開発も目まぐるしく、我が国の歯内療法を取り巻く環境は劇的に変化している。 そして世界中で様々な基礎及び臨床研究が進んでおり、どのような薬剤が根管洗浄に効果的であるのか、どのNiTiファイルが破折しにくいのか等の新しい情報、新しい器材を使用することにより、歯内療法の成功率は本当に向上しているのだろうか。 歯内療法は物理的に見えにくい根管内において行われる繊細な処置の連続であり、さらに根管内に残存するバイオフィルムは、マイクロスコープによってはっきりと見えないものが多いため、自分の頭の中でイメージして行っている処置と、実際に行われたその状態が異なる可能性がある。 これまで行ってきた手技で、どこまで根管清掃をはじめとする基本操作が達成されているのか。 このような点を顧みて検証する必要があると考える。 最新器材を有効に生かすためには、どのような点に注意すれば効果的なのかについて、臨床的な観点から考える機会になれば幸いである。 1)NiTiファイルが必要な場面が増えている。 2))NiTiファイルはイメージとして折れやすいと感じるが、実際は折れにくい。 3)湾曲根管に対しては、予備拡大が必要であり、10号を入れて15号を入れる。 いきなり20号は無理だ。 4)入れにくいケースが多いが、抵抗があったら直ぐにあげる。 5)無理に拡大をすれば根管にクラックが入りやすい。 NiTiファイルは太ければ太いほどクラックが入る。 6)文献を臨床に生かしたいが、術者の手技の詳細は分からない。 7)NiTiファイルが歯質と過剰に食い込まないようにする。 如何に安全に使用するksである。 8)残存している感染カリエス(感染歯質)は徹底的に取る。 洗浄を徹底する。 9)適切は症例を選択する。
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