歯科外来診療環境体制加算の講習会開く
東京歯科保険医協会の「歯科外来診療環境体制加算の講習会」が、5月26日、東京・千代田区神田駿河台の総評会館で開かれた。
4月からの診療報酬改定で歯科外来診療環境体制加算が見直された。
これまでの初診時のみの算定から再診料にも加算(+2点)された。
そこで今回の講習会は、届出を行う上で必要な、1)偶発症に対する緊急時の対応、2)医療事故、3)感染症対策に係る内容で開かれた。
講師は、明海大学歯学部の坂下英明教授(病態診断治療学講座口腔顔面外科学第2分野)を招いた。
同教授は、元石川県立中央病院の歯科口腔外科部長であり、多くの医療訴訟にも関わってきた。
はじめに、歯科外来診療環境体制加算の施設基準について説明した。
<講演の要旨>
新規の患者さんは、「私はこういいウイルスの感染者で陽性ですよ」と申告する人ばかりではない。
特に私が医学部の附属病院と一般の総合病院に長くしたので、色々患者さんの病歴を診 て、色々な患者さんの深刻がある。
その後、歯学部の附属病院へ行ったが、歯学部は安全だ。
明海大学病院は、埼玉県では聖域であるが、駅を二つ隔てる大きな医科大学がある。
そこには多くのSTD(性感染症)の患者さんが通院している。
歯学部の病院に来る患者さんは、申告しないだけなので、非常に切実な問題だ。
先生方の診療所でも色々な患者さんからの申告を受けることはないと思う。
しかし、歯科医師、歯科衛生士も歯科助手も含めて危険なことは議論を待たない。
肝炎、HIV、エイズの患者さんはも来院する。
あるいは麻薬中毒の患者さんが注射器の使い回しで、ウイルスに感染している。
昔、エイズ患者がカリニ肺炎、カンジタ症になどの日和見感染や悪性リンパ腫、カポジ肉腫などを発祥して死に至った。
そこで外国の大学の皮膚科に留学し、勉強してくるようにお仲人の人から勧められた。
親族会議を開いてから丁重にお断りした。
相手は私のお仲人であり「どうして私の言うことを聞けないのか」とお叱りを受けた。
その時は、「何で歯科医師が皮膚科に留学をするの?」と私の妻も怪訝な顔をしていた。
「特殊な患者さんが居るところばかりに行ってどうするの?」と言われた。
あの時に留学をしておけば、私はこの日本でもっと有名な歯科医師になったと思うが、それが幸せであったかどうかは別だ。
現在、STD(性感染症)は確実に広まっている。
その既往を歯科で聴取することはほとんどないので難しいことだ。
STDは、オーラルセックス:フェラチオ・クンニリングス 、肛門性交(アナルセックス)も含んでいる。
その細菌やウイルスなどが性行為により相手の性器、肛門、口などの粘膜や皮膚と接触することにより感染する。
刺青でも感染する。
ある女子大生の患者さんは紹介されてきたが、「どこか変だ」と思った。
実は外から見えない体の部分に刺青を入れてSTDであった。
身体を改めることは歯科ではないんで、首から上で判断する。
そこで、口の中は注意深く観察をする。
平成18年度の新規のHIV感染者・AIDS患者数は1358人で過去最高だった。
陽性は952人、新規AIDS患者が406人。
東京都で452人、全国の33%を占めている。
CD陽性リンパ球の正常値:700〜1300mlが200以下で発症する。
以前は発症してから治療をした。
副作用が強かったからだ。
段々基準が高まってきて、2002年の200以下から2011年500未満となった。
多剤併用療法で治るようになり、2011年国内類型HIV感染者・AIDS患者数は約2万人だ。
2〜3割が異性間感染。
デンマークで1996年以前は25歳の感染者は7.6年で死んだ。
2000年以降は38.9年、死亡しない病気になりつつある。
ウイルスの変異により急速な進行もあるので、発症前からの治療に移行している。
ここで大事なことは、体の中からHIVウイルスがゼロになって生きているわけではない。
つまり、HIVウイルスをもったまま生きながらえる。
高齢者の保菌者も増えている。
最近はHIV感染者・AIDSへの関心が薄れているので注意をしてもらいたい。
約2万人のHIV感染者・AIDS患者が歯科治療を受けている可能性がある。
ただ、エイズ拠点病院があるので、そこで治療を受けうことも多い。
なかには、エイズ拠点病院を行くことを嫌う人もいる。
針刺し事故
流水で傷いを洗い血液を絞り出し、専門医に診てもらう。
院内感染予防、血液感染だけでなく、その他の病原自体による感染の危険をも減少させることが目的だ。
全ての体液、分泌物および排泄物、創のある皮膚、粘膜を感染性であるとして取り扱う。
唾液からはHIVは感染しないとされている。
インプラントの使い回し、このようなことがあると、マスコミはセンセーショナルに報道する。
このようなことがないようにしたいものだと思う。
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