小さい頃、親から「うまい話には気を付けろ」とよく言われた。
コンクリートから人へ、国民の生活が第一と自民党から政権交代を果たした民主党だったが、国民の期待とは裏腹に、過去に例を見ないマニフェスト違反により、国民の政治不信はピークを迎えた。年末の選挙の投票率は前回を大きく下回ったが、この国で暮らす限り、どの政党が舵を取っても同じと諦めるわけにはいかない。
自民党の行き過ぎた右傾化や弱者に冷たい社会保障制度改革など、われわれが注視しなければ国民生活に大きな被害を与えることになる。
まして、猪瀬直樹東京都知事の方針には敏感に反応できるようにアンテナを高く張る必要がある。
さて、過去2回のプラス改定を受けてわれわれの環境は好転しただろうか?
収入も就業時間も雇用も厳しい水準にあることに変わりはない。
商売であれば、増収対策として、多少強引なことも考えられるかもしれないが、医療機関がそれ
を行えば、今の政治と同じように国民から不信感を持たれるだろう。
そこで、発想の転換をしなければならない。
それは、診療所が病気を治すところから、病気にさせないところになる必要がある。
先達のおかげで8020の達成率は四割近くまで上昇してきた。歯を守ってきた評価を国民に理解してもらいつつ、高齢者の口腔管理が健康寿命を押し上げる啓蒙活動を展開する。
そして周術期だけでなく、医管やSPTなど医科歯科連携のもとで歯科発の健康増進を提起することが、現状の医科歯科格差を減少させることになる。
その一方で、若者の健康意識を高めるため診療報酬に予防の概念を入れる運動も必要であり、「キュアからケアへ」こそが患者も行政も歯科従事者もメリットを享受できる三方一両徳となると思われる。
また、最近の東京の歯科医療現場において、患者トラブルが頻発している。
歯科医師の質の低下も指摘されるが、このような事態が起こる背景には、歯科医師の需給と個別指導の問題がある。
歯科治療には、最善の努力をしたにもかかわらず痛みを伴う行為が多く、他の歯科医院なら、もっといい治療が受けられるはずだと患者は思う。
そこにつけて、カルテ開示やレントゲンなどの資料提供を要求されると個別指導に発展するのではないかと弱腰な態度となってしまう。
この悪循環が威厳のあった歯科医師像を崩壊させる結果となってしまう。
本来、歯科医師がリードして指導的な立場でいなければ、生活習慣病の治療は立ちゆかず、患者からリスペクトされる姿を取り戻す必要がある。
※今年は協会創立40周年にあたり、40周年記念行事を行います。
発足当初から協会を支えていただいた先輩方に感謝しつつ、現会員に今後の10年を見据え
た合同研究会を開 催します。
万障お繰り合わせの上、ご出席のほどよろしくお願い申し上げます。
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