医療トラブルの構図と対応

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日歯  歯科医療安全対策ネットワーク事業から

  

医療事故発生の要因は、安全管理の立ち遅れ、危機管理意識の欠如、対象疾患、対象患者の拡大、仕事、労働内容の変化、医学教育、医学研修の不備、社会的問題、経済的変化など多様。

起こった事故の過失は、手技ミスが最も多い。

次いで不注意、インフォームド・コンセント不備。

そして、ミスは故意や作為ではなく、誰もが犯す可能性がある。

そこで、事故発生後の対応が大切。

  

 医療トラブルの構図

 

◎     医療行為に対する期待感

⇒ 実際の医療レベル以上に期待

↓・・・・落差

結果が悪い

◎     医療従事者に対する不信感が高まる

⇒ 医療過誤では内科と疑う

   ↓

◎     権利意識が高まる

⇒ 黙っていりわけにはいかない!

   ↓  医療トラブルに

 

 <参考>

日本歯科医師会の歯科医療安全対策委員会が,歯科診療所での医療事故,医事紛争の事例を,歯科医療安全対策ネットワーク事業の第1回報告書としてまとめた.同事業は医療事故の発生,発生時対応,再発防止対応を講じるために,経年的に医療事故,医事紛争の事例を収集・集計・分析を行い,歯科医療安全の推進を図ることを目的としている.報告の概況は次のとおり.

<報告の概況>医療事故:114件(71.2%)医事紛争:43件(26.9%)記載なし:3件(1.9%)

患者構成男性64件(40.0%) 女性96件(60.0%)

事故当事者構成(複数回答あり)院長135件(79.4%)勤務医25件(14.7%)歯科衛生士5件(2.9%)歯科助手3件(1.8%)その他2件(1.2%)

治療・行為分類(複数回答あり)受付・対応1件(0.6%)インフォームド・コンセント3件(1.7%)口腔外科30件(17.3%)補綴51件(29.5%)保存39件(22.5%)歯周7件(4.0%)矯正1件(0.6%)インプラント12件(6.9%)顎関節症治療2件(1.2%)投薬7件(4,0%)麻酔14件(8.1%)施設管理2件(1.2%)その他4件(2.3%)

事故原因の分類(複数回答あり)医師・スタッフの態度・対応1件(0.6%)料金・領収書1件(0.6%)薬品による汚損・傷害11件(6.3%)機械・器具による汚損・傷害19件(10.9%)インフォームド・コンセント7件(4%)誤診2件(1.1%)治療に付随した不快症状17件(9.8%)診療結果への不満23件(13.2%)マヒ13件(7.5%)ショック9件(5.2%)薬剤による副作用7件(4.0%)不定愁訴1件(0.6%)誤飲・誤嚥20件(11.5%)異物迷入13件(7.5%)異所部位の治療6件(3.4%)院内感染2件(1.1%)後医による前医批判3件(1.7%)施設の管理・監督2件(1.1%)いいがかり・脅迫7件(4.0%)死亡4件(2.3%)不明6件(3.4%)

過失分類態度・対応不備4件(2.6%)問診不備6件(3.4%)診断ミス11件(6.3%)インフォームド・コンセント不備16件(10.3%)投薬ミス2件(1.3%)適応誤り5件(3.2%)手技ミス43件(27.7%)観察不足2件(1.3%)注意確認不足36件(23.2%)スタッフへの指示・指示受けミス1件(0.6%)指示不備・患者への療養方法3件(1.9%)機器管理不備1件(0.6%)その他1件(0.6%) 無過失6件(3.4%) 不明24件(15.5%) 予後良好106件(66・3%)不良10件(6.3%)不明42件(26.3%)未記載2件(1.3%)

後遺障害無136件(85.0%)有7件(4.4%)未記載17件(10.6%)

総括同事業は平成18年10月から実施され,平成19年10月までの北海道,神奈川県,岐阜県,京都府,大阪府,長崎県からの報告によりまとめた.将来,すべての都道府県歯科医師会から事例報告の協力が得られれば,年間1,500件近い報告が期待される.患者側の女性が60%と男性より1.5倍多い理由は不明.16%が勤務医であり,経験の浅い歯科医師には,十分な指導,診療のチェックが必要である.補綴は調整中の補綴物の誤飲・誤嚥が多かった.保存は手技ミス・不注意による治療薬による汚損やリーマー・ファイルの折れ込みが見られた.口腔外科は,手技ミス・診断ミスによる不快症状が多く見られた.麻酔はショック,インプラントは治療結果への不満が目立った.投薬は薬剤による副作用が原因であった.

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