診断AIシステムの開発研究

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診断AIシステムの開発研究はどのように行われたのですか。
 医療法人社団 葵会(本部:東京都千代田区、理事長:新谷幸義)とメディホーム株式会社(本社:東京都渋谷区、代表取締役:菅藤達也)は歯科パノラマエックス線における診断AI(人工知能)を共同で研究開発しました。
葵会・AOI国際病院総合研究センターは、歯科パノラマエックス線において、「う蝕」、「根尖病巣」、「歯石」、「嚢胞」、「根分岐部病変」の各病変の検出を行う診断AIシステムの基本機能を開発し、現在特許出願中です。

 今回の共同研究では、葵会と歯科医師のスタディグループ提供による教師データ(パノラマエックス線画像を約1万2,000枚、病変患部の画像を約2 万5,000 件)を用い、AOI 国際病院歯科口腔外科の田島聖士医師を中心として歯科パノラマエックス線の読影および検証を行い、診断AI の開発をメディホームにて実施しました。
開発にあたって、どのような困難がありましたか。
診断AIはすでに、内視鏡検査やMRIなどの検査で応用されています。内視鏡検査はフルカラーの動画で映像が鮮明であるのに対し、パノラマエックス線画像はわずか数色のモノクロの静止画で映像も不鮮明です。内視鏡検査に比べ明らかに少ないデータ量のため、この診断AIの開発は非常に難易度が高いです。また、この画像認識技術は他領域の画像診断にも横展開が可能になると考えられます。
この診断AIシステムを利用するメリットを教えてください。
パノラマエックス線は、日本の歯科医療現場で日常的に撮影されていると同時に、一度に口腔内全体の状態を把握できる利点があります。しかし、歯科パノラマエックス線の読影は歯科医師の経験等により差が出ることもあるため、この診断AIを使用することにより、AI による「ダブルチェック」や「医療の標準化」も期待できます。

現在のところ、診断AIによる歯科パノラマエックス線画像の読影速度は、1枚あたり0.018秒程度です。読影項目は、「う蝕」、「根尖病巣」、「嚢胞」、「根分岐部病変」、「歯石」です。今後、診断結果を歯科医師が確認した際に、カルテシステムにもその所見が反映されることを想定しています。


さらに、その読影結果は確信度(診断AIがその読影をどの程度の自信を持って判断しているかを表す数値)とともに表示できます。この確信度の設定を変更することにより、使用する歯科医師のエックス線診断基準に合わせることが可能となります(例えば、厳し目に読影したい先生は確信度10%以上に設定、易し目に読影したい先生は確信度70%以上に設定など)。
このシステムを普及していくために、どのような課題を解決する必要がありますか。
今後、この診断AI を生かすためには、約6万8千軒ある歯科医院への普及が課題のため、既存のパノラマエックス線や電子カルテのシステムと連携できる汎用性の高いソフト開発が必要になると考えられ、また診断AIの精度向上も不可欠となります。他のAIシステム(例えば、囲碁AIの「アルファ碁」)のように、読影すれば読影した分、診断AIの精度が自動的に向上するようなシステム構築も検討中です。

また、この診断AIは大学における教育や遠隔医療等での活用も期待できるため、その使用についても模索していきたいと考えているところです。
=AOI国際病院=
2013年に川崎南部病院として新規開院し、2016年に「AOI国際病院」と改名した病院です。一般急性期から療養、緩和ケア期まで幅の広いシームレスな総合医療を提供しております。開院当初の地域に密着した医療というコンセプトを継承しながら、国家戦略特別区域高度医療提供事業を行う病院として先端医療に取り組んでいます。また、羽田空港やキングスカイフロント(ライフサイエンスを中心に世界水準の研究開発を行う企業・施設が終結した川崎市殿町の区域)にも近い立地であることから国際的な医療交流にも取り組んでいます。
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=AOI国際病院 歯科口腔外科=
歯科口腔外科では、周囲の歯科診療所と連携し、歯科の二次医療機関として歯科口腔外科領域の治療を行っております。扱っている主な症状は、難抜歯、歯性感染症、顎顔面外傷、重篤な基礎疾患を有する患者様の治療、歯科治療恐怖症の患者様の治療、インプラント治療に関する各種トラブル等です。外来通院で行える治療の他、入院下での治療、全身麻酔下での手術も行っております。

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