【会員限定公開記事】「25分でメンテを完了させる9の鉄則」1Dセミナー イベントレポート

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質の高いメンテナンスを25分で終了できますか?
2022年04月18日(月)、1D (ワンディー) の主催により歯科衛生士向けオンラインセミナー「25分でメンテを完了させる9の鉄則」が催された。セミナー講師は株式会社スマイル・フォー・ユー設立者の「長岐 祐子」先生で、歯科医院向けの予防システムのレクチャーや全国講演を行っている現役の歯科衛生士である。
歯周病患者のメンテナンスを効率的かつ質を高くするためにどうすれば良いのか悩んでいる歯科衛生士は非常に多い。メンテナンスの時間効率で悩んでいる読者にとって長岐先生のセミナーは非常にためになる内容である。
歯科医師であり本記事の執筆者も聴講したが、自身がPTCを実際に行う上でも非常に参考になる内容が多く盛り込まれており、歯科衛生士の教育などにも活かせる内容で勉強になったというのが正直な感想である。


▲肝となるPTCは20分以内で終わらせる!

「25分でメンテを完了させる9の鉄則」 概要

  • なぜ“25分”でメンテを仕上げるのか
  • ”25分”の具体的な心得とは
  • 歯科衛生士が歯科医院経営の要である
  • 集中力維持の5つの行動とは
  • 25分メンテナンス & SPTを成功させる9つのポイントとは
「SPTを実施する際のポイントを知りたい」「メンテナンスを行う際のチェックするべき項目を知りたい」「短時間で質の高いPTCを実践したい」など、歯科臨床で日々患者さんの口腔衛生の向上に努めている歯科衛生士のニーズに沿ったセミナー内容になっている。興味のある歯科衛生士読者の皆さんにも本セミナーの受講をぜひお勧めしたい(歯科医師の方が参加すれば、自院での歯科衛生士教育に活用できる内容になっている)。
本記事では「25分でメンテを完了させる9の鉄則」の中で長岐先生が紹介していたPTCを20分間で行うポイントの一部を紹介したい。読者の日常臨床の参考になれば、嬉しい限りである。


▲メンテを25分で終わらせる勘所がスライドで分かり易く解説

PTCを20分間で行うポイント3点

本記事では文字数の関係上、PTCを20分間以内で終わらせるポイントを3点だけ紹介する(本セミナーでは本記事内で紹介されていないポイントも多数紹介されていたので、詳細を知りたい方はセミナー受講をお勧めする)。
①11時のポジション
処置を行う際にポジションを何度も変えてしまうと、それだけでも時間がかかってしまう。効率的に処置を行うために11時のポジションを極力変えないように心掛ける。
②エアフローの使用
歯石が付着している場合、まずはエアフローで歯石を大まかに除去して、残りの歯石をスケーラーによって除去する方が効率的である。加えて、エアフローを使用すれば歯面を必要以上に傷つけることもない。20分以内でPTCを終了させるためにも可能ならエアフローは活用したい。
③うがい回数の省略
プラークの染色も必ず行い、前回のPCRの結果と照らし合わせて患者さんに磨けていない箇所を説明することは省くべきではない。うがいをするために、何度もユニットを上げ下げするのではなく、排唾管によるサクションを活用し、うがいの回数を減らすようにしたい。
上記3つのポイント以外にも、PTCを早く終了させるための手技の勘所など詳しく説明されていたので、気になる方は「25分でメンテを完了させる9の鉄則」のセミナー受講を推奨する。

▲25分でメンテを終わらせるには前提条件が必要

「25分でメンテを完了させる9の鉄則」を受講して

実際にセミナーを受講した感想だが、「歯周組織精密検査や口腔内写真撮影などの検査を行う場合、やはり45分以上の予約枠を確保する必要性がある」ということだ。
歯の本数が少なく、患者の口腔内の歯周組織の状態が良好であれば30分以内で検査を含めたメンテナンスを全て終わらせることは可能かもしれないが、高齢者を含めた多数の患者において20本以上の歯が現存しているのが日本の現状である。
あくまで本セミナーは患者導入及び主訴の確認に5分、PTCに20分のトータル25分でメンテを終了させることに着眼しており、口腔内写真や歯周ポケット検査などが必要な場合は別途時間(45分〜60分の予約枠)を設ける必要があることをご理解した上でセミナーを受講することをお勧めする。
また、患者さん(及び口腔内状況)によっては25分以内でメンテを終わらせることは難しい場合もある。25分以内で終了させることのできる患者さんであるのかを見極めることも本セミナーを通じて非常に大切であることのように感じた。

▲歯科衛生士による口腔ケアのプロセス
講義後は質疑応答の時間が設けられたが、沢山の受講生による質問で予定終了時刻をオーバーしていた。「担当制の方が良いのか?」「エアフローは自費でするべきなのか?」など、日々業務を行っている歯科衛生士ならではの質問内容が多かったが、講師の長岐先生はご自身の経験や知見から一つ一つ丁寧に回答されていた。
株式会社スマイル・フォー・ユーでは歯科衛生士向けの年間カリキュラムによる教育を行っているので、より詳しく長岐先生のお話を聞きたい歯科衛生士の方はカリキュラムへの参加も検討してはいかがだろうか。
本記事をご覧になり、1D主催の「25分でメンテを完了させる9の鉄則」を視聴してみたいとお考えの方は、下記のリンクからセミナー概要をチェックされることをお勧めする。本セミナーの動画を視聴することも可能である。
今回、「25分でメンテを完了させる9の鉄則」のセミナーを開催した1D(ワンディー)では歯科医師・歯科衛生士・歯科技工士向けの情報発信を行なっており、臨床やライフスタイル、経営など様々なテーマのニュースを読むことができ、著名なドクターから学べるオンラインセミナーが定期的に開催されている。
自身も1Dの会員であり、会員同士の交流やLINEを活用した転職活動などを含めた様々なサービスを利用している(無料で会員登録可能)。ウクライナ情勢と歯科材料の高騰が実は関連しているといった内容の記事など興味深い内容のものも多いので、気分転換として活用している。
本記事の内容が主に歯科衛生士読者のメインテナンスの一助になれば幸いである。

古川 雄亮(ふるかわ ゆうすけ)
日本矯正歯科学会 所属

東北大学歯学部卒業後、九州大学大学院歯学府博士課程歯科矯正学分野および博士課程リーディングプログラム九州大学決断科学大学院プログラム修了。歯科医師(歯学博士)。バングラデシュやカンボジアにおいて国際歯科研究に従事。イエテボリー大学歯学部 "Oscillation course" 修了。2018年より、ボリビアのコチャバンバで外来・訪問歯科診療に携わり、7月から株式会社メディカルネットに所属。主に、DentwaveやDentalTribuneなどのポータルサイトにおける記事製作に携わり、2019年7月よりメディカルネットの顧問。離島歯科医療に従事後、 本島で歯科臨床に従事する傍ら、記事の監修・執筆、歯科医師国家試験模擬試験の編集業務、企業コンサルタント、マウスピースの製品管理、オンライン診療などを個人事業主として行っている。

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