<会員限定>「奥歯の裏まで手が届く支台歯形成のテクニック」

カテゴリー
記事提供

© Dentwave.com

この記事は
無料会員限定です。


▲1Dオンラインセミナー
「奥歯の裏まで手が届く支台歯形成のテクニック」イベントレポート
支台歯形成、ちゃんと出来てますか?
2022年03月14日(月)、1D (ワンディー) 主催のオンラインセミナー「奥歯の裏まで手が届く支台歯形成のテクニック」が開催された。講師は日本補綴歯科学会専門医で日本顎咬合学会咬み合わせ指導医でもある「行田 克則」先生。
普段の日常臨床で適切な支台歯形成が出来ているか否かを自分自身に問い正すことはあるだろうか。このように問うと、「マージンを滑らかに形成できていないのでは?」、「直視できない箇所の形成が得意になるのはどうすれば良いか?」、「テーパーをつけ過ぎてしまう癖があるので、どうすれば直すことができるのか?」など支台歯形成に対して様々な悩みや疑問が出てくることだろう。
そんな支台歯形成で日頃悩んでいる歯科医師の先生方にとって、行田先生の支台歯形成セミナーは非常に参考になる内容であるに違いない。実際に筆者自身が参加したが、普段支台歯形成を行なっている歯科医師の皆様が「行田式の支台歯形成」を実践するための勘所を掴める満載のセミナー内容である。

▲「熱血!仮歯塾」オンラインセミナーの様子(左側「行田 克則」先生)

「奥歯の裏まで手が届く支台歯形成のテクニック」 概要(20:00-22:00)

  • 支台歯形態の要件
  • 形成量をいかにコントロールするか?
  • マージン部の形成のコツ
  • 隅角の処理のポイント
  • 症例でみる支台歯形成
「行田先生の実践する支台歯形成が知りたい」「精度の高い支台歯形成のテクニックを学びたい」「支台歯形成が苦手で上手になりたい」など、臨床で支台歯形成を行う機会の多い歯科医師に視聴して欲しいコンテンツとなっている。
「奥歯の裏まで手が届く支台歯形成のテクニック」の内容の全てを本記事で紹介することは難しいため、本セミナーの冒頭で行田先生が述べていた「接合上皮に歯肉縁下マージンを設定すべき理由」を紹介する。

▲接合上皮から白血球を含む浸出液が確認できる

接合上皮に歯肉縁下マージンを設定すべき理由

歯肉縁下にマージンを設定する際に欠点と思われている点について、以下のようなことが考えられる。
  • ブラックマージンになりやすい
  • プラークコントロールが難しい
  • 支台歯形成および印象が難しい
クラウン・ブリッジの教科書においてフィニッシュラインは審美的な理由なども含めて縁下0.5mmに設定することを推奨する記述が多いように思う。
行田先生は講義の中で「基本は接合上皮が存在している歯肉縁下1.0mmにマージンを設定することを目標に支台歯形成することが望ましい」と述べた。
接合上皮に支台歯のマージンを設定する理由を行田先生は下記のように述べられた。
「接合上皮付近から白血球を大量に含む浸出液が出るため、バイオフィルムが付着しにくく、プラークコントロールがしやすい。プラークの染め出しを行っても染まらない。」
実際に行田先生の症例写真を見ると、プラークの付着が認められず、良好な歯周組織の状態も確認できたので、接合上皮にフィニッシュラインを設定することは非常に有効なことに感じられた。

▲ファイナルのためにプロビジョナルをしっかりと作製することも肝要
「奥歯の裏まで手が届く支台歯形成のテクニック」受講後の感想

今回、セミナーを受講して特に考えさせられたのが、実際に適切な支台歯形成ができているか否かについてだ。講義の中で行田先生は「ほとんどの歯科医師の形成はマージンラインがストレート(歯肉のラインに沿った形成)になっている落とし穴に気づいてない」と述べていた。
講義後は質疑応答の時間が設けられたが、多くの受講生からの質問が寄せられた。仮着セメントの使い方、浸出液が多い場合の印象のコツ、お勧めのシリコーン印象材、生活歯か失活歯各々に対してのお勧めの合着材など、行田先生からのご回答が共有され、受講生にとって非常に勉強になる内容であったに違いない。
本記事をご覧になり、1D主催の「奥歯の裏まで手が届く支台歯形成のテクニック」を視聴してみたいとお考えの方は、下記のリンクからセミナーの概要をチェックされることをお勧めする。本セミナーの動画を視聴することも可能である (視聴期限:2022年6月11日まで)。
今回、「奥歯の裏まで手が届く支台歯形成のテクニック」のセミナーを開催した1D(ワンディー)では歯科医師・歯科衛生士・歯科技工士向けの情報発信を行なっており、臨床やライフスタイル、経営など様々なテーマのニュースを読むことができ、著名なドクターから学べるオンラインセミナーが定期的に開催されている。
自身も1Dの会員であり、会員同士の交流やLINEを活用した転職活動などを含めた様々なサービスを利用している(無料で会員登録可能)。歯科医師国家試験に合格できず多浪している方の実情を記事にするなど面白い記事も多いので、気分転換として活用している。
本記事の内容が歯科医師読者の支台歯形成の参考になれば嬉しい限りである。

古川 雄亮(ふるかわ ゆうすけ)
日本矯正歯科学会 所属

東北大学歯学部卒業後、九州大学大学院歯学府博士課程歯科矯正学分野および博士課程リーディングプログラム九州大学決断科学大学院プログラム修了。歯科医師(歯学博士)。バングラデシュやカンボジアにおいて国際歯科研究に従事。イエテボリー大学歯学部 "Oscillation course" 修了。2018年より、ボリビアのコチャバンバで外来・訪問歯科診療に携わり、7月から株式会社メディカルネットに所属。主に、DentwaveやDentalTribuneなどのポータルサイトにおける記事製作に携わり、2019年7月よりメディカルネットの顧問。離島歯科医療に従事後、 本島で歯科臨床に従事する傍ら、記事の監修・執筆、歯科医師国家試験模擬試験の編集業務、企業コンサルタント、マウスピースの製品管理、オンライン診療などを個人事業主として行っている。

記事提供

© Dentwave.com

新着ピックアップ