2014年1月7日06時19分 朝日新聞
歯科医院で治療を受けると、商品券などと交換できるポイントがもらえるしくみが広がっている。
国民の医療費が、治療とは直接関係ない患者集めに使われている可能性がある。
患者にポイントを与えることで実質的な値引き競争につながり、全国で一律であるはずの医療の価格に差ができ、質の格差も生まれかねない。厚生労働省も、対策を慎重に検討している。
歯科ポイントのしくみは、東京都渋谷区の歯科コンサルタント会社が2006年から運営を始めた。
同社によると、全国約6万9千ある歯科医院のうち、加盟しているのは約400。
加盟医院で治療を受けた患者は、同社のウェブサイト上で治療や設備の満足度について6問のアンケートに答え、歯科医院の口コミを書き込むと、治療内容によって100円~1万円相当のポイントをもらえる。
ポイントの付け方は、歯科医院に任せられているため、患者の勧誘に活用できる。
1回の治療で100ポイントをつける医院が多く、初診時や検診1回につき500ポイント、患者を紹介すると1千ポイントをもらえる医院もある。
500ポイントたまると1ポイント1円として、商品券や電子マネーに交換できる。
「1万ポイント=1万3千円」などと、歯科医院は運営会社からポイントを事前に買い取る。または患者が口コミをした後、例えば100ポイントにつき300円を支払う方法もある。いずれも保険料や税金からなる診療報酬が使われているが、歯科医院は支払った金額を取り戻すために不必要な治療をして医療費の無駄につながる恐れが指摘されている。
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