社保審医療部会:改正法等改正に関する意見書「地域歯科医師会の役割が明確化」等

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第38回社会保障審議会医療部会(部会長=永井良三・自治医大学長)が12月18日、三田共用会議所で開催され、“医療法等改正に関する意見書”のとりまとめについて議論された。基本的な考え方の下での具体的な改革内容を報告された。歯科からの委員は、和田明人・日本歯科医師会副会長。 ▲「医療機能分化・連携及び地域包括ケアシステムの構築に資する在宅医療の推進について」=①「病床機能報告制度の創設」、②「地域医療ビジョン策定」、③「地域医療ビジョンを実現するために必要な措置」、④「在宅医療の充実、医療と介護の連携の推進等」、⑤「国、地方公共団体、病院、有床診療所及び国民(患者)の役割・責務」、⑥「今後の検討課題」、▲地域の実情に応じた医師・看護師等の確保対策=①医師確保対策、②看護職員確保、▲{新たな財政支援の仕組みの創設、▲「チーム医療」、▲「医療法人に関する制度の見直し」、▲「医療事故に係わる調査の仕組み」、▲「臨床研究の推進」、▲「その他の改正事項」。 今回の意見書の中で、歯科に関係する事項は、以下の通りで改めて強調された。「地域医療ビジョン策定」の項目には、「医療計画と同様に、医師会、歯科医師会、薬剤師会、医療審議会及び市長村の意見を聴くとともに、その内容について、医療機能の分化・連携及び地域包括ケアシステムの構築に資する在宅医療を適切に推進していく観点から、今後、定期的に見直し、記載された各項目がより精緻になるものとする必要がある」。また、「在宅医療の充実、医療と介護の連携の推進等」では、「在宅医療の提供体制は、在宅医療を受ける患者の生活の場である日常生活圏域での整備が必要となることから、国、都道府県の支援のもと、市町村が主体となって地域の医師会、歯科医師会、薬剤師会及び看護協会等と協働して推進する必要がある」。さらに、「市長村や地域の医師会、歯科医師会、薬剤師会及び看護協会等において、医療と介護の連携体制の構築を進めるにあたり、各市町村で中心的役割を担うリーダーや医療と介護に精通した連携のコーディネーターとなる人材育成等が必要であり、その支援を行なっていく必要がある」と明記。 一方、「チーム医療」の分野では、「歯科衛生士の業務実施体制の見直し」として言及。保健所及び市長村保健センター等が実施する付着物等の除去やフッ化物塗布等の予防処置について、歯科衛生士が歯科医師の直接の指導(立会い)の下に実施することとされているが、歯科医師の指導の下、歯科医師との緊密な連携を図った上で、歯科衛生士がこれらの行為を行うことを認める。 同時に「その他の改正事項」では、「歯科技工士国家試験の全国統一化」として「歯科技工士国家試験を現在の歯科技工士の養成施設の所在地の都道府県県知事が各々行うのでなく、国が実施するよう改めるべきである」と記された。 以上の記載で特徴とされるのは、地区の医師会、歯科医師会、薬剤師会が、専門団体として、その役割・責任を明確にしていることで、改めて地域医療における重要性を再認識を促すことになった。 【委員名簿】部会長=永井良三・自治医大学長、部会長代理=田中滋・慶大教授、相澤孝夫・日本病院会副会長、安倍好弘・日本薬剤師常務理事、荒井正吾・全国知事会(奈良県知事)、今村聡・日本医師会副会長、遠藤直幸・全国町村会(山形県山辺町)、大西秀人・全国市長会(香川県高松市長)、尾形裕也・東大特任教授、加藤達夫・国立成育医療研究センター名誉総長、菊池令子・日本看護協会副会長、高智英太郎・健保組合連合会理事、白鳥敬子・東京女子医大病院院長、田中滋・慶大経営大学院教授、中川俊男・日本医師会副会長、西澤寛俊・全日本病院協会会長、花井圭子・日本労働組合総連合会総合政策局長、樋口範雄・東大教授、日野頌三・日本医療法人協会会長、藤本晴枝・NPO法人地域医療を育てる会理事長、藤原清明・日経連経済政策本部長、逸見公雄・全国自治体病院協議会会長、山口育子・NPO法人ささえあい医療人権センターCOML理事長、山崎学・日本精神科病院協会会長、和田明人・日本歯科医師会副会長。  
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