免疫力を高めてストップ肺炎-予防接種や口腔ケアを

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2013年12月24日 日本人の死亡原因の三位に浮上した肺炎。亡くなる人の97%は六十五歳以上で、十二月から二月にかけて死亡率が高く、特に注意が必要だ。 九十歳以上になると、のみ込む機能の低下が原因で起きる肺炎が、大半を占める。 専門家に予防策を聞いた。 「冬はインフルエンザなどにかかった後に肺炎になり、亡くなる人が多い。特に高齢者は注意を」。 日本呼吸器学会で「ストップ肺炎」キャンペーンに取り組む国立病院機構東京病院の永井英明医師(59)は話す。 肺炎は細菌やウイルスなどが肺に入り込んで起こる肺の炎症。 風邪やインフルエンザ、加齢、持病などで免疫力が弱まったときなどに、感染を起こしやすい。重症化すれば死亡することもある。 肺炎の原因となる細菌の中で、最も頻度が高いのが肺炎球菌。 全体の三割近くを占め、ほかの病原体による肺炎に比べ重症化しやすい。だが、昨年までの肺炎球菌ワクチンの累積接種率は19・6%。四~七割の接種率がある欧米と比べ、低水準にとどまっている。 自治体による公費助成が広がっており、高齢者らを対象に、今では六割以上の市区町村で助成がある。 インフルエンザと肺炎球菌ワクチンの併用接種が効果的。同時接種でも、副反応が出る頻度や効き目は単独接種の場合と差がないという。 うがい、手洗い、マスク着用など毎日の感染予防も大切だ。 「せきエチケットは必ず守ってほしい。せきが出るときはハンカチやティッシュで押さえて。マスクはガーゼではなく使い捨ての不織布で」と永井さん。 たばこは自分だけでなく、周りの人の肺炎の危険性も高める。バランスのよい食事、持病の治療で体の免疫力を上げたい。 肺炎にかかっても、六十五歳以上では半数が発熱しない一方、腹痛や失禁など呼吸器以外の症状が出るなど、典型的な症状がみられないことがある。 「ストップ肺炎」キャンペーン推進実行委員長、長崎大病院の河野茂院長は「診断が遅れて重症化することも。なんとなく元気がない、食欲が落ちたときなどは医療機関へ」と呼び掛けている。 ◆のみ込む力つけ誤嚥防ごう 九十歳以上の肺炎の大部分は、誤って唾液や食物が気管に入ってしまうことで起きる誤嚥(ごえん)性の肺炎。高齢になるにつれ、のみ込む機能がうまく働かなくなる。 口の中の細菌やウイルスも一緒に気管に入り、肺炎を引き起こす。睡眠中も唾液を誤嚥することが多い。 「口の中はばい菌だらけ。特に歯肉にある肺炎球菌は危険」と話すのは、茨城県土浦市の歯科医師で、日本顎咬合(がくこうごう)学会次期理事長の上浜正さん(60)。「若い人と違って、発症すると治りにくい。だから予防が肝心」 口の中を清潔にして細菌を減らす口腔(こうくう)ケアによって、肺炎の発症率、死亡率とも大きく減少することが分かっている。特に歯科衛生士らによる専門的なケアは効果が高い。インフルエンザや風邪の発症率も激減する。のみ込み機能の老化予防に、首や口周りの体操が効果的だ。 食事介助の際は、少量ずつ時間をかけて食べさせる。「『これは梅干しおかゆだよ』などと声をかけ、脳に食事を認識させると、のみ込むための筋肉が準備する。決して食物を奥に押し込まない。一緒に空気が入ると誤嚥しやすいので、唇を閉じて食べさせて」と上浜さん。 自分で食べられる人は極力、箸を使い、前歯で食べ物をかみ切り、奥歯で三十回かんだ後、強い力でのみ込む。そうすると、のみ込む力をきたえられる。 (砂本紅年)
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