東京歯科保険医協会の第6回「歯科と健康」フォーラムが11月28日、飯田橋のレインボービル7階で開かれた。
多数の一般の人たちが参加して、「若さのヒミツ?口にあり」—唾液とアンチエイジング—をテーマとしたシンポジウムに熱心に聞き入った。
第2部・シンポジウム
シンポジスト 岡崎朋美さん(富士急行 長野五輪銅メダリスト)
岡崎さんは、スピードスケートワールドカップで通算12勝。
これまで冬季五輪5大会連続の最多出場。
2010年バンクーバー五輪では、日本選手団旗手を務めた。
来年の1月に出産予定であるが、次回のソチ五輪を目指している。
岡崎朋美さん
私は20歳ころ、歯について意識をあまりしていなかったのですが、大先輩の橋本聖子さんが、「歯をものすごく食いしばるので、奥歯がけっこうボロボロになった」というお話をうかがいました。
それで私も、気をつけなければならないなと思っていました。
これまで5回のオリンピックを経験しまして、長野オリンピックは26歳でした。
若い時には、栄養をたくさん摂っていれば、疲れた体が回復するのがほとんどでした。
長野オリンピックの時には、本当に体の状態がとてもよかったですが、若さで乗り切っていていました。
それ以降、2000年には椎間板ヘルニアを発症しまして、手術をしました。
その時に、初めて体の変化に敏感となり、まず、何をすべきかで、最初にやったのは体感などでした。
歯はトレーニング中に強く食いしばっていました。
カーブを回る時には遠心力がつくので、どうしても右の歯を強く食いしばっていました。
バランスが重要だということで、平均的に噛めるようにと、スポーツドクターからマウスピースを作ってもらったのですが、レースとなると呼吸が苦しくなるので、マウスピースを着けて滑ることができませんでした。
「レース中は少し息がきつい」とお話をしました。
ただ、陸上でのトレーニングやウエートトレーニングなどの瞬発系ではマウスピースを試してみました。
また、練習については量より質へと変化したんのですが、歯の治療をして体のバランスがよくなり、左右の使い方では、若い時にできなかったことができるようになりました。
バランスが重要なのだな、と改めて認識しました。
また、指導者とのコミュニケーションが重要であり、若いころはやるべきことを黙々とやってきたのですが、基礎体力をつけることが重要です。
指導者たちも若いころ、歯に無関心であったので、歯がみんなボロボロで、「歯は大事だね」と言っていました。
「このようにならないように、歯に気をつけろよ」と言っていました。
私の父は74歳なのですが、仕事が忙しいと、歯の治療をあまりしてきませんでした。
聞くと、総入れ歯でした。
年1回、実家に帰るのですが、コタツの上に義歯が置いてあったので、「これ、誰の」と初めて見た時にはビックリしました。
ご飯を食べる時には、しっかりと美味しく食べたいだろうし、総入れ歯では大変だなと、思ったのです。
私もしっかり歯のケアをして、70代、80代になっても、自分の歯で食べたいと言う気持でいます。
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