災害看護のプロ育成へ−来春5大学が共同大学院を開講

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毎日新聞 2013年8月17日(土)17時59分

来春、五つの国公私立大学が、災害看護のプロフェッショナルを養成するための共同大学院「共同災害看護学専攻」を開講する。5年間の博士課程で、国際的、分野横断的に活躍できるリーダーの育成を目指す。

高知県立大、兵庫県立大、日本赤十字看護大、東京医科歯科大、千葉大で、三つ以上の大学による共同大学院は国内初だという。

テレビ会議システムを使うなどし、互いの大学院での授業を単位認定。海外の提携計32校のネットワークを生かし、海外派遣や留学も計画している。

国内の災害看護に関する学部は、1995年の阪神大震災を契機に各大学で開設されるようになり、けが人の手当てだけでなく、長期にわたり肉体的、精神的にサポートできる看護師を養成してきた。

しかし、東日本大震災では被害が非常に広範囲に及び、東京電力福島第1原発事故も発生。幅広い視点から災害看護に当たれる人材の必要性が浮き彫りになり、共同大学院の開講につながった。

高知県立大大学院の山田覚(さとる)教授は「一つの大学では限りもあるが、5大学の強み、特徴を生かして国際的、学際的なカリキュラムを組める」と説明する。

定員は各大学2人で計10人。文部科学省の補助事業に、5大学による共同大学院のプログラムが採択されたことから、7年間で約30億円の補助を受ける。

各地で懸念される巨大地震による震災だけでなく、テロや新型インフルエンザも災害看護の対象となる。山田教授は「さまざまな職種と連携できるリーダーが必要。災害看護学をベースに、ありとあらゆる分野を学ぶ」と話している。

(池田知広)

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