横須賀・湘南地域災害医療歯科学研究センター

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災害時の歯科医療考える...被災地経験もとに報告

( 2013年4月1日  読売新聞)

災害時の歯科医療のあり方を考える「横須賀・湘南地域災害医療歯科学研究センター」の研究報告会が31日、同センターが設置された神奈川歯科大学大学院(横須賀市稲岡町)で開かれた。

東日本大震災の被災地で活動した歯科医師らが報告、提言などを行い、学内外の歯科医師や市民ら約100人が耳を傾けた。

 報告会では、日本法医学会から2度にわたり、計11日間、宮城県内の遺体安置所に派遣され、歯の治療痕を記録する「デンタルチャート」を計84人分作成したり、11人の身元確認作業をしたりした同大の簗瀬武史客員教授が講演。

デンタルチャートを作成し、カルテと照合して判定する歯科の検視作業は、遺体を迅速に遺族の元に返す上で、重要な役割を担っていることなどを説明した。

 簗瀬客員教授が引用した警察庁の資料によると、東日本大震災の死者は1万5786人(2012年3月12日現在)。

そのうち、人相・着衣・所持品で判明した1万3658人を除くと、確認方法は歯科所見が1160人と、指紋の365人やDNAの148人を大きく上回り、「有用性が評価された」という。

 また、簗瀬客員教授は、派遣されたほかの歯科医師が、検視作業の手順として、遺体のエックス線撮影をしようとしたところ、地元の歯科医師会から「遺体を研究材料にしている」と非難されたことや、デンタルチャートの書式が被災地ごとにバラバラで誤記を招く可能性があったことなども報告。書式を統一した記入用紙の採用や、派遣側と受け入れ側をつなぐコーディネーターの必要性を訴えた。

 

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