口腔ケア不足により病状が悪化するケースが相次ぐ

カテゴリー
記事提供

© Dentwave.com

お年寄りの口腔ケア支援 県、在宅歯科診療を推進

 兵庫県は2013年度から、兵庫県歯科医師会(神戸市中央区)と連携して、医師が訪問診療する「在宅歯科診療」を推進する専門部署を同会に設ける。

病気や障害などで通院できないお年寄りらが、口腔(こうくう)ケア不足により、病状が悪化するケースが相次いでいることから、支援態勢を整えることにした。(東田陽介)

 県医務課によると、県内の歯科は11年度末現在2966施設で、在宅診療を手がけるのはうち1割程度。

持ち運びができる専門機器の調達や、歯科衛生士ら人材確保が課題になっているという。

一方、在宅患者のうち、歯科診療が必要なのに、未受診者の割合は7割に達するという厚生労働省の調査(08年)もある。

 お年寄りの生活の質向上のためには口腔ケアは欠かせない。

口の中を清潔にしていないと、細菌が繁殖して肺炎につながったり、きちんと食べ物がかめなければ、消化不良や食欲減退を起こしたりと、命に関わる問題に発展する恐れがある。

 国は10年から在宅歯科診療に取り組む自治体に補助を始め、11年度時点で32府県が機器貸し出しやPR窓口の設置に取り組んでいる。

県も地元歯科医師会の要望を受け、対応を決めた。

 新設するのは「在宅歯科連携室」で、県歯科医師会に委託し、設ける。同会の非常勤職員として歯科衛生士1人を配置し、在宅医療を行う歯科医の紹介や、電話で口腔ケアの指導などにあたる。

 また、県内の病院などに在宅診療の実施状況を調べて現状を把握する。

県は職員の人件費やPR費用などに約400万円を計上した。

県の担当者は「在宅医療の必要性は、高齢化社会の進展に伴い高まるので、早急に備えたい」としている。

(2013年4月1日  読売新聞)

記事提供

© Dentwave.com

この記事を見ている人がよく見ている記事

子どものお口ケアどうしてる?歯磨きグッズの選び方【日本口腔外科学会 指導医監修】

【プレスリリース】能登北陸震災をきっかけに、あらためて「口腔ケア」が注目されています。口腔ケアが行き届かないとリスクが高まる「誤嚥性肺炎」を防ぐために~高齢者に多い誤嚥性肺炎をはじめとする様々な疾患の予防にも役立つ「舌ブラシ」の使用方法を公開~

口腔ケアを通し健康について考える かむ力や飲み込む力など口の機能をチェック 名古屋

【能登半島地震】続く断水 できない歯磨き 医師が心配”危険”な「肺炎」

能登半島地震、被災地の口腔ケアへ「水のいらない歯磨き剤」を!宇宙飛行士も使用 大阪府歯科医師会から

「誤飲性肺炎」は常在菌が原因に…予防には口腔内のケアが欠かせない【感染症別 正しいクスリの使い方】

男性がより危険な口腔がん…飲食しながらの喫煙、虫歯、歯周病が原因 リスクを回避する方法は

北海道は虫歯が多い!? 歯医者さんに聞く虫歯予防のコツ。歯みがき粉のプレゼントも

新着ピックアップ