シンポジウム「歯科医療再生をめざして〜なぜ、いま混合診療なのか〜」 8)

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東京歯科保険医協会第40回定期総会後に、記念シンポジウム「歯科医療再生をめざして〜なぜ、いま混合診療なのか〜」を開かれた。

コーディネーターは協会副会長の濱克弥理事(社会保険・学術部担当)が務め、松島良次会長、中川勝洋理事のほか、東京医科歯科大学大学院の川渕孝一教授が混合診療容認の見地からシンポジストとして参加した。

 

  濱 克弥副会長

最後に先生の方から質を担保というお話があった。

今回の、シンポジウムは、なぜ、いま混合診療なのかをテーマとしたが、混合診療には色々な事情がある。

さきほどは歯科の歴史を振り返るなかで、歯科ラッシュがあったことから、それをきっかけに色々な制度が変わってきたというお話があった。

現在はインプラントをかわきりにテレビ、新聞報道があるが、そのころと比べ似たようなことがあるのか、どうなのか?

中川 勝洋理事

逆さまな意味で何となく感じているが、さきほど話をしたインプラント義歯がインプラント義歯という名前でなく保険導入されたわけだ。

それにともなって、何か動いているのかなという直感的な部分はある。

それと同時に、歯科医師のクオリティー自体がかなり低下してきている部分がどうも感じられる。

低下した一番の理由は何か、松島会長が先ほどいったように、経営に安定がないと言う部分だ。

色々な部分で手を染めてしまう部分が如実に出てしまっている。

ではどうしたら歯科経営の安定を得られるを歯科業界として第一義に考えていくべきだと思う。

濱 副会長

これまでの3先生の報告(講演)を聞いて会場から質問をしていただきたいが、その前に追加発言お願いしたい。

松島 良次会長

私の話に中で、混合診療が起きてくるとダンピング合戦になり、質の担保をどい確保するでであるが、患者さんに危険が及ぶ可能性が高くなる思われるが、川渕先生この点はどうか。 

川渕 孝一教授

先生方の前で少し言いにくいが、歯科医師の過剰問題があり、29歯科大学・歯学部の中で定員われが起こっている。

需給調整をやっているのであるが、へたをすると本来歯学部へ行く人が医学部へ行ってしまうと、どのようなことが起きるのか。

今、歯科医療の質の担保を真面目に考えなければならないので、それと保険の料金表が妥当かどうか、そこのところが問われていると思う。

先ほど、インプラントが昭和51年通知にあった、欠損補綴に当たるかどうかだ。

(患者が希望した場合に限り、歯冠修復にあっては歯冠形成以降、欠損補綴にあっては補綴時診断以降を保険給付外の扱いとする)

インプラントの質をどうやって誰が担保するかだ。

何となく今は、市場というのか闇というのか、厚生労働省も何もデータをもっていない。

研究したり、政策提言をするベースとなる資料が何もないのだ。

私が感じるのは昨今の歯科大学の定員割れをどうするかだ。

これはゆゆしきことで、特に東京は総会資料にあったが、人口10万人対80.6施設だ。

全国が53.4施設であり、大阪でも61.6施設なのだ。

この東京問題をどう考えるかもあるかな、と思う。

歯科診療所の数が多いが、東京はお金持ちもいるし、お金がない人もいる。

東京の問題が露骨に出てきたのかを思われる。

松島会長

質の担保については、基準が難しい。

誰がどのように決めるかだが、日本では闇でお金が動いているようなことになりかねない。

保険診療でも一定の水準を設けようすれば、できないことはない。

自由診療だから質が良くで保険だから質がダメということではないと思う。

保険だっていい治療ができるが、今の点数の2倍、3倍いただかないと、ちゃんとした時間をとって治療ができないとことを訴えていくべきだ。

保険治療で医科では生活が成り立ち、歯科では成り立たない。

医科と歯科とどこがどのように違うのか、川渕先生にお話をうかがいたい。

川渕 教授

先ほどの中川先生の資料にもあったが、うちにも医学部と歯学部があるので医科と歯科の研究をしている。

やはり、医科と歯科の一番の違いは、歯科にも技術進歩はあるが、医科は技術進歩がすごい。

この4月からは高度なダビンチというロボット手術も前立腺がん全摘手術に保険で認められた。

熊本で講演したときには、どなたかが「あんなもの」と言っていたが91万円の点数が付いている。

がんの薬も外国からどんどん入れている。

余命いくばくもない人たちが2、3か月延命して、100万円とかの抗がん剤の薬剤費がかかるわけだ。

入れた方のロビー活動をほめるわけではないが、どこかで保険導入のための働きかけも必要なのかと思う。

全部保険に入れろという考え方もある。

前の総理大臣が強い社会保障と強い経済、税制改革と言っていた。

まさに、消費税を25%に上げて、北欧のように全部保険が利くという国もある。

先ほど、先生方に手を挙げてもらったが、先生方がどのような国の形にするかが問われてのかだ。

やはり大きな政府、小さな政府、あるいは公的な保険というものをベースにしていく国を是とするかだ。

あるいは、アメリカとまでは言わないが、そこそこの自助と公助がいくのかどうかだ。

社会保障と税の一体改革ではそこがまさに問われている。

どうなるかわからないが、医療経済学者に意見を求めることはしていない。

歯科に関しては、材料差額でずっときてきる。

医科と比べ、歯科は一連の診療行為のなかで、自費と保険の材料の混在があった。

保険導入のためには歯科の技術進歩が必要だと言われ、期待もされていが、インプラント以降はなかなか画期的な技術進歩はないように思われる。

また、保険に入れるとき、中川先生の話を聞くと渋いなと思うが、この渋いなというところは、費用対効果の分析となるのだが、私を含めあまりやっていないのか、そこのところが問題だと思う。

ダビンチが何で保険に入ったのか、やはり政治力なのかな、そこがよく分からない国の形だ。

前回の診療報酬改定では、歯科には600億円つけて、医科は400億円しかつけていない。

ふたをあけてみると、歯科には600億円つけて、400億円しか上がっていない。

医科は色々ガタガタ言っていたのに、1兆円医療費が増えている。

そうすると、点数をいじくるよりも、結局は医療の高度化とか、どんどん保険適用していけば、それは増えると思う。

もう一つ先生方言っていいのかどうか、調剤薬局が6兆円まできた。

それで技術料は3割しかない、で1.8倍をつけた。

私は10年前に日本の医薬分業について書いたが、薬局に1.8倍をつけたのはどうかと思う。

保険でのなかでは何か違うのではないかと思う。

自費と保険を分けることをフランスはやっている。

そのような国にするのか、あるいは公的保険をベースにするのか。

保険で低パフォーマンスでいくのか。

それで何でパフォーマンスをするのか。

前に抜髄の調査をしたが、治療の経験年数が長い人、臨床経験が多い人、これまでの症例数が多い人は、抜髄の数が少なかった。

ブリッジの数も少なかった。

やはり、10年選手、20年選手ということで、治療経験や症例数で低パフォーマンスをやってもいいのかなと私は思う。

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