東京歯科保険医協会の本年度第6回メディア懇談会

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どうなる東京の歯科医院—現状と課題
東京歯科保険医協会の本年度第6回メディア懇談会が1月18日同協会会議室で開かれた。
今回は、同協会の政策学習会での討議概要について、自民政権誕生後の「政策委員長代行談話」、昨年12月8日の東京都歯科技工士会の西澤会長講演内容、政治情勢と歯系議員の状況などの話題で懇談した。
政策学習会は昨年12月、15、16の両日、理事、部員を対象に東京・千代田区の庭のホテルで開催され、47名が参加した。
テーマは「どうなる東京の歯科医院—現状と課題」。
内容は1)大増税計画と歯科への影響、2)東京の歯科医療の現状をどう見るか、3)2025年問題、2012年診療報酬改定の影響、4)これから求められる訪問歯科診療。
政策学習会で冒頭、松島良次会長は「来年度方針の下地となる論議となるので積極的に議論していただくとともに、参加者同士で交流してほしい」と挨拶した。
若い会員とベテラン会員の共通認識として「将来の人口減により歯科治療の需要が"健常者型"から"高齢者型"へ移行し、う蝕治療が減少し歯周治療が増加する。そうした中長期的な疾病構造の変化に対応する」ことが求められている。
この認識のもとで、各テーマに沿って報告と質疑が行われた。
以下概要のまとめである。
○大増税計画と歯科への影響。
消費税増税が実行されれば、年収300万円の世帯が27万円負担増になり、500万円世帯が32.9 万円増になり、国民生活、とりわけ消費への影響は大きい。
このため歯科医療機関への影響は甚大となる。
また、このまま消費増税が進むと、医療機関の「損税」は倍増し、歯科医院の経営は厳しい状況となり、現状の医療は非課税の対応では根本的な解決はできず、「ゼロ税率」適用がぜひ必要との議論になった。
そのために国民への理解が必要であり、その方法としてポスター作りなどの案も出た。
○東京の歯科医療の現状をどう見るか
東京では2007年と2010年に歯科医院の廃止が開業を上回ったのは経済的な影響で予測できる。
経営の現状についは近年の推移をみるとどのデータも、収入が減少傾向をしており、経費を切り詰めている実態が明らかだ。
東京の歯科医院は過当競争となっているのが実状。
国民皆保険のもと低コストを強いられており、歯科医療への正当な報酬を得るために、歯科医療の大切さをもっと知らせていかないと国民から同意は得られない。
低医療費政策からの転換を図る必要があるが、医療の中での歯科の特殊性をどう考え、提起していくかが課題だ。
○2025年問題を考える
厚生労働省は医療・介護の機能を再編させ、高齢者を地域でみる戦略を持っている。
こうした問題に対して「維持管理型の歯科医療への転換、周術期や在宅診療に力を入れること、地域包括ケアの中に歯科を位置づけること、国民健康保険制度を守ることが必要である」とした。
http://www.mhlw.go.jp/shingi/2006/09/dl/s0927-8e.pdf#search='2025%E5%B9%B4%E5%95%8F%E9%A1%8C'
○2012年診療報酬改定から探る歯科医療の流れと対応
歯科では手術期や医科歯科連携、訪問歯科診療が重点項目とされた。
改定後の影響として同協会調べで保険点数は減少しているが、統計上では概ね増加しているのが特徴。
厚生労働省トップや日本歯科医師会の考え方、付帯決議を加藤社保部長が紹介した。
週に1人歯周病安定期治療(SPT)と歯科治療総合医療管理料(医管)を算定するだけで診療報酬がそれぞれ1.4% 引き上がる方策を提案した。
まず、受診率を引き上げることが必要。
そのためには有病者の全身状態を把握し、全身疾患を有した患者の歯科疾患を治す姿勢と能力が求められる。
全身疾患患者を医科との連携のもとで管理し歯科治療を行う医管については、施設基準の要件である連携先の確保が困難な状況にある。
その理由に医科の認識度が低いことが挙げられた。
また、団体としての連携支援や常勤歯科衛生士の確保、救急薬剤、その体制の確保の課題が出された。
歯周病治療後のSPTについては取り組みづらい理由とした、ルールが複雑な点があげられた、「中等度以上の歯周病を有する」との要件を遵守し、必要な患者に行うことが強調された。
○これから求められる訪問歯科診療
現状として、在宅歯科診療は全体の歯科診療点数の2.1%に過ぎない。
歯科治療が必要なのに受診につながっていない。
外来診療に比べ2倍の時間がかかる。
そこで患者ニーズの応える歯科医療へ転換をさせる必要があり、どの歯科医院でも訪問歯科診療を行える体制を築くことが課題である。
週に1回訪問歯科診療に出ること、まず待合室にポスターを掲げることを馬場地域部長が提起した。
訪問歯科診療に踏み出せない理由として、時間がないこと、要請がないことが挙げられた。
加えてリスク回避や治療範囲の判断の困難さが出た。
これに対して「治療範囲の明確化、緊急時対応の訓練、医科との連携の確保を行えばできる」とした。
「訪問歯科診療は有病者への治療という点では外来と同じ」「歯科の役割をパラダイムシフトできる機会(社会の規範や価値観が変わること)」と訪問歯科診療が発想の転換にもなるとの意見が出た。
また、2025年に向け、地域の高齢者を歯科医師として責務として診ていくべきだとの意見が出された。
以上、多くの課題が出され、今後の活動に生かしていくこととした。
 
団塊の世代が高齢者となる  

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