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ニュース

2009/09/11

医療関係団体・保険組合

多くの歯科医師がワーキング・プアに転落

日歯の代議員会地区代表事前質問(上)

 

医師・歯科医師所得の公正な所得確保を目指す

 

 日本歯科医師会の代議員会は9月10、11の両日開かれ、地区代表事前質問7題、個人個人質問41題が行われた。 個人質問の内訳は、中医協・診療報酬関係9題、医療保険・制度関係5題、地域保健・産業保健4題、歯科医師需給関係5題、学術・生涯研修・国際渉外関係2題、情報管理・税務関係1題、医療管理・税務関係6題、厚生・会員 関係1題、広報関係2題、その他6題であった。(代議員の敬称略)

<地区代表質問>

◎レセプトオンライン請求、特に義務化撤廃と代行請求について

北海道・東北地区代表:枡田教夫(福島県)

 

 第164回の東北地区金子代議員の「代行請求について」、「日歯は義務化撤廃・手挙げ方式を主張しているので、代行請求は考えていない」という答弁であった。あれから半年が過ぎ状況が変化してきた。 例えば、レセ電の確認試験等が開始されレセ電による請求も出た。また、日歯広報7月15日号の理事会報告に、レセプトオンライン検討委員会で代行業務について検討したと掲載されていた。日歯のこれまでの対応は、三師会による義務化撤廃の共同声明、連盟との連携による自民党への陳情・要望、レセックの開発等には敬意を表する。義務化撤廃(省令の改正)は、可能か。オンライン請求に対応できない会員への日歯の対応を問う。 民主党政権が誕生するが、政令の改正で義務化撤廃ができるのか。それとも手挙げ方式が可能か。これに対して近藤勝洪副会長は、「今後とも三師会と共同歩調で義務化撤廃、手挙げ方式を要望していく」とした。 また、政権与党となった民主党への働きかけも行う旨を述べた。

◎次期診療報酬改定に向けて

近畿北陸地区代表:吉田季彦(富山県)

 

 7月17日に発表された医療費の動向(年度版)によれば、平成20年度の歯科診療所の年間収入は3676万円(対前年+84万円)で、医科診療所の9443万円と比較して39%と圧倒的に少ない額である。歯科は平成8年4200万円超を記録した後、右肩下がりで、ついに平成19年度には3600万円を割り込んだ。連続のマイナス改定に加え、歯科医師増、齲蝕の軽症化にからむ1日当たり医療費の減少などの因子が複雑に関連するが、歯科医師所得の低落基調に、歯止めが効かない。 平成20年4月から歯科診療所1施設当たり医療費は+2・6%となったというものの、日歯がいう「業権確保」、「会員の生活を守る」が空しく響く。 最近、日本歯科医師会が監修する「歯科医療白書2008年版 — 持続可能な歯科医療社会を目指して」が刊行された。その中で、菊池隆俊氏が、「多くの歯科医師がワーキング・プアに転落していくことは、医療経済の実証的、理論的分析も十分に行われず、主として政治主導で診療報酬改定を押し進めざるを得なかった政府の失敗も指摘される。 経営安定のために、医療サービスの提供に必要な原価(適正利益を含む)を補償するという大原則、医師・歯科医師所得の公正な所得確保を目指すという診療報酬改定の基本的精神が守られていない」と述べているが、まさに至言である。 歯科大学の入学者の減少も深刻な問題であるが、歯科医療を支える歯科技工士専門学校の入学者の激減に対しても診療報酬改定において考慮していかなければ、歯科医療は崩壊の危機に瀕する。特に、歯冠修復・欠損補綴において、思い切った発想の転換が求められる。 次期診療報酬改定においては、技術料を中心に初診料、再診料の大幅な引き上げを図るとともに、情報提供用紙発行の削減等更なる事務の簡素化を図ることを要望する。

<記者の視点>

執行部の答弁は、初めから予測されている。日歯レベルでどうにもならない問題である。解決のカギは幾つかある。

1)中医協の解体

理由:医科、歯科格差を是正する意思表示が一度もない。

2)厚生労働省の問題点

低医療費政策の継続。特に歯科医療は軽視されている。また、ほとんど歯科医師は、信頼されていない。

理由:情報提供用紙発行等は、「歯科医師は、真面目にちゃんと診療をすべし! 監視している」ことを端的に表している。

3)診療報酬改定に関する日歯の戦略と将来展望

  日本歯科医師連盟の解体的出直しが先決。自民党が、何を歯科界のためにしてくれたのか?政治献金の効果の検証は、これまでしてきたのか?  参議院に職域代表議員がいない日医と職域代表議員いる日歯にどれほどの政治力や政治的影響力の差があったのか?肝心な基本的問題である医科、歯科格差の是正が政治的なテーマにならなかった、としか思われない。  同時に、歯科医師の業権確保と業権拡大に日歯は努めてこなかったことも、問題であった。

医科歯科通信記者

長年にわたり歯科界の動きをチェックし、鋭い視線で切り込みます。茨城県出身。(医科歯科通信)

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