既報のとおり、NPO法人歯科医療情報推進機構主催の第6回IDIシンポジウムが10月23日、東京・文京区湯島の東京医科歯科大学M&Dタワー鈴木章夫記念講堂で開かれた。
テーマは、あなたの健康のためのインプラント。
開催主旨は、安全・安心のインプラント治療を確保するため。
歯科医療の健全な発展の目指す、歯科医療情報推進機構ならではの企画であった。
第1部(10:00〜12:30)、第2部(13:30〜17:00)は行われた。
基調講演2 南 清和さん(大阪府開業)は、口腔のコントロールについて述べた。
咬合修復で再構成することを強調した。
夜間のブラキシズム(歯軋り)に言及したことで注目された。歯牙の咬耗、歯牙破折、修復物の破折、脱離、筋肉の緊張(偏頭痛、肩こり)、歯周病の進行、歯牙の動揺(歯周疾患との併発において)。
などにふれ、咬合を考えた修復治療の必要性を述べた。
また、インプラント、審美修復は基礎がためができてから行うことだと指摘した。
咬合修復治療の習得が重要と繰り返し述べた。
以下概要。
1)寝ている時には、昼間と比べると6倍以上・70kg/cm2の力が歯に加わる。
意識のある時は最大咬合力が12㎏/cm2である。
場合によると、10倍以上の力がかかる。歯軋りのために、骨より硬い歯の角が崩れたり歯が削れる。
一晩のブラキシズムの回数は90分(睡眠1サイクル)ごと5回、各8〜20秒と報告されている。
睡眠時は大脳皮質が抑制されるために筋の過緊張が起き、コントロールがされず、異常な咬合力が発揮される。
2)歯軋りで犬歯が他の歯に当たる。
セラメックは割れる。
3)眠っている時患者さんは、歯軋りには気がつかないので、歯がなぜ削れたり、折れたり、ぐらぐらするのかは知らない。
4)インプラント治療をする歯科医師も、歯軋りに重きが置かれてない。
ブラキシズムに対応しないインプラント治療が多い。それが現状だ。
患者さんが眠っているときの咬合に対応する。5)インプラント治療を成功に導くためにも、咬合修復のついて勉強すべきだ。
インプラントは縦には強い横揺れに弱い。
骨がなくなると維持がわるくなる。
横揺れで隙間ができればインプラントは抜ける。
インプラントは骨結合する言っても、歯槽骨減る。咬合の崩壊を防ぐためには、ナイトガードで対応する。
インプラント患者さんにはナイトガードが必須。
6)インプラントは歯科治療の一つのオプション。メンテナンスで咬合機能の回復(咬合の再構築)をする。
7)基本的に歯科治療後は、患者さんの自己責任だ。
どのような歯科医師を選ぶかだ。
場合によってはセカンドオピニオンも大切。
8)トラブルを回避するために、徹底的に説明する。患者さんもよく歯科医師に聞くべきだ。
9)耳鼻科、眼科と違い、歯科治療は上手、下手が分かってしまうものだ。歯科治療が終わったら、これからがスタートだ。そこで定期健診が大切だ。10)歯科医師は、患者さんに多くのことを与えられる。喜ばれることもできる。悲しいこともしてしまう。
患者さんの健康維持し、QOLの向上にも寄与する。
最後にマザーテレサの言葉を引用する。
スタッフにも理解してもらっている。
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