歯科分野に係る診療報酬改定に関するポイント -地域包括ケアシステム編(3)-

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歯科分野に係る診療報酬改定に関するポイント -地域包括ケアシステム編-(3)在宅歯科医療の推進
はじめに
前回の記事では、「周術期の口腔機能管理の推進」について紹介をした。
「院内感染防止対策」以外に「地域包括ケアシステムの構築の推進」のテーマの下、かかりつけ歯科医の機能の評価、周術期等の医師と歯科医師が連携して、患者の口腔機能を管理することでより良質な医療を提供することを目指し、患者と治療の幅を広げた改定内容だった。
今回は「在宅歯科医療の推進」がテーマである。
超高齢社会に伴い医療施設へ足を運べない患者の数が増加傾向にあるため、患者の元へ医師が出向く訪問診療の重要性は非常に高まることだろう。
【概要 -在宅歯科医療の推進-】
在宅歯科診療を推進する観点から在宅療養支援歯科診療所の役割を明確化、歯科訪問診療料の見直しを行い、口腔機能管理をより一層推進させることが目的である。
歯科訪問診療料/訪問歯科衛生指導料の見直し
在宅歯科医療費は、様々な面で改定が行われたが、その中でも特にポイントとなる3点を紹介する。
①診療時間が20分未満の場合にも所定点数の100分の70に相当する点数が算定される。
「現行」⇒「改定後」(具体的に記載)
②歯科訪問診療に歯科衛生士が同行し、歯科訪問診療の補助を行った場合の評価の充実
「現行」⇒「改定後」(具体的に記載)
③1人の患者に1対1で20分以上の指導を行った場合の評価とし、単一建物診療患者の人数に応じた区分を新設する。
「現行」⇒「改定後」(具体的に記載)
気になるQ&A
「歯科疾患の具体的な範囲って何?」

区分番号「B001-2」歯科衛生実地指導料について、対象疾患が「歯科疾患」となったが、傷病名が①「欠損歯(MT)」(有床義歯に係る治療のみを行っている場合)、②「顎関節症」、「歯ぎしり」のみの場合に算定できるか。

①②については、いずれも算定できない。 (平成30年度「疑義解釈資料」より引用)
「当該建築物って具体的に何?」

区分番号「C001」訪問歯科衛生指導料の留意事項通知(2)において、「当該建築物において訪問歯科衛生指導を行う患者数が、当該建築物の戸数の 10%以下の場合又は当該建築物の戸数が20戸未満であって、訪問歯科衛生指導を行う患者が2人以下の場合には、それぞれ「単一建物診療患者が1人の場合」を算定すること」とあるが、「当該建築物」とはどのような建物が対象となるのか。

次に掲げる施設を除く集合住宅等が対象となる。
・養護老人ホーム
・軽費老人ホーム(「軽費老人ホームの設備及び運営に関する基準」(平成20年厚生労働省令第107号)附則第2条第1号に規定する軽費老人ホームA型に限る)
・特別養護老人ホーム
・有料老人ホーム
・高齢者の居住の安定確保に関する法律(平成13年4月6日法律第 26号)第5条第1項に規定するサービス付き高齢者向け住宅 ・認知症対応型共同生活介護事業所)
・介護老人保健施設
・介護医療院
・短期入所生活介護、介護予防短期入所生活介護
(平成30年度「疑義解釈資料」より引用)
まとめ
地域包括ケアシステムの構築の推進により、医科歯科連携も強化され、患者が住む周辺地域自体を歯科診療所と捉えることで診療の幅を広げる改定がされた。訪問診療に関してもこれまでよりも、クリニックにとって施術しやすい点数改定が実施された。
それに伴い、訪問診療を積極的に実施し始めるクリニックの数が増えることは間違いないだろう。
そこで重要になってくるのが可搬式歯科用ユニットである。今後は歯科衛生士の単独での訪問も多くなってくるため、女性でも持ち運びやすく機能面に優れた可搬式歯科用ユニットを所持することは、良質な医療の提供、スタッフの負担軽減という面においても必須になることだろう。
今回の改定に対して柔軟に対応するクリニックは自ずと生活者にとって優しいクリニックになると考えられる。歯科を通して生活者の健康に携わるクリニックが1軒でも多くなり、歯科の重要性がより一層浸透することに期待している。
Dentwave.com編集部
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