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2019年2月17日（日）、「【噛む】から診る予防式　～口腔周囲筋ケア～（主催：デンタルサポート株式会社）がTKP東京駅八重洲カンファレンスセンターで開催された。当日の参加者は126名（懇親会の参加者は約60名）で会場は盛況であった。

　近年、訪問歯科診療だけではなく、外来歯科や介護予防においてもオーラルフレイル予防の必要性が高まっていると共に「口腔機能低下症」に関する保健指導や歯周治療の分野における口腔周囲筋のケア方法の知識をいち早く習得することが今後、歯科衛生士としての活躍の幅を広げることになる。

　実は独学で学びながらご自身で創られた造語という“口腔周囲筋ケア”。「とても大切な患者やご家族を思い浮かべながら今回の内容を聞いていただくと学びやきっかけの発見などにつながるのではないか。」と高見澤氏は語る。

高見澤氏は、口腔周囲筋ケア専門の歯科衛生士として山梨の歯科医院を主体に東京都では自由診療の歯科医院に勤務している。エステティシャンの資格も保有していることからエステティックサロンでは栄養指導から口腔ケアという幅広い範囲で栄養の摂取には口の中も大切というアプローチ視点から歯科への意識づけなども行っている。
　最初はデンタルエステから着手していたが、予防歯科と一緒にマッサージを行っていた。
　定期メンテナンスに通っている患者から歯科医院に電話があり、自己管理が悪く歯が割れてしまったことを謝っていた。その際、「私のような患者が増えないようにケアを考えてもらって良いですか」と言われ、口腔周囲筋ケアに取り始めた契機となっている。

口腔周囲筋は、咀嚼・嚥下・発音・表情、食べる・飲み込む・話す・笑うという行動を司る筋肉であり、いずれも健康的に生きるためには欠かせない。
　口腔周囲筋ケアは患者の来院時の全体的な姿勢を観察し、組織と全身の各要因を結びつけ、患者の背景を知ることから口腔周囲筋ケアの第一段階としての“気づき”となる。患者の背景に応じて高見澤氏は独自の問診票を基に話すかたちで対応している。
　口腔周囲筋ケアは、施術として全く同じことを行うが、目的や相手によってゴールが変わってくる点が非常に興味深い。患者とのより良いコミュニケーションツールにもなり得るであろう。

歯周病治療と全身疾患との深い関係が解明され、健康寿命延伸のためにも歯科疾患の予防にかかわる歯科衛生士の役割は非常に重要になってくる。そのような現状を踏まえ、歯科疾患の予防にかかわる歯科衛生士が口腔周囲筋ケアの方法と基礎知識を学ぶ機会として、セミナー開催に至った。

　参加者からは「口腔周囲筋についてあらためて学びたくなった」「高見澤先生は歯科衛生士の新たな業務分野のパイオニアだと感じた」など多くの声があがった。
　次回、大阪での開催も決定した。歯科衛生士としてのあらたな可能性を広げるためにも受講をお薦めしたい。

セミナー終了後には、講師の高見澤さんを交えての懇親会も行われ、約60名の歯科衛生士が交流する機会となった。デンタルサポート株式会社は、歯科衛生士による、歯科衛生士のためのスタディグループ「D＋（ディープラス）」の発足を発表した。

　主な活動としては2～3ヵ月に一度、各地のメンバーが集まりやすい場所で勉強会を開催予定である。座学だけではなく、メーカー見学会など、愉しみながら学べる機会を設けていくだけでなく、相談ができる仲間づくりと、歯科衛生士の仕事から離れていた方気軽に参加できる環境を提供することも発足の目的となる。
　口は体の起点だから口が元気にならないと身体が元気にならない。笑顔と健康を創る仕事に携わる歯科衛生士だからできることがあるのではなかろうか。

　関心を抱いた人は、事務局担当 石田氏（TEL：080-8475-5616、 E-mail：y.ishida@dentalsupport.co.jp）まで問い合わせてみると良いであろう。