歯科学研究所主催のインプラント部会第4回学術集会(守口憲三学術集会長)が7月5日、東京駅に隣接する東京ステーションコンファレンス5階会議室で開かれ、会員約80名を含む110名余が参加した。
特別なものではなく、欠損補綴の第一選択肢になるつつある」として、現状の対応するために、十分な研修を積み重ね、最新の知見を踏まえながら、それを患者にいつでも提供できる技術を習得する必要がある」と挨拶でのべた。
なお、第1回東京国際フォーラム(2006年)、第2回大阪ライフサイエンス(2007年)、第3回東京ステーションコンファレンス(2008年)で開催。
これまで、イエテボリ大学口腔顔面外科学Karl Erik Kahnberg教授、アイオワ大学ダウンズ歯科研究所Clark Stanford教授 、ペンシルバニア大学歯周学講座Joseph Fiorellini教授など海外から招待演者が講演してきた。
今回は、スペインのFernado Rojas准教授が講演した。
准教授は、「多数歯欠損症例における、乳頭作成のノウハウ」を開示した。
アストラテックインプラントの利点に基づく、複雑な上顎フルの即時埋入、即時過重治療のガイドラインと術式を紹介した。
この術式では、可能な限り移植を避け、治療計画を簡素化するために、審美ゾーンの最根尖頬側骨レベルを症例分析と治療計画立案のリファレンスポイントとして使用する、とした。
後日、講演要旨は記載する。
また、教育講演「前歯分インプラントの成功の鍵」大山高太郎氏、依頼講演3題やコメディカルセッション「インプラント患者のおもてなし」「インプラントのお作法」が伊藤正夫歯科学研究所所長により行われた。
伊藤所長は、インプラント患者を大よそ分析した。
1)多くの患者が、老年である、2)その7割が女性である、3)高い治療費であるので、自己投資意欲の旺勢な人たちである、4)別のタイプのインプラント患者は、口に対するコンプレックスを持っている、などのプロファイルをまとめた。
さらにインプラント患者の気分にふれた。
1)治療を決めるときは、気分が期待で高揚する、2)手術が近づくと逃げたくなる、3)手術が終わると安心して、気持ちは安定する、4)期待期間中はテックが取れたり、テックから将来のインプラントの姿を想像する、5)テックの入れ歯の不自由の気分を呪ったりして、総じていい気分ではない、6)補綴を作り始めるとまた気分が高揚する、いつ出来るかを楽しみにする、7)出来上がった最終補綴物がセットされると違和感があったり、見栄えが気に入らなかったりしてなじまない。そうするとがっかりする、8)慣れてくるにつれ、違和感が解消するが、不器用な人はまったく慣れることなく、クレームに終始する。
以上がインプラント患者の気分と指摘した。
では、どのように対応すべきか?
おもてなし、とは「心」のことである。
相手は「人」であるので、この「人」は、インプランに対する、期待感が著しく高い。
「共感」をさしあげるのが、おもてなしである、と伊藤所長は強調した。
トラブルが起こらないためにも、普段からのおもてなし(誠意)が不可欠である、と述べた。
深い「共感」があれば、トラブルが起きても許してもらえるかもしれないからである。
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