カボデンタル システムズ ジャパン株式会社主催 「支台歯形成の基本~早く、上手に形成するには~」

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▲小林賢一先生によるセミナーの様子
ハンズオンコース「支台歯形成の基本~早く、上手に形成するには~」
2月9日(土)~10日(日)の二日間、品川のKaVo東京セミナールームにおいて、ハンズオンコース「支台歯形成の基本~早く、上手に形成するには~」が開催された。
当日のハンズオンコース参加者は歯科医師12名で、満席だった。講師は小林賢一先生(東京医科歯科大学歯学部附属病院高齢者歯科学分野 講師)で、講義やデモを通じ、早く、上手に支台歯を形成するための勘所を述べていた。
ハンズオンコースのアウトライン
▲小林賢一先生による支台歯形成のデモ
(1日目)
・支台歯形成の基本事項
・支台歯と歯周組織の関係
・エビデンスに基づいた支台歯形成
・上顎中切歯支台歯形成デモ

(2日目)
・支台歯形成の実際
・実習(上顎中切歯)
全ての内容を紹介することは難しいため、本記事では、上顎中切歯の支台歯形成におけるタービン固定のポイントと、実際にハンズオンコースに参加した自身の感想を紹介する。
 「支台歯形成が早く出来ない」、「形成軸が振れてしまう」、「支台歯形成のコツを知りたい」と悩む読者の参考になれば、幸いである。
▲実習ではファントムを使用し、前歯部の支台歯形成を行った
上顎中切歯の支台歯形成時のタービン固定における3つのポイント
1.親指・人差し指・中指の3指の位置
 タービンを持つ際に、指に力を入れてはいけない。軽く支えるだけである。例えば、中指が深く入るように把持をすると、人差し指に力が入り過ぎてしまう。親指・人差し指・中指の3本の指は、前後的に同じ位置に置き、人差し指は軽く添える程度が適切である。
2.薬指によるフィンガーレスト
 上顎中切歯の支台歯形成を行う際に、犬歯・小臼歯付近にレストを置く。レストの位置が遠いと、軸の振れが大きくなり、軸移動の精度が低下する。
3.左手による固定
 精密な軸移動をするために、両手を使って形成する。上顎中切歯の支台歯形成時は、左手の人差し指をタービンヘッドに軽く添えて形成すると、軸が安定する。
上記3点に留意することは、支台歯を早く、上手に形成するために重要である。より詳しく知りたいという方は、小林賢一先生のハンズオンコースに参加し、聴いていただきたい。
▲実習中はインストラクターによる丁寧な指導が受けられた
感想:「固定」を意識することが、支台歯形成上達の鍵
まず、私自身の支台歯形成の経験を述べると、数回形成した程度である。そのため、支台歯形成は苦手という認識の方が強いかもしれない。しかし、ハンズオンコースで習ったポイントを意識して形成を行うと、軸移動が普段より安定していたのを感じた。
実習中は複数名のインストラクターが各参加者の支台歯形成をチェックし、助言やデモをしてくれた。練習を重ねるにつれて、支台歯形成の技術は、格段に上達していった。
最終的に、1日の実習で7本の人工歯を削ったが、7本目を削る頃には早く、上手に形成することができるようになっていた。インストラクターの的確な助言や、タービン固定を強く意識して形成したことが、その理由として考察される。
「支台歯形成は固定が大事」。小林賢一先生は支台歯形成に対する想いを語った。実際に、ハンズオンコースに参加し、タービンの固定が非常に大切であることを、強く認識した。
今回のハンズオンコースへの参加は、大学で習うことのなかった支台歯形成の勘所を知る貴重な機会となった。支台歯形成の勘所を知ることにより、支台歯形成に幾分の自信がついたのは間違いない。
支台歯形成の技術に幾ばくかの不安を抱いていれば、小林賢一先生の支台歯形成ハンズオンコースにぜひ一度参加してみることをお勧めする。
*カボデンタル システムズ ジャパン主催でのハンズオンコースは今回を以て終了。
古川 雄亮(ふるかわ ゆうすけ)
  • 日本矯正歯科学会 所属

東北大学歯学部卒業後、九州大学大学院歯学府博士課程歯科矯正学分野および博士課程リーディングプログラム九州大学決断科学大学院プログラム修了。歯科医師(歯学博士)。バングラデシュやカンボジアにおいて国際歯科研究に従事。2018年より、ボリビアのコチャバンバで外来・訪問歯科診療に携わり、7月から株式会社メディカルネットに所属。主に、DentWaveやDentalTribuneなどのポータルサイトにおける記事製作に携わり、現在に至る。

         

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