日々の臨床に『思い込み』はないか? 情報のアップデートが日々必要な理由

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日常臨床で見られる5つの思い込み
  • ・世界にも類を見ない急速に進む高齢化
  • ・病因論の解明
  • ・エビデンスの蓄積
  • ・技術革新
などにより、種々の情報が目まぐるしく更新されている。
歯科医療従事者はつねにこれら情報をアップデートし、目の前の患者や社会が求める歯科医療像に合わせて、提供する歯科医療や歯科医院の体制を変化させていく必要があるが、臨床に追われる毎日のなかで情報をアップデートし続けていくことは難しく、また「変化・変革」には大きな決意と覚悟が必要であることから、現実は「このままで大丈夫」という「思い込み」から「現状維持」を無意識で選択してしまうことが多いことも否定できない。
事実、歯科医療の現場では次の5つの「思い込み」が生じやすく、注意が必要である。
  • 1.パラダイムシフトが起きた、考えが変化したことを『知らない』ことによる思い込み
  • 2.情報が不足(蓄積、年数の不足)していることに起因する思い込み
  • 3.一部の意見(考えかた)を偏重する極端な思い込み
  • 4.見た目、印象、イメージからの思い込み
  • 5.過去の経験や失敗からの思い込み
図1
たとえば「4.見た目、印象、イメージからの思い込み」の典型として、「歯科はコンビニよりも多い」「これからは歯科医師窩状で厳しくなる」という思い込みがある。しかし実際は、人口1,000人あたりの歯科医師数はOECD加盟35か国で13位であり、先進国では極端に多いというわけではない(図1)。また、歯科医師の高齢化が始まっており(図2)、若い歯科医師にはチャンスが広がっているという見かたもできる。このように客観的なデータなどを精査していくと、「当然」と思っていたことが大きく変化しており、「思い込み」になっていることがあることに注意したい。
図1 人口1 ,000人あたりの歯科医師数(OECD加盟国)。日本の歯科医師数は13位であった。WHOホームページGlobal Health Observatory data repository(Last updated: 2018-04-05)より作成。各国データは2000年~2016年の調査による。

図2 年齢階級別にみた診療所に従事する歯科医師数および平均年齢の年次推移。厚生労働省「平成26年医師・歯科医師・薬剤師調査(結果の概要)より引用。
大きく進化した「歯周病の分類」
今後、「1.パラダイムシフトが起きた、考えが変化したことを『知らない』ことによる思い込み」を引き起こすかもしれない大きなパラダイムシフトが「歯周病の分類」において起こっていることをご存知だろうか? 2017年11月に開催されたアメリカ歯周病学会(AAP)とヨーロッパ歯周病学会(EFP)共催ワークショップ「the workshop onthe classification of periodontal and peri-implant diseases and conditions」において、1999年に作成された歯周病の分類のアップデートのための議論が行われた。その結果、1999年に定められた分類は歯周炎を侵襲性歯周炎と慢性歯周炎に大きく2つに分けるものであったが、新分類ではこれらの分類は廃止され、1つの歯周炎としてまとめられた上で(図3)、「ステージ」と「グレード」という、腫瘍や線維症といった慢性疾患でしばしば用いられる診断のフレームワークが導入されたのである。
具体的には、歯周炎は重症度により4つのステージ(ステージ1がもっとも軽症、ステージ4がもっとも重症)に(表1)、リスクと進行度は3つのグレード(グレードAがもっとも低いリスク、グレードCがもっとも高いリスク)に分けられ、さらにグレードでは喫煙などのリスクファクターや糖尿病などの併発疾患が勘案されることとなった(表2)。これにより、歯周病の診断のしかたも大きく変化することとなる(図4)。
図3 1999年の分類と2018年の分類の違い。

表1 歯周炎のステージ。Key Criteriaは歯間部のもっとも大きなCALであり、次に歯間部のレントゲン的な骨吸収である。

表2 歯周炎のグレード。まずはグレードBを基本とし、AもしくはCとなる証拠(直接的・間接的)を検討する。

図4 ステージおよびグレード診断の3ステップ。
サイエンスやエビデンスの蓄積、そして社会の変化に伴い、歯科医療は常に動いているものである。情報をアップデートすることの意味は、すなわちニーズに即した医療を提供することにほかならない。「あれは今、どうなっているのだろうか?」――日々当たり前と思っていることに再び光を当ててみることが、情報アップデートの第一歩なのだろう。
歯科臨床の羅針盤2

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本書には、上記5つの「思い込み」の例として、下記の記事を掲載しています。

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