許せなかった患者の言動

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みなさん、こんにちは。そろそろ定期検診に行かねばならないルーキー片岡です。

今回、私が気になったのは「患者とのトラブル」です。

コンビニエンスストア、飲食店、ホテル、アミューズメントパークなど世の中には多くのサービスがあり、そこには必ずサービスを提供する側とされる側が存在します。
そして、どんなサービスにおいても必ず何かしらのクレームやトラブルが発生してしまいます。私も学生時代にしていたアルバイトで、何度もクレームを受けたものです。
クレームやトラブルは精神的に大きな負荷がかかり、不快な気持ちになりますよね。

では、歯科医師や歯科衛生士という職業ではどのようなトラブルがあるのでしょうか?
近距離で患者と接する時間が長く、患者の口腔内に触れる非常にデリケートな職業だと思いますので、想像もしないようなトラブルが発生するはずではないのでしょうか。

そこで今回は「許せなかった患者の言動」というテーマを基に、Dentwave.com会員の皆さまから実際にあった患者とのトラブルエピソードを募集しました。

早速、みなさんが経験した壮絶のエピソードを見ていきましょう!
許せなかった患者の言動 ~ 壮絶のエピソード ~
『プロを見下す 自称高学歴理系女子』
その方は20代後半の女性の患者でした。広範囲の虫歯でコンポジットレジンでは強度が不安なため「保険の金属か、白い方が良ければハイブリッドセラミックかセラミックもありますよ」と話しました。
するとその女性は突然怒り出したのです。「確かに金属は嫌ですけど、あなたは保険の効かないものを売り込んで儲けようとしているだけなんじゃないの?!私は有名な大学院の工学部を卒業して、博士号も持っているからコンポジットレジンで大丈夫だと思うわ!だから保険のコンポジットレジンでやって頂戴!」とものすごい剣幕で私を睨みつけたのです。
「私は歯科理工学の歯学博士ですので、あなたよりも歯科材料について詳しいですよ」と言いたくなりましたが、あまりにも馬鹿にされた態度だったので渋々患者の言うままに治療しました。
(40代/男性歯科医師)

『治療の舵は俺が切る!自分都合の困り者』
インプラント治療後にメインテナンスにほとんど来なかった患者の話です。メインテナンスを怠り続け、アバットメントも壊れたので治療をやり直そうという話をしました。
すると「俺の歯なんだから俺が計画を立てる!お前は俺の言う通りにすればいいんだよ!」と言い出しました。「あなたは専門家じゃないですし、上手くいかない治療を行うことはできません」と告げました。すると「じゃあ今後の治療は写真に撮って俺に渡せ!今後、歯科医師を含めた調査委員会を立ち上げるから、壊れた部品を全部俺に渡せ!工学試験を実施してやる!」とそのまま部品を持って帰ると言うのです。
「そこまで信用できない人に自分の歯を触らせることに不安はないのですか?」と尋ねると「お前がやったものはお前が治せ!」と会話にすらなりません。
埒が明かないので弁護士に介入してもらったところ、その患者は二度と来なくなりました。
(50代/男性歯科医師)

『院内では俺が1番だ!クリニック弁慶参上』
とある一流企業の部長の話です。その患者はいつも予約通りに来院しません。その日も予約をせずに受付に怒鳴り込んできました。「さっき電話で予約したんだからすぐにやれ!俺は忙しいんだから他の患者を後回しにして俺を先にやればいいんだよ!待たせるなんて予約した意味がないだろう‼︎」と怒声を上げていました。予約を受けていないことを伝えると「電話に出たヤツを出せ!ふざけるな!俺を誰だと思っているんだ!?大学の偉い教授にたくさん知り合いがいるからこんな病院、簡単に潰すことできるんだぞ!」と脅しをかけてきました。
そんな怒声が院内に響く中、私はある患者の治療をしていました。その患者の治療が終わり、受付で怒声男とその患者が鉢合わせしました。すると急にその怒声男の顔は真っ青になっていきました。そして「社長、お迎えにあがりました!」と頭を下げて、治療もせずに一緒に帰っていきました。
なんと私が治療していたのは、その怒声男の会社の社長だったのです。
後日、全て聞いていた社長が謝りに来てくださり、今では笑い話となっています。
今でもその患者はアポ無しでやって来ますが騒ぐことはなくなりました。
(50代/男性歯科医師)

『なぜミスを認められない?急患対応での出来事』
「この前作った差し歯がもう取れてしまった!どうしてくれるんだ!」
約4ヶ月通院してくれていた60代後半の男性患者から電話が来ました。どうやら無事終わった筈の上顎前歯の差し歯が取れてしまったようです。生憎、その日は予約が一杯でしたが、何とか時間をとって来院してもらうことにしました。
来院後、まずはしっかりと謝罪をし、取れてしまった歯を見せてもらうことにしました。
「これだよ!この前入れたばっかりなのに何で取れるんだ!?」と取れた歯を片手に憤怒されていました。患者が持っている歯を見るとかなり傷んでいました。
(新製した物がこんなに傷むかな...?)と疑念を抱きつつも念のため口の中を確認しました。
口の中を見て私は驚きました。なんと取れた歯は当院作製の歯ではなく、その隣の歯だったのです。
すぐに事情を説明すると、患者はバツが悪いのか怒りが収まる様子はありません。
「間違えたから謝ればいいんだろ?!」と喧嘩腰な態度でさらに挑発してきました。
何とかやり繰りして時間を割いて急患対応し、患者の思い違いであるにも関わらず、怒って帰ってしまうなんて。やり切れない思いでこの日を終えました。
(50代/男性歯科医師)

『どこまでがボケなの?責め辛い高齢患者』
あるご高齢の患者とのトラブルです。
「次回の保険の入れ歯セットはいつもよりも費用が高くなります」と事前に次回来院時の費用について伝えていました。それにも関わらず精算をすると「今日10円しか持ってへんわ」と言われました。腹が立ちましたがその場は感情を抑えました。
「では、午後にお金を持って来てくださいね」と言って帰らせましたが、その日は戻って来ることはありませんでした。次の日もその次の日も戻って来ず、しびれを切らして電話をかけました。すると電話口から「現在、この電話番号は使われておりません」とアナウンスが流れたのです。驚くことに嘘の電話番号を教えられていたのです。幸いにも住所は国民保険証で控えていたので、家に取り立てに行くことができました。
家から出てくると「何の御用ですか?」としらばっくれる往生際の悪さ。口元には私が施術してあげた入れ歯がしっかりと装着されているのに。
「入れ歯のお金を取りにきました」と言い、ようやく治療費を回収することができました。その後、治療の続きをお願いされましたがお断りしました。
私が女医だからなめられたのでしょうか。今でも腹が立ちます。
(40代/女性歯科医師)

他にも多くの方からエピソードが寄せられましたが、大半が傲慢な態度や時間を守らない患者に困らされたというものでした。

最近はホスピタリティ精神の高い歯科医院が増えてきており、生活者からすると有難いことですが、それを逆手に偉そうな態度で胡坐を組むことは間違っていますね。
気持ち良く治療を進めるためには、患者の在り方も大切なのではないでしょうか?

次回は『許せなかったスタッフの言動』というテーマでエピソードを紹介します。
患者とは違った苦労話をきっとみなさんお持ちのはずです。
次回の『本音に迫る!歯科ネタ情報局』もお楽しみに!

DentResearch調べ
調査日時:2018年10月24日
調査人数:93名 (Dentwave会員 歯科医師・歯科衛生士)
本音に迫る!歯科ネタ情報局:ルーキー片岡の歯科業界ここが知りたい!
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