第9回:最近のコンポジットレジン

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近年発売されたコンポジットレジンは、多くのものが審美性やナノテクノロジーの応用を謳っている。このことは、10月13日〜15日にパシフィコ横浜で開催されたワールドデンタルショーを見て実感した。充填修復用コンポジットレジンについていえば、その謳い文句はおよそ次のようである。(シェード数の順で記載、カッコ内はフィラーの概要) ・ナノフィラー・ナノクラスターと独自のレジンシステムの融合によるナノテクノロジーから生まれた、審美性・強度・表面滑沢性・光沢持続性の優れたコンポジットレジン。光屈折率をコントロールする新技術により多種の透明度を自在に再現でき、一層でも、積層充填でも天然歯のような審美修復が可能(フィルテックシュープリーム、11色)。(20〜75ナノメートル(nm)のシリカナノフィラー、5〜20 nmのジルコニア/シリカナノフィラーおよびそれらの集合体である0.6〜1.4マイクロメートルのナノクラスター) ・歯質に近似した透過性と光拡散性を付与することで、簡便な充填操作でより高い審美修復が可能(クリアフィルマジェスティ、16色)。(有機複合フィラー、ガラスフィラー、シリカ系マイクロフィラー) ・独自のフィラーコントロールテクノロジーでつくった、均一なサブミクロン球状フィラーをベースに天然歯に近いものを目指したコンポジットレジン。単に天然歯と色調が合っているだけでなく、天然歯特有の光散乱性、透過性、反射性、蛍光性、磨耗特性を再現(エステライトシグマ、18色)。(屈折率の異なる数種類の0.2マイクロメートルの粒径が揃った球状シリカ/ジルコニアフィラー) ・透明性の異なるペーストを積層築盛することで、天然歯のような自然観あふれる美しさの再現を可能にしている光重合型審美修復用コンポジットレジン(グラディアダイレクト、27色)。(活性MFRフィラー) ・最先端技術のナノテクノロジーにより生まれた、ハイブリッドレジンの操作性・強度とマイクロフィルレジンの審美持続性を兼ね備えたコンポジットレジン(プレミス、30+11色)。(重合したコンポジットレジンの粉砕微粉末、0.4マイクロメートルのガラスフィラー、20 nmのシリカフィラー) ・天然歯の透明性、不透明性、蛍光性、明度等の特性を再現できるように設計され、美しい透明性と光沢を創造可能な超審美性光重合型修復用ダイレクトコンポジットレジン。ナノテクノロジーとマイクロハイブリッドの融合により優れた耐摩耗性、強度、研磨性、表面滑沢性を示す(4−シーズンズ、40色)。(約1マイクロメートルのバリウムガラス、バリウムーアルミニウムフルオロシリケートガラス、高分散シリカ、イッテルビウムトリフルオライド) 全般的にながめてみると、モノマーの種類は従来とほとんど同じようであり、フィラーの工夫とシェードを増やすことにより審美性を高めているといえる。フィラーでは、これまではシリカの超微細フィラーとして高温の気相で製造されるフュームドシリカがおもに利用されていたが、液相でゾルゲル法により製造される粒径20 nmなどのシリカナノフィラーの利用が増えているようである。 製品のなかには、“対合歯にやさしい”を謳ったものがある。筆者はかねてからフィラーの多いコンポジットレジン修復で“対合歯は減らないだろうか”という疑問を持っており、審美性よりもこの方に関心がある。天然歯は最大限保存すべきであり、レジンは磨耗すれば再修復すればよいのである。そのためコンポジットレジンはエナメル質よりやや磨耗しやすい方がよい。さらにいえば、歯の硬さも個人差があると思われるので、色調合わせには複数のシェードが用意されているように、磨耗性に関しても複数のグレードがあってもよいのではとさえ思っている。 シェードが多い製品は健康保険適用外となっているが、自費診療によるコンポジットレジン審美修復が今後どれだけ受け入れられていくのか興味あるところである。
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