“コロナ舌”-口腔内症状に注意を払うよう歯科医師に要請

“コロナ舌”-口腔内症状に注意を払うよう歯科医師に要請

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ライプツィヒ(ドイツ):新型コロナウイルスに関する新たな発見は、その命名法を凌駕しています。多くの新型コロナウイルス患者が口腔内で、この病気の典型的な兆候としてまだ認識されていない症状を口腔内で経験していることを示唆する研究が浮上しています。
地図状舌(“コロナ舌”と呼ばれている)は、ヘルペス病変や口腔内無水性潰瘍と同様に新型コロナウイルス患者で観察されています。

世界保健機関(WHO)のガイダンスでは、新型コロナウイルスの最も一般的な3つの症状として、発熱、乾いた咳、疲労感が挙げられています。口腔は味覚や嗅覚の喪失など、公衆衛生機関が注意するよう勧告している追加症状のいくつかに関与していますが、現状ではそれ以外の口腔症状については言及されていません。

キングス・カレッジ・ロンドンの遺伝疫学教授ティム・スペクター博士は、地図状舌など口の中に現れる新型コロナウイルスの症状に注目しています。スペクター氏は、コロナ舌のような「奇妙な症状」に悩まされている人は、保健当局が提供する公式リストに含まれていなくても、家にいるべきだと述べています。スペクター氏は1月に次のようにツイートしています。「コロナを持つ5人に1人は、公式の[パブリックヘルスイングランド]リストには載っていない、皮膚の発疹のようなあまり一般的ではない症状をまだ呈しています。」彼はコロナ舌や他の奇妙な口内炎の例の増加を見ていると述べました。「奇妙な症状があったり頭痛や倦怠感がある場合は自宅で過ごすようにしましょう」と彼は強調しました。

“「コロナを持つ5人に1人は、公式のリストには載っていない一般的ではない症状を呈しています。」キングス・カレッジ・ロンドン、ティム・スペクター博士より”

1月、スペクターのTwitterフィードには、一般人から投稿されたコロナ舌の疑いがある画像が多数投稿されていました。1月27日には、長期的に新型コロナウイルスの影響を受けていた32歳の男性の舌の画像をシェアしています。舌には巨舌と縁の鱗片化が見られ、スペクター氏は専門家が原因を特定できなかったことを指摘しました。ロンドンのコンサルタント矯正歯科医であるルーシー・ダベンポート・ジョーンズ博士は、スペクター氏のツイートに返信し、口腔内の無菌性潰瘍が一般的な愁訴として浮上していることを確認しています。

ユーザーが(現在は400万人以上)ウイルスに関するデータを投稿できるモバイルアプリケーション「COVID Symptom Study」の主席研究者であるスペクター氏は、新型コロナウイルスの少なくとも20の症状が一般的には考慮されていないといいます。彼によると、35%の人が最も感染力が強い最初の3日間に非古典的な症状を呈していると言及しました。

歯医者さんから見た新型コロナウイルスとは

イランの研究者らは、17件の研究のレビューで口腔内への影響を調べました。その結果、9歳から90歳までの170人の患者に口腔症状が認められました。最も多かったのは口腔乾燥(75例報告されている)で、次いで嚥下障害(71例)、カンジダ症(67例)でした。カンジダ症が確認された67例のうち55例で真菌感染が確認されています。舌の感覚の変化は48例で報告され、そのうち28例には潰瘍部の疼痛が認められました。咀嚼時の筋肉痛は15例で報告され、口腔内の腫脹は10例でした。この研究によると、舌の感覚の変化は口蓋の腫れやカンジダ症の変化と強く相関している事が分かります。

著者らは、単純ヘルペスウイルスの再発6例を確認し、2例は舌に、4例は口蓋硬口蓋に再発しました。「4人の患者は多形紅斑様の発疹を発症し、そのうち3人は口蓋黄斑と点状疱疹、1人は内唇粘膜に3つの水疱を認めた。侵食、紅斑、潰瘍、壊死性潰瘍性歯周炎、無水症様病変も単発例で認められた。」と研究は読んでいます。

口腔症状の発現は170例中95例で詳細に調べられ、全身症状の発現から口腔症状の発現までの期間は平均7.21日でした。後者の発症は全身症状後10日から42日まで様々であった事が分かっています。

「口腔内症状は発熱や無気力症などの全身症状の後に現れることが多いですが、それでも新型コロナウイルスの初期症状であったり、唯一の徴候であったりすることがあります。したがって新型コロナウイルス陽性の患者はもちろん、歯科治療を必要とする全ての患者に対しても同様に、慎重な臨床口腔内検査を徹底的且つ体系的に実施し、欠落している部分がないことを確認し、更なる臨床データを得ることが必要でこれが更なる研究への道を開く可能性があります。」と著者らは結論付けています。

“「これらの口腔症状は新型コロナウイルスの唯一の徴候である可能性があり、また、一般的な症状の前に現れる可能性があることを言及する価値があります」桂蘭医療科学大学ペガ・ホッセインザデ博士より”

対応する著者であるイランのギラン医科大学歯学部の矯正歯科の大学院研修医であるペガ・ホッセインザデ博士は、歯科医が口腔内に新型コロナウイルスの症状がないかチェックすることが重要であるとデンタル・トリビューン・インターナショナルに語りました。

彼女は「確かに症状、特に口腔内症状を認識することは、新型コロナウイルス患者を特定し、管理するためには重要ですが、歯科医師や他の歯科患者を保護するためにも重要です。このため、歯科医師は粘膜新型コロナウイルスの症状に関する最新の研究や知識を常に把握しておかなければなりません。慎重な臨床口腔内検査は、全ての訪問で他の歯科治療の前に行われなければなりません。」と説明しました。

ホッセインザデ氏によると、今回の研究では口腔内の新型コロナウイルスの症状が多因子性であることが示されています。しかし、免疫システムが重要な役割を果たしていることは確かだと付け加えました。「薬、ストレス、カンジダ・アルビカンスや単純ヘルペスのような日和見感染、ウイルスなどが考えられる要因として挙げられる。」と彼女は述べています。「これらの経口症状は新型コロナウイルスの唯一の徴候である可能性があり、また一般的な症状の前に現れる可能性もあることは言及する価値があります。」

今回の知見は「歯科医師の視点から見た新型コロナウイルス」と題するレビュー論文で発表されました。「症例報告と170例以上の簡単なレビュー」と題するレビュー論文にて、2020年12月26日に皮膚科治療誌のオンライン版に掲載され、号外掲載に先駆けて発表されました。

スペインの研究で新型コロナウイルス患者の4分の1が口腔症状を呈していたことが判明

スペインの皮膚科医が2020年4月に実施した横断的な研究で、患者の4分の1が口腔内に1つ以上の症状があることが判明しました。この研究は、マドリードでの新型コロナウイルス感染のピーク時にコロナ関連の肺炎において、軽度から中等度の症例を治療する為に設立された臨時野戦病院で実施されました。逆転写ポリメラーゼ連鎖反応検査陽性または両側性肺炎のいずれかを有する患者666人が含まれていました。

研究によると、口腔内の症状は78例(25.7%)に認められ、一過性舌乳頭炎(11.5%)、側方へのくぼみを伴う舌炎(6.6%)、無声性口内炎(6.9%)、パッチ状の脱パピレーションを伴う舌炎(3.9%)、粘膜炎(3.9%)などが挙げられています。口腔内の灼熱感は5.3%の参加者が報告しており、一般的にはガウシアと関連していることが判明しました。

イギリス皮膚科専門誌のオンライン版に発表された研究文書によると、舌炎や乳頭炎などの口腔内症状はこれまで新型コロナウイルスとの関連性はなかったが、口腔内を検査することによる伝染リスクが新型コロナウイルス患者の口腔内の精密検査を妨げているのではないかとの仮説が示されたといいます。

著者らは、研究参加者全員が軽度から中等度の新型コロナウイルス肺炎のみの成人であったこと、研究が2週間の期間に実施されたこと、したがって、研究者は疾患の以前の症状や後遺症を見逃していた可能性があることを認めています。

それにもかかわらず、著者らは「口腔は頻繁に関与しており、伝染リスクを回避するために適切な状況下での特定の検査に値する。」と述べています。

記事提供

© Dental Tribune

ライター

Jeremy Booth, Dental Tribune International

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