「初診カウンセリング」について【Dentwave.com会員寄稿メディア】
私が働く歯科医院では、特に初診時のカウンセリングにはしっかりと時間をかけるようにしています。カウンセリングでは、患者さんの主訴を聞く事はもちろんですが、問診票に書ききれない情報をいかに引き出すかという事が大切だと思います。初診の患者さん向けにパワーポイントで作成したご案内資料をモニターに映しながら患者さんのお話を聞きつつ、医院から伝えたい情報もしっかりとお伝えしています。
そこでご案内する内容は院長紹介や主訴、病歴の確認等の他に以下のようなポイントがあります。
初診カウンセリング
・クリニックの治療方針
予防の重要性を伝え、治療終了後の定期的なメンテナンスにつなげていくことを意識しています。
・歯科治療歴
治療に対する不満や不安、どのような治療を求めて当クリニックに来院したか、転院に至る経緯などをヒアリングします。
・金属アレルギーの有無
補綴治療を行う際、セラミックをおすすめするための情報をあらかじめお伝えし、自由診療につなげる。
・感染予防対策
コロナ禍でも安心して通院いただくために、歯科医院で実施している感染予防対策を丁寧にご説明します。
・キャンセル防止のお願い
予約をしっかり守っていただき、無断キャンセルの防止に努めます。
・検査内容
実施する検査の内容や目的を説明します。
あらかじめカウンセリング用の資料を準備し、モニターを使ってカウンセリングを行うことで、誰が行なったとしても、最低限必要な情報を引き出すことができるようになります。そして、患者さんにも他の歯科医院とは違って丁寧に説明してもらえるといった好印象を与えることができ、患者さんからの信頼獲得にもつながるはずです。
また、初診カウンセリング後に様々な検査を行ない、治療方針を作成し、次回来院時にセカンドカウンセリングで治療方針を説明、ご納得いただいた上で治療へ進むので説明不足によるトラブル防止にも役立っています。
また、初診カウンセリング後に様々な検査を行ない、治療方針を作成し、次回来院時にセカンドカウンセリングで治療方針を説明、ご納得いただいた上で治療へ進むので説明不足によるトラブル防止にも役立っています。
しかし、実際にはカウンセリングにそれほど時間が取れないという歯科医院も多いと思います。
患者さんが来院してから治療終了し帰るまで、受付から始まりDA、DH、DT、DR多くのスタッフにコミュニケーションの機会がありますよね。カウンセリングに時間がかけれない歯科医院の場合は、それぞれのスタッフが患者さんとコミュニケーションをとる機会に少しずつ情報を引き出し、それらの情報をスタッフ間で共有してみてはいかがでしょうか?
ちなみに私が働く歯科医院ではサブカルテを使用しています。通常のカルテの他に用紙を作成し、患者さんの要望や細やかな情報はもちろん、患者さんの体調やご家族の情報から、来月の旅行の予定や飼ってる猫のプライベートなお話までを、各スタッフが記入し、情報を共有しています。
このように得ることができた患者さんの情報は、治療に役立つことはもちろん、患者さんに対して、スタッフが自分のことをわかってくれているという安心感や満足感を提供することへつながっていると感じています。
より信頼できる歯科医院となるために、患者さんの言葉やしぐさ、表情、その方が発するメッセージを見逃さず、患者さんとのコミュニケーションを大切にしたいと思います。
会員の歯科医療従事者の方からご執筆いただいた記事をご紹介いたします
ペンネーム 阿部
プロフィール:歯科技工士学校を卒業し、歯科技工所で歯科技工士として8年間勤務。
その後歯科助手に転職し、現在は仙台市の歯科医院でTC、歯科助手として勤務中。
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