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小児の歯科口腔診査は、歯の健康を維持し、早期に虫歯や問題を発見するために非常に重要な診査です。そこで今回は小児の歯科口腔診査のポイントについてご紹介します。
小児の歯科口腔診査では、まず歯の発達の状態を確認することが重要です。乳歯や永久歯の生え方や順番、歯の位置などをチェックし、正常な発達を確認します。
これによって、将来的な歯並びの問題や異常な発達を早期に発見することができます。また、6歳〜8歳の小児は一般的に矯正治療の適齢期と言われています。
特にこの年齢の小児の口腔内状況はしっかりと把握しておく必要があります。
歯肉の健康は、歯の健康に大きく関わっています。小児の歯科口腔診査では、歯肉の色や腫れ、出血の有無などを評価します。
特に歯磨きの不十分な場合、歯肉炎や歯周炎が発生することがあるため、歯肉の健康状態をチェックすることは非常に重要です。
厚生労働省の調査によると、小児の虫歯は年々減少しているとの結果が発表されています。しかし、小児歯科専門のクリニックに来院する小児はC3やC4の状態の虫歯がある場合も多く、ブラッシング指導を行ってもなかなか口腔内の状態が良くならない小児も非常に多いです。
そんな小児には、食生活のアンケートを実施し、状況を把握してあげることが大切です。また、小児の歯科口腔診査では、虫歯の有無を確認するために、歯の表面を観察し、歯の間や歯の隅々を検査することが重要です。
歯の表面に白い斑点や黒ずんだ部分がある場合、虫歯の兆候である可能性があります。診察時には状況に合わせてパントモ・デンタルの撮影を行っていきましょう。
小児の歯科口腔診査では、歯磨きの指導も行われます。歯磨きの指導では、適切な歯磨きの方法やブラッシングの頻度、歯ブラシや歯磨き粉の選び方などを説明します。
また、歯磨きのポイントや歯磨きの際の注意事項も指導されます。これによって、小児が正しい歯磨きの習慣を身につけることができます。
小児の歯科口腔診査では、必要に応じて予防処置の提案が行われます。予防処置としては、フッ素塗布やシーラントなどがあります。しかし、フッ素は「なるべく塗りたくない」という親保護者もいるので必ず確認をしてから行うようにしましょう。
シーラントもメーカーによってはフッ素入りのものもありますので、要確認です。
小児の虫歯を予防するには、幼い頃からの食生活とブラッシングが大切です。歯科医師・歯科衛生士の皆さんは各年齢に合わせた正しい口腔診査ができるようにしておきましょう。
歯科大学歯科衛生士学科卒業後、小児患者や障害者の歯科診療体制や、歯科恐怖症患者について学ぶため歯科大学付属の専攻科へ進学し口腔保健学学士を取得。その後は小児歯科専門歯科医院にて勤務。歯科衛生士ライターは「歯科に苦手意識を持っている人が媒体を通して理解し、歯科を身近に感じることで歯医者に行ってみよう」という気持ちになることを後押ししたいという思いから学生時代に始めた。
Instagramアカウント|歯科衛生士カウンセラー・ライター西山
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