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前回の「【きほんのき】訪問歯科・在宅歯科治療の診療当日までの流れを説明」に続き、今回は訪問歯科・在宅歯科治療の実施方法と注意点をご説明いたします。
訪問歯科・在宅歯科診療の実際
実際に訪問歯科・在宅歯科診療で行うことの多い処置は、義歯の調整や作製、抜歯、う蝕治療です。これらは歯科医院での治療の流れや頻度と同等に行います。
また、もっとも需要や必要性の高い処置が口腔ケアです。寝たきりの患者等に対して、基本的には週1回のペースで、可能な限り続けます。術前ケアを行う場合は、1回の処置で終わるケースもあります。
上記以外にも、機材が整っていれば、嚥下内視鏡検査や嚥下訓練・口腔リハビリを行うこともあります。
訪問する上での留意点
訪問歯科・在宅歯科診療は、患者やその家族からの要請を受けて自宅や入居施設を訪問します。言い換えると、患者の生活の場で歯科診療を行うことになります。歯科医院とは違って医療現場ではないことを念頭に置き、患者本人や家族のプライバシーを尊重し、信頼関係を築きながら診療を進めていくことを心がけましょう。患者本人だけでなく家族とも会話を重ね、コミュニケーションを図ることが重要です。
最後に
訪問歯科・在宅歯科診療についてご理解いただけたでしょうか。歯科医院への通院が困難な患者やその家族が、安心して訪問歯科・在宅歯科診療を受診できるよう、歯科医療従事者が基礎知識を持ち、依頼があった際には適切な対応ができるよう準備しておきましょう。
高山 由衣
日本大学松戸歯学部附属歯科衛生専門学校卒業。歯科衛生士免許取得後、一般歯科、予防歯科、訪問歯科を主軸に勤務。現在、臨床業務を行いながら、医院の仕組みづくりやスタッフ育成、チームマネジメントに携わる。2021年7月歯科衛生士のオンラインサロン「99.99〜フォーナイン〜」を立ち上げる。
Instagram @yui_takayama/
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