「暴力患者」中国で深刻 医療格差に不満…殺人も

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中日新聞 2014年1月5日 負傷の医師、週に1人 中国で診療や治療をめぐり不満を持った患者が医療関係者に暴力をふるい、殺人に至るなどのトラブルが社会問題となっている。 中国政府は対応に追われるが、根底に医療水準の地域格差があるだけに解決は容易ではない。 新華社電によると、安徽省合肥市で起きた医療トラブルをめぐる殺人事件で、被告の患者(42)が無期懲役になった。病院で受けた検査で気分が悪くなり、報復として看護師1人を殺害、4人が負傷したという。 中国紙によると、2012年に起きた医療トラブルによる凶悪事件は11件。7人が死亡、28人が負傷した。北京では、週に1人の割合で医者が患者の暴力で負傷しており、わざと病院内で騒ぎを起こして慰謝料などをせしめ、患者側から一部を手数料として受け取る「騒ぎ屋」までいる。 週刊紙「南方週末」は、都市部の総合病院に患者が殺到し、医者が患者と十分な意思疎通ができないと指摘。経済的に苦しい人は低価格で粗雑な医療機関に向かうが、結果的には不公平な待遇に劣等感を持つことになり、暴力に走るという。 トラブルを減らすため、政府は第三者機関の調停委員会の設立を進めており、14年には全国4分の3の地域をカバーする目標を掲げる。ただ調停メンバーの能力や公平性に差があるとも指摘されており、専門家は、利害関係のない他地域での調停や、医療機関の経済負担を減らす公共基金づくりが必要と訴えている。 【北京=新貝憲弘】
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