都歯8020運動推進特別事業・在宅歯科医療:各職域とさらなる連携が急務

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東京都・東京都歯科医師会が主催した「東京都8020運動推進特別事業 平成21年度在宅歯科医療推進のための集い」が3月17日、歯科医師会館で開催された。まず、講演「東京都における急性期を脱した後の医療提供体制の整備について」櫻井幸枝・東京都福祉保健局医療政策部医療改革推進担当課長、続いて、「北多摩北部医療圏在宅ケア研究会について」石橋幸滋・東久留米医師会副会長、「高齢社会で地域ケアを実践するために」新谷浩和・大田区大森歯科医師会理事の報告が行われた。櫻井課長は、医療制度改革が進められていく中で「医療の提供体制の整備が急務なのですが、そのポイントは医療と介護の連携。医療の必要度の高い高齢者等の療養の場としての必要量を確保していくことが必要です」と基本的な考え方を示した。同時に、在宅医療ネットワーク推進事業をするにあたり、最も必要なものとして"コーディネート"を挙げ、その重要性を指摘した。石橋副会長は、現在の活動の拠点になっている医療機能連絡協議会、在宅ケア研究会等を紹介しつつ、「歯科の重要性を理解したのは、ここ5年ほど前ということもあり、残念ながら歯科の情報が入ってきていないのも事実です。そこで、改めて歯科を含めた他職種との連携を強化していきたい」と強調した。また、4月から日本プライマリ・ケア学会、日本家庭医療学会、日本総合医療学会が一つの学会に統合されることを受けて「これを期に、歯科医師会との連携のための議論をしていきたい」と今後に向けて意欲を示した。一方、新谷理事は、大田区大森歯科医師会が取り組んでいる事業を示す中で、「医療・介護のおける情報の共有、連携システムはどうなっているのか」など指摘。また、最近、研究対象として注目している認知症への対応についても報告した。これらを踏まえて、在宅訪問歯科診療、歯科衛生士による食事介護と直接訓練の様子をビデオで紹介した。「認知症患者への取り組みを行う中で、新たな課題も生まれているが、地域で支えるために、理解すること、見守ること、声かけをすること、手助けすることが大事」とし、地域づくりセミナー等などを行っているとした。コメンテーターとして意見を求められた戸原玄・日大歯学部准教授は、「課題とされる連携を構築するには、あまり固く考えず、まず顔を見ること、敢えて言えば、見せることが重要だと思います」と積極的な姿勢が必要性と助言した。会場との質疑応答では、「コーディネートの重要性を指摘する声があったが、誰が相応しいのか」「連携を図る上で、医科と歯科の共通言語を作る必要ではないか」との質問に、石橋副会長は「その人によるという面があるが、裏方に回れるという意味では、ケアマネジャーかもしれません」、「共通言語は必要です。議論していきたい」と述べた。そのほか、櫻井課長から「包括支援事業という形で市区町村に補助を出していますので、企画を出して下さい」と要請が出る一幕もあった。なお、秘書を伴い出席していた川口浩代議士(民主党・歯科医師)は終了後、「この分野は、歯科医師として私が、やっていたこと。地域住民には不可欠なことであり、他科と連携を強めて推進すべきだ」と強調していた。
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