がん検診検体から遺体身元判明
NHK NEWSWeb 12月14日
東日本大震災の犠牲者の遺体の身元の特定が続くなか、がん検診の際に採取された体の組織=検体が、宮城県石巻市の親子の特定につながり、警察では有効な手段だとして活用を進めることにしています。
宮城県では、遺体は見つかったものの、今も身元が分からない震災の犠牲者が66人に上っていて、警察がDNAや歯型の照合、それに遺体から再現した似顔絵などを使って特定を続けています。
こうしたなか、警察がことし9月にがん検診を行っている宮城県対がん協会や医師会に行方不明者およそ1300人分の名簿を提出して手がかりを捜していたとこ
ろ、がん検診の際に採取した細胞などこれまでに34人分の検体が保管されていることが分かりました。
警察が検体のDNAと遺体のDNAを照合したところ、去年3月下旬に石巻市で見つかった親子2人の遺体のうち1人のDNAと一致し、当時68歳の女性と95歳の母親だと特定できたということです。
検体が身元の特定に結びついたのは宮城県では初めてで、身元不明・行方不明者捜査班の金野芳弘班長は、「検体がこれほど有効な手段だとは思わなかった。積極的に活用し、一刻も早く家族のもとに帰したい」と話しています。
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