東京歯科保険医協会の第29回メディア懇談会が1月20日、同協会会議室開かれた。
次期診療報酬改定が今回の懇談会の話題の中心であった。
藤野健正副会長が司会を務め、まず、矢野副会長が次期の歯科診療報酬改定に対する南條芳久政策委員長談話について説明した。
歯科の改定率は1.70%、診療報酬全体で0.004%であった。
「歯科は一応はプラス改定であるが、実際はどうなのか、見合ったものとなるのか?」と疑問を投げかけた。
また、藤野副会長は、0以下1桁ではなく00と3桁まで出したことについて、「どのような感想をもったか」とメディア側に感想や意見を求めた。
また、東京歯科保険医協会は問題点にふれて、「民主党政権は、自民党政権時代と違って、診療報酬改定は閣議決定をし、闇取引をしないとしていたが、財務大臣と厚生労働大臣との大臣折衝であり、自民党と同じだ。公約違反に近い。何故、大臣間の合意で終わったのか? そのことに誰もふれていない。税と社会保障の一体改革も閣議決定ではない。違和感を感じざるを得ない。自民党と同じでいいのか?」と疑問を投げかけた。
次いで、インプラントの保険導入問題やNHKの番組「クローズアップ現代」の「人気の歯科インプラントで死亡事故—儲け優先で未経験・未熟医師が治療」(2012/1/20 )を話題とした。
「NHKが番組で何を意図したのか?」と疑問を提示していた。
前回、メディア懇談会に参加したNHK記者に、「テレビ番組の意図などを改めて聞きたい」としていた。
テレビ番組の取材に協力した立場から、東京歯科保険医協会としては、「テレビ番組が当初の方向性とは違った内容になっていた」と感想を述べていた。
また、「急増する『国民生活センター』」へのインプラント相談」についても意見交換がされた。
なお、メディア懇談会にオブザーバーとして参加した青森県の歯科医師が、自身のインプラント治療と対応について意見を述べたので参考になった。
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<参考>
NHKが歯学部のある27の大学病院を対象にアンケート調査した結果、インプラント治療後の不具合を訴えてた患者がこの2年半で2700人以上にのぼっていることが分かった。
背景として大学病院が挙げた理由は、「最初に治療した歯科医院での知識、技量不足」が86%、「難しいケースにもかかわらず無理な治療を行った」が76%にのぼっている。
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