デンチャーの重合収縮

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歯科用レジンの重合には必ず重合収縮があります。以前にもこのブログで書きましたが、20年近く勤めていた歯科医院で重合収縮による影響で口腔内に入らなかったことを経験したことがありません。何故なら同じ方法で同じ材料で重合収縮をコントロールしていたからです。

独立開業してある歯科医院で義歯のセットに立ち合ったときにセット前に痛くもきつくもないのに粘膜調整材を入れ義歯床内面を削り始めたのである。首をかしげて歯科医に尋ねると「重合変形して小さくなっているから調整するのが当たり前だ」と返された。あたりまえなのであるがコントロールをして作っていることを伝えたが「嘘をつくな」と言われ信じて頂けなかった。それは大学の補綴教室の自分の経験(データ)によるものであるそうです。

懲りもせず私は患者さんのことを考え未重合のレジンを提供したくなく、常温レジン系は使用せず、いまだに同じ加熱重合レジンで完全重合方法で製作しているのであるが、歯科技工を30年以上経験して3000症例を超えてきて初めて自分の重合法の実験をしてみた。上下総義歯シリコーン印象に超硬石膏模型と重合用模型を2ケ作り重合完成研磨後に配列時に咬合器に付けた超硬石膏模型に戻した。驚くことにアンダーカットの無い模型に吸いつくように適合し、逆さにしても落ちてこない!咬合器の切歯ピンも挙上してなかった。上下2ケずつ製作したが4ケ共適合した。義歯の口腔内適合の良し悪しは重合収縮だけが起因ではないということがわかった。今一度気付いてほしい印象と模型の精度を!

自分の長年の技術が間違っていなかったことに喜びが湧き上がってきた。その義歯の適合精度はいま検査機関で計測していただく予定になっている。結果が出たらまた掲載しようと思う。

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